本来は別のことを書くつもりだったのですが、ついつい嬉しくって今日起こったことを書いてみます。実はここしばらく、マウスピース・ピックアップのBarcus-berry 1374の調子が今ひとつだったのです。使用するバッファー・プリアンプは、1990年代にラインナップされていた純正の 'Universal Interface 3500A' というものでした。VolumeとBass、Trebleの2バンドEQ、そして基板上にドライバーで調整する12dBのゲインが備えられています。9V電池のみの駆動のため、ケースに穴を開けてバッテリー・スナップからパワーサプライに電源供給できるよう 'プチ改造' しました。当初は特別問題ないと思っていたのですが、次第にピックアップのエフェクターに対するかかりがイマイチに・・。プリアンプの不具合か、もしくはピエゾ・ピックアップ自体に問題があるのだろうか。いよいよ1374をスペアと交換しなきゃダメなのか、と不安になっていたところに、ネットを通じてハードオフにBarcus-berry1970年代のプリアンプの中古を見つけました。値段は5000円弱ながらほとんどデッドストック品というくらい、元箱、取説付きのきれいな状態。実は当初、単に今のプリアンプが壊れたら乗せ換えようか、くらいの気持ちで買っておいたもので、よもや、こんなにも早く換装するとは思いませんでした。しかし他社のプリアンプに比べ、やはりプリアンプとピックアップは純正品同士の相性が一番マッチしているように思いますね。ともかく、早速エフェクターボードから3500Aを取り外し、新たに入手したヤツにプラグをIn!アンプのヴォリュームをグイッと回します(イイや、どうせ今日は連休だし)。
"オ オ ッ"
なんとあっさり、甦りました。いや、こんなにも違うものなのか!?これ、ベル側のダイナミック・マイク使わなくても全然問題ないかも。しかし、併用してみるとさらにかかりが倍増!筐体が以前の3500Aに比べて少々高く、このままだと付属のエフェクターボードを収納するバッグに入らなそうですが、そんなこと今の自分にはまったく関係ありません。
というわけで、ほとんど独り言のような '小さい喜び' を噛み締めているのですが、ここでちょっとBarcus-berryの代表的なプリアンプについて調べてみました。製品ごと、というよりも時代ごとに小まめにモデルチェンジしていたようで、たまにeBayなぞを覗いてみると、いくつかのモデルを見つけることができます。
●1330-1(1330) Standard Pre-Amp
Treble、Bassの2バンドEQにSensitivity、Volumeを備えています。よくこのモデルの '売り文句' として、あのレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジが 'エレアコ' で使用していたとかで、彼のプレイ時の写真と共にeBayに上げられています。
●1332-1 Studio Pre-Amp
コレはなかなかお目にかからないモデルですね。Treble、Bassの2バンドEQにSensitivity、Volumeと、Lo-Z Gainというツマミ。そして通常のフォンによるOutputのほか、600ΩのXLR Outputを備えており、その名のごとくスタジオでの使用に特化したプリアンプ。
●1333 Super Boost
その名のごとくクリーン・ブーストしてくれるプリアンプ。ツマミ類の一切ないタイプと、筐体横にGain(Volume)ツマミを備えた2モデルが存在しています。
●1335 Pre-Amp Equalizer
コレも結構レアなモデルだと思います。SensitivityとVolumeのツマミのほか、125Hzから250Hz、500Hzから1000Hz、2000Hzから400GHzをそれぞれ組みにした6バンドのグラフィックEQが備えられています。
●1432 Studio Pre-Amp
1430のスタジオ仕様であり、ResponseのEQを廃してLo-ZのXLRバランス出力が加えられております。
●1433-1 Super Boost
Gain(Volume)ツマミのみのプリアンプで、1333 Super Boostのモデルチェンジ版です。
●1435 Active Direct Box
その名の通り9Vアダプターで駆動するアクティヴのDI。
→Barcus-berry 1430 Standard Pre-Amp
わたしが購入したのは '1430 Standard Pre-Amp' というモデルで、なんと上記に挙げた各モデルに比べていろいろと素晴らしい機能が備えられています。Gain(Volume)ツマミとResponseという、LoからHiにかけて可変させるEQのツマミが1つ、そしてLo-Cutのスイッチがあります。しかし、最高に嬉しいのがミニプラグながら9V電源を供給することができる点!!上記に挙げた各モデルはすべて9V電池のみの駆動なだけに、ますます良い買い物をしたなあ、という思いがひとしおですね。これらは皆、1970年代から1980年代初め頃に生産されていたもので、これ以降になるとプリアンプも9V電池ではなく、いわゆるボタン電池の入った小型のものがピックアップの付属品として同梱されるようになります。
→Barcus-berry Pre-Amp
→Barcus-berry Pre-Amp on eBay
たかがプリアンプ、されどプリアンプ・・グイッとゲインを持ち上げてくれる '縁の下の力持ち' 的存在として、これこそマウスピース・ピックアップを活かす必需品であります。
追記:ハハ・・喜び勇んだのもつかの間、何かBarcus-berry 1430が妙な電源誘導ノイズを発してます。ケースに触ると 'ブ〜ン' という電源系統特有のノイズが・・これ、ちゃんとアースが取られていないのかも。近藤等則さんの言葉を借りれば "あがきはいつまでも続くね"。電源回りから混入するアースが悪さをしているのでは?といろいろチェックをしてみたのですが、とりあえず、基盤のある筐体下部へ被せるようにして2つのネジで締める蓋と筐体下部の間に薄いゴムシートでみっちりと隙間を埋めます。これでケースに触っただけで発していたノイズはなくなりました。しかしこのプリアンプBarcus-berry 1430、元々のゲインが高いのか薄っす〜くではありますがノイジーに '唸って' いる感じがありますね。ヴォリュームのツマミをオフにしても完全にオフにはならないし・・これはもう、ピックアップのかかりが良くなったことの 'オマケ' と思うことにします。
→Joemeek Three Q ①
→Joemeek Three Q ②
さて、プリアンプといえばやはりファンタム電源の供給や、もしくは真空管を搭載した 'ハイブリッド' なものを持っているといろいろ使い勝手が良いと思います。わたしはJoemeek Three Qというハーフラック・サイズのプリアンプ、コンプレッサー、EQ搭載の 'チャンネル・ストリップ' を愛用しています。もちろんこの分野はこだわってしまうと平気でヴィンテージ含め100万近い高級機がざらにあり、当然マイク自体も高価なものを合わせて初めて効果を発揮するものです。特にNeveという名前は非常に崇められており、現行の各社プリアンプが目指す設計思想に 'Neveの質感' というのが合言葉のように存在しています。
→Studio Projects VTB 1 ①
→Studio Projects VTB 1 ②
比較的安価な製品の中で、なぜか 'Neveのような・・' という '口コミ' が広まり人気が出ているのがハーフラック・サイズの本機、Stuido Projects VTB 1です。すでに10年以上経った製品ながら、真空管のトーンをツマミでブレンドできるという 'ハイブリッド' な設計が本機の価値を高めています。正直、安価なクラスの真空管搭載というのは、単にアウトプットで通しているだけの無駄なノイズを付加する意味のないものが多いのですが、一方で安価な分、手軽に自分でいろいろな真空管を交換してカスタマイズできる面白さがあります。また、本機にはインサート端子が付いているので、ここにエフェクターをインサートケーブルで繋ぎ、ライン・レベルのエフェクター(ギター用コンパクト・エフェクターの場合だと歪むかもしれません)であればかけることができます。もちろん、ラインアウトも付いているのでここからコンパクト・エフェクターに繋ぐことも可能です。
サウンドハウスやamazon含め、結構入荷が流動的なのも本機の人気を裏付けているようですね。
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