最近、Youtubeでトランペットを ‘アンプリファイ’ にした人の動画がUPされ始めて嬉しくなっています。ちょっと前までは、徹底してやっていたのは近藤等則さんくらいだったのですが、いまは音楽的志向や機材などのヴァリエーションが広がって以前ほど ‘邪道的な’ 扱いではなくなりました。ここでは、そんな面白い試みを行っているラッパ吹きの動画をいくつかご紹介してみたいと思います。
まずはこの人、Blair Yarrantonというカナダのラッパ吹き。ワウやオクターバー、ディレイなど基本的なものがありますが、トランペットでディストーションの音色を試しているのは珍しいですね。Pigtronixからの提供で歪み系のDisnortionやエンヴェロープ・フィルターとフェイザーの複合機Envelope Phaser EP-2が足元にあります。また、ハウリングとピークを抑える目的でMXR M-102 Dyna CompとBoss GE-7 Equalizerで対処しているのは興味深い。簡易PAシステムのYamaha Stagepas 150Mを用いて鳴らしており、またこの動画の後から、新たにRadial Engineering Voco Locoを導入してセッティングを見直したそうです。コンデンサー・マイクはAudio-Technica Pro-35を用いています。
こちらはアメリカのJohn Bescupというラッパ吹きで、コルネットを ’アンプリファイ’ にしてかなりの数のエフェクターで鳴らしています。ベル側のコンデンサー・マイクAudio-Technica ATM350のほかに、Barcus-berryのピエゾ・ピックアップ1374をマウスピースに接合して併用。ここでは自らのバンド100% Juiceをバックに、かなり珍しいブランドのエフェクター始め、これだけの物量を足ではなく手でツマミやスイッチを操作しているのが面白いですね。なかなかギター用エフェクターを試すことのできないラッパ吹きにとって、こういう動画は各製品のリファレンスとしても参考になるでしょう。しかしこの人、自らエフェクターを乗っける机やモニター用のスピーカーの製作、鉄道模型のジオラマを手がけるなど、多趣味かつDIYな人だ。
お次はMike ‘Maz’ Maherというアメリカのラッパ吹き。Snarky Puppyほかいくつかのバンドに参加して活動しているそうです。これはDunlopのMXRエフェクターによるデモンストレーションの一環で、 彼のレコーディング・セッションに同社のGCB95 Crybaby、M-103 Blue Box、M-169 Carbon Copyを持ち込んで試してもらったもの。しかしこういう動画を見ると、楽器メーカーも従来のギタリストから新たな裾野を開拓しようということが伺えますね。素晴らしいのは、ちゃんとFenderのギターアンプで鳴らしてマイク録音をしており、PAシステムのクリーンかつワイドレンジな ‘鳴り’ に対し、アンプ特有の中音域に寄った ‘箱鳴り’ 的トーンでワイルドになっています。Blue Boxでの音色などほとんどエレクトリック・ギターかと見紛うばかりだ。
こちらはRadial Engineering Voco Locoのデモンストレーション動画で、Vince Maiなるラッパ吹き。顔から察するに、クォン・ヴーなどと同じベトナム系アメリカ人でしょうか。このVoco Locoを中心に、GCB95 CrybabyとBoss DD-20 Giga Delayで用い、ある意味 ‘正統的な’ 使い方を提示してくれます。今の人はこのVoco Locoとマイク、いくつかのエフェクターを用意するだけで手軽に鳴らせるのだから良い時代になったものです。
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