2019年7月5日金曜日

夏の夜長に耽る・・

あー、まだかまだかの '梅雨明け宣言' を待ちわびながら先週末からずーっと曇天及び連チャンで降りしきる '梅雨真っ只'。しかし、ジワジワと蒸し暑くなってきており一面真っ青な夏空はすぐそこ・・夏大好き。今年も気持ちの良い汗をかけるでしょうか?





そんな真夏の夜長ほど狭い一室に誂えてある機材に向き合いたい!?人がいるかどーかは分かりませんけど(苦笑)、寝苦しい熱帯夜で汗だくのままうなされるよりかは機材の電源を入れた方が精神衛生上良い、とは思うなあ(近所迷惑にならない範囲で)。もちろん、しっかりとした睡眠と '体内時計' の調整はホントに大事なので徹夜することを勧めてるワケではありませんが、どうしても眠れない時はその発想を転換、喚起されるように音と戯れることで '意識を拡張' し、明け方グッタリとベッドに沈み込んだ方が深い眠りに就けると思うのですヨ(そして今日は週末だ!)。











Elektron Octatrack DPS-1 (discontinued)
Elektron Octatrack Mk.Ⅱ
Benidub Digital Echo

しかしコンピュータの前に座って画面眺めながら切った張ったのチマチマした作業は嫌だ。ただでさえクソ暑いのにそんな根を詰める作業はやりたくないし、下手したら 'ネットサーフィン' して無駄な時間を過ごすことになるかも・・。とりあえずレコードを使うのならElektronの変態サンプラー、Octatrackを使用してこんなパフォーマンスの方が何倍も楽しいのでは?ま、その前に操作性で一、二を争う難易度の高い本機と向き合わなければならないのだけど、ね(汗)。もしくはミキサーをお持ちなら単純に4トラックくらいでループするフレイズをパラってダブの真似事をしても楽しいかもしんない。そんなダブに適したディレイといえばリアルタイム操作で多機能なスペイン産のコイツ、Benidub Digital Echoをミキサーの 'センド・リターン' に繋いで頂きたい。





Redshift Effects Mirage ①
Redshift Effects Mirage ②
Electro-Harmonix Attack Decay - Tape Reverse Simulator

ちなみにディレイといえばこんな新興の工房からまた物欲をそそるヤツが登場、Redshift Effects Mirage。DSPによる最大3秒のリバース、オクターヴアップリピート、パターンをユーザー自身でカスタマイズ出来るマルチタップ・ディレイを中心に4種のモジュレーション(トレモロ、ローパス、ハイパス、リゾナント)を備え、さらにスイッチ一発でフィードバック発振をコントロールするなど多彩な効果を発揮します。またDecay、Dep/Pat、Rate/Varの3つのツマミはそれぞれエクスプレッション・ペダル及びCVによる電圧制御!に対応しており、これはここ最近のペダルと 'モジュラーシンセ' の混合した関係を睨んだ機能だと言えるでしょうね。そして最近のデジタル機器で当たり前となったUSBによるファームアップデートへも対応しており、本機で作成したパターンや細かな設定をPCとやり取りすることが可能です。そんなディレイにもう一味、さらに拡張した音作りに威力を発揮するのが現在ではあまり話題に登らなくなったエンヴェロープ・モディファイア。この手の 'ニッチな' アイテムならお任せの 'エレハモ' から往年の迷機、Attack Decayが現代的にパワーアップして再登場。シンセサイザーでお馴染みのADSR(Attack、Decay、Sustain、Release)と呼ばれるエンヴェロープを操作するもので、この新作ではそれをワンショットのモノラル、ポリフォニックの2つのモードに3つまでセーブ/リコールのプリセット可能です。また効果をより鮮明にすべくファズも内蔵し、いわゆる本機の効果で最も有効性のある 'ヴォリューム・エコー' に最適な 'センド・リターン' を搭載することで、ここにディレイやモジュレーションを繋いで積極的な音作りに活用出来ます。本機のツマミはエクスプレッション・ペダルのほか、これまた最近の風潮に則ったCVにも対応することで 'モジュラーシンセ' からもコントロールすることが可能。これはまさに '宅録野郎' が夜な夜なひとり遊ぶのにピッタリですね。





Chase Bliss Audio Mood ①
Chase Bliss Audio Mood ②

そうそう 'Digital Brain Analog Heart' のキャッチコピーでお馴染みのChase Bliss Audioからも新たな 'グリッチペダル' Moodが登場です。そろそろこの手の効果も食傷気味かな?という印象がなくはないのだけど、やっぱり動画を見てしまえば色々と想像力を掻き立てられて試したくなってきます!とにかくこの工房の製品はそのサイズでやれることが満載なだけに説明も大変なのだけど(汗)、2チャンネルのグラニュラー/マイクロルーパー/ディレイが基本形。パッとそのスペックを見た感じでは海外でこの手の製品としてヒットしているカナダの工房、The Montreal AssemblyのCount to Fiveなどの好敵手といった感じかな。面白いのはその2つのチャンネルの内、Holdするマイクロルーパーの機能をベルギーの工房Drolo Fx、もう一方の幻想的な空間系プログラムを米国の工房Old Blood Noise Endevorsがそれぞれ担当した 'コラボ' 製品であること。そのループ・モードではEnv、Tape、Stretchの3種、一方の空間系モードではReverb、Delay、Slipの3種をそれぞれ備え、本機の中央に位置するClockツマミで各チャンネルのループ・タイムを11種から選択することが可能。もちろんそこにChase Bliss Audioならではの 'Digital Brain' な頭脳、Dipスイッチで設定してプリセットからMIDIやCVとの連携まで任されております。しかし、これだけ飽和した市場に対してどれだけ 'グリッチ' は音楽の世界を刷新しているのだろうか?保守的な耳はまだまだ機材の面白さに追い付いていないのが現状ですヨ。





Bastl Instruments Thyme - Robot Operated Digital Tape Machine ①
Bastl Instruments Thyme - Robot Operated Digital Tape Machine ②

そんな 'グリッチ/スタッター' 系エフェクターの中でモジュラーシンセとの連携も目指してやってきたのがこちら、'Robot Operated Digital Tape Machine' と題したThyme。'ガジェット' 全開な機器を製作する一方でCVやMIDIを統合しながらプログラマブルな本機を製作してしまう旧共産圏のチェコ共和国、恐るべし。本機筐体の真ん中辺りに並ぶDelayセクション3つのツマミCoarse、Fine、Spacingをテープの 'バリピッチ' の如く操作し、それをTape SpeedとFeedback、Filterで変調させながらフレイズが破壊されていきます。そしてもうひとつのRobotセクションではFM変調の如く金属質なトーンへと変調し、それを真下にズラッと並ぶ6つの波形とエンヴェロープ、外部CVから操作・・というかここでは説明しきれないほどの機能満載でございます。





Elektron Digitakt DDS-8 ①
Elektron Digitakt DDS-8 ②

いやあ、流石にOctatrackの操作は覚えるのに一苦労・・という声がスウェーデンの技術陣に届いたかどーかは分かりませんが(笑)、シンプルなワンショットのループ・サンプラーとドラムマシンをひとつにまとめたDigitaktが登場、現在 '宅録野郎' たちを中心にヒット街道爆走中であります。このサイズでサンプラーとドラムマシン、シーケンスが一括して打ち込めるという分かりやすさはイイですね。ホント、夏の夜長の 'お供' になること請け合い。





Headrush Looperboard ①
Headrush Looperboard ②

さて、こういったリアルタイム・サンプリングに有効なのがループ・サンプラーなのですが、この分野も 'ひとりYoutuber' という市場が生まれた?ことでぐんぐん進化、いよいよこんな化け物のようなヤツが現れました。Headrush LooperboardはパワフルなクアッドコアDSP、7インチのタッチディスプレイ、8時間以上の録音、リアルタイムストレッチ、高品質な内蔵エフェクツ、外部USB/SDストレージ、USBオーディオインターフェイスと・・ほぼ、サンプラーのふりをしながらマルチトラック・レコーダーのような様相を示しておりまする。特にこのタッチディスプレイに現れる波形表示、スワイプからドラッグ&ドロップ操作による波形編集などは完全にDAWというか、こんな簡易的なループ・サンプラーもいよいよここまで来たかと感慨ひとしお。と同時に果たしてここまで盛り沢山な機能をこーいうフットペダルに落とし込んだということは、音楽をやる敷居としてもうPC使わん!という流れが加速?しているかな、などと邪推してしまいますねえ。そのループ操作は基本的な録音機能としてオーバーダブ、アンドゥ/リドゥ、リバース、トランスポーズ、バウンス、フェードやループ全体の長さから速度などのタイムストレッチにも対応するなど至れり尽くせり。モノ及びステレオの各ループは5つのトラックモード(固定、連続、同期、連続/同期及びフリー)のいずれかで実行、そのオーディオ・ルーティングでは4つの入力とループ・トラック、バッキングトラック、クリックのをいずれか4系統の出力(ヘッドフォン含む)またはその両方へとアサインすることが可能。もちろんMIDIによる同期からUSBを経由してPCへと作成したミックスを送ることが出来ます。ふぅ、凄いなこれは。





1010Music
1010Music Blackbox

いや、そんなデカイのは流石に・・という方は小型ながらまさに 'ワークステーション' としてビートメイクに威力を発揮する1010Music Blackboxはいかがでしょうか?本機は同社の 'ユーロラック' モジュールとして製作するサンプラーBitbox、シーケンサー/ファンクション・ジェネレーターToolbox、そしてマルチ・エフェクターのFxboxを統合、卓上型の専用機に仕上げました。基本的にはAkai Professional MPCシリーズと共通する各パッドへのサンプルのアサイン、内部シーケンサーにプログラムして内蔵エフェクツなどを駆使しながらエディット、ソングとしてビートメイクしていきます。そしてタッチパッド式のキーボードも備えているので '上物' のハーモニー的生成もバッチリであり、またMicro SDカードでその他PCのDAWとのやり取りも可能です。











Buchla Easel K
Buchla Music Easel
Buchla Music Easel Review

そそり立つ壁に対して膨大なパッチケーブルが 'スパゲッティ状態' のモジュラーシンセをお持ちであれば、即興的に変化するノイズからドローンや複雑なリズム生成で遊んでみても面白い。しかし、ひとつずつモジュールを買い足して自らのセットを組んでいくこのモジュラーシンセはとにかくお金がかかります・・。ということで、ここは思い切って(思い切り過ぎか!?)MoogやArpと並ぶシンセ黎明期のひとつ、Buchlaに手を出してみるのはいかがでしょう?1970年代にEMS Synthiをイメージして少量製作したアタッシュケース型のMusic Easelが復刻。いやあ、この狂ったようなぶっといオシレータの出音含め格好良いですねえ。本機は独特な構造を備えており、2VCOがVCA/VCFの合体したDual Lo Pass Gateという2チャンネルのモジュールからゲート、変調用オシレータ、外部入力を選び、またエンヴェロープ・ジェネレータをLoop、発振させてオシレータにするというまさに 'シンセの原点' と呼ぶに相応しいものです。あ、もちろんArp OdysseyやKorgのMS-20 Miniのような安価に始められる 'セミ・モジュラー' から始めてみるのもヨシ、ですヨ。






EMS Synthi Hi-Fli ①
EMS Synthi Hi-Fli ②

ちなみにMusic Easelに見る 'アタッシュケース' 型モジュラーシンセといえば、今や天井知らずなほど中古市場価格が高騰しているEMS。この会社の製品はどれも '激レア' というくらいのコレクターズ・アイテムばかりなのだけど、その中でもマニアックな人気を誇るのが1970年代に少量生産されたSynthi Hi-Fli。いま英国行きのチケットを持った '懐の暖かい' 方はReverb.comで購入出来るチャンス!ってか・・ホント高いな(涙)。専用のスタンドは無いけど2連仕様の専用フット・コントローラー付きの本機は、いわゆる '万博世代' やAppleの製品にゾクゾクする人なら喉から手が出るほど欲しいはず。しかし、このEMSは過去製品の 'リビルド' を中心に現在でも会社は存続しているのだからAppleが買収、電源Onと共に光る '🍏' マーク付けた復刻とかやってくんないかな〜?個人的に 'エフェクター・デザイン・コンテスト' が開催されたら三本の指に入る美しさだと思います。


さて、こーいった 'ガジェット的' にあれこれツマミやスイッチを弄るやり方としては、コンパクト・エフェクターを適当に繋いで遊んでみるのもシンプルに面白い。ここ最近のわたしのトレンドとしては 'CV' 入出力を持ったペダル類を中心に同期、変調させること。いわゆる 'プチ・モジュラー' 気分というか、本格的ではなくあくまで限定的な機能で触ってみるのが楽しいのですヨ。Carlin PedalsのCompressorとRing Modulator、Analogue Systems Filterbank FB3 Mk.Ⅱと4チャンネル・ミキサーのNobels Mix-42C、Dreadboxの 'ギターシンセ' ともいうべきSquare Tidesを揃えましたがこれらの内、Ring Modulator、FB3、SquaretidesはそれぞれCV入出力を有しておりまする。さらにこれらを活かすべく重要なのがここでご紹介するKoma Elektronik RH301、Boardbrain Music Transmutron、SpacemanのMission Controlといった 'CVコントロール' を得意とする機器と組み合わせること。この 'プチ・モジュラー' 気分というか、いわゆるコンパクト・エフェクターやラック・エフェクターと 'CV In/Out' でいろいろ電圧制御することで単にペダルを繋ぐだけでは味わえない面白さがあります。






Koma Elecktronik RH301は、ドイツでモジュラーシンセを得意とする工房の 'CV/MIDI/DIN Sync' を統合したマスタークロック生成器でここでのCV(電圧制御)の中心となりまする。本機はこれら規格の違う機器同士を同期させることが可能で、CVではローファイ・オシレーターとしても機能するLFOを備え、サイン波、三角波、スクエア波、サンプル&ホールドとノイズの5種からなる波形は0.25Hzから260Hzのレンジで出力します。そしてマスタークロックに同期したループ・モードの可能なエンヴェロープ・ジェネレーターの装備。これはADSR(Attack、Decay、Sustain、Release)コントロールに加え、Rangeツマミでエンヴェロープのタイムレンジを設定出来ます。LFO、EG共に逆相で出力することで複数の機器に対して凝ったパッチングにも対応します。またKoma Elektronikお得意のモーション・コントローラーともいうべき本機の赤外線LEDとパッチしてテレミン的操作が可能。





Koma Elektronik Field Kit - Electro Acoustic Workstation
Koma Elektronik Field Kit - Modular Multi-Effects Processor
Koma Elektronik Field Kit Expansion Pack ①
Koma Elektronik Field Kit Expansion Pack ②

ちなみにこのKoma Elektronikが 'モジュラーシンセ' とは別にクラウドファンディングにより製品化した 'ソレノイド・キット' のField Kit - Electro Acoustic Workstation。いわゆる現代音楽の世界でジョン・ケージやデイヴィッド・チュードアらがセンサーやモーター、コンタクトマイクなどを用いて身の回りの '具体音' を収集、それを電子変調した不確定音楽の為のアプローチを今のエレクトロニック・ミュージックの文脈で蘇らせたものです。 本機にはLFOやEG、AM/FMラジオのチューナーからビー玉、アッテネートされたケーブルなどを用いてあらゆる '具体音' をモジュラーシンセと組み合わせて用いることが可能。これぞ 'ダダイズム' の極致、今なら噴飯ものの前衛まっしぐらだったケージの '耳を開く' 哲学とは、あらゆる環境で '息づいて' いるミクロな世界に '額縁' を用意することなのだ。






BoardbrainのTransmutronは、パラレルで個別、同時にミックス出来るほか 'Fission'、'Fusion'、Fallout' の3種モードにより、2つのLoopの機能を変更することが可能なコンパクト・エフェクターとエクスプレッションCV、'ユーロラック' モジュラーシンセのCVによる統合したスイッチング・システム。

●Fission
このモードでは、入力された信号の周波数帯を分割し、それぞれを2つのLoopにスプリットして再びミックスして出力出来ます。後述するUmbrella Company Fusion BlenderやVocuのMagic Blend Roomなどと同種の機能ですね。またエクスプレッション・ペダル及びモジュラーCVでのコントロールにも対応。

●Fusion
このモードでは、2つのLoopのバランスを調整してブレンドすることが出来ます。これらミックスのバランスは筐体真ん中にあるSplitpointツマミ、またはエクスプレッション・ペダル及びモジュラーCVでのコントロールにも対応。これは前述したDwarfcraft Devices Paraloopと同種の機能に当たります。

●Fallout
このモードでは、2つのLoopの前にワイドノッチ・フィルターを適用して、Splitpointツマミやエクスプレション・ペダル及びモジュラーCVでのコントロールにも対応。ペダル・コントロールすることでワウのような操作を付加することが出来ます。また本機には、これとは別にHicut、Locutのフィルターを搭載して音作りに適用することが出来ます。

ちなみに本機搭載のフィルターは12dB、24dB、48dB/Octのスロープ角度を選択出来、それぞれFission、Falloutモードのワイドノッチ・フィルターにも適用されます。もちろん、Ch.2のLoopでフェイズアウトが起こった際の位相反転にも対応出来るのは素晴らしい。そして2つのLoopからなる 'Send/Return' にはフォンと 'ユーロラック' モジュラーでお馴染み3.5mmミニプラグが同時対応し、さらにこの3.5mmのLoopには内部DIPスイッチにより楽器レベルとラインレベルで 'インピーダンス' を切り替えて使用することが出来ます。





Spaceman Effects Mission Control

そしてSpaceman EffectsのMission Controlは、オートフェーダー、エフェクトループ、Dry/Wetブレンダー、パラレル・スプリッター、2チャンネルミキサー、エンヴェロープ・ジェネレーター(EG)のCVコントロールにも対応するスイッチング・ユニット。本機の中核を成すのはVCAで7種のモード切り替えとエフェクトループ、CV In/Outを併用することで多彩な効果を生成します。通常のIn→Out接続ではモメンタリーなActuateスイッチをトリガーにしてオートフェーダーになり、さらに本機のエフェクトループに他のペダルを繋ぐことで原音とエフェクト音(Dry/Wet)のミックス、全面に並ぶEGのコントロールAttackとReleaseは65msから33秒までの広い範囲で設定可能で、素早い立ち上がりから長い減衰までエンヴェロープをコントロールします。また付属のCV-TRS変換ケーブルでエクスプレッション・コントロールも可能。

●Offset
ゼロ以下の最小音量レベルを設定します。最小の音量からエフェクトが始まるモードでは、Offsetツマミでその音量を設定し、最大の音量からエフェクトが始まるモードでは、最終的な音量を設定します。

●Attack
'Actuate' スイッチが押されてから効果が現れるまでのスピードを設定します。各モードにより、効果が現れるまでのスピードと効果が消えるまでのスピードをそれぞれ切り替わります。

●Release
'Actuate' スイッチの効果が終わるまでのスピードを設定します。各モードにより、その効果が終わるまでのスピードと効果が戻るまでのスピードにそれぞれ切り替わります。

●Blend
エフェクトループ使用時にDry/Wetのレベルのバランスを設定します。またこのコントロールはエフェクトループ使用に関わらずブースター的設定も可能。Dry信号は本機背面にある 'Phase' スイッチを通っており、これはどのような場合でも原音は常に入力時から確保されております。

●Phase
本機背面にある小さなスイッチで、Dry信号の位相をコントロールします。'Blend' ツマミ使用時にエフェクトループに繋いだエフェクターと位相を揃えたい時に使用します。

●Mode
本機は'Gate(GT)'、'One Shot(OS)'、'LFO(LF)'、'Trigger(TRG)' の4種モードを備えており、その内の3種類に 'Up' と 'Down' の選択肢があります。

:Gate ↑
'Acuate' スイッチが押されると最大音量('Offset' ツマミで設定された音量)から 'Attack' ツマミで設定されたスピードで音がフェイドインして最大音量となり、'Actuate' スイッチが押されている間は音量を保持します。'Actuate' スイッチを離すと 'Release' ツマミで設定されたスピードで、最大音量まで音がフェイドアウトします。

:Gate ↓
'Actuate' スイッチが押されると最大音量から 'Attack' ツマミで設定されたスピードで音が最小音量('Offset' ツマミで設定された音量)までフェイドアウトし、'Actuate' スイッチが押されている間は音量を保持します。'Actuate' スイッチを離すと 'Release' ツマミで設定されたスピードで最大音量まで音がフェイドインします。

:Oneshot↑
'Actuate' スイッチが一回押されると最小音量('Offset' ツマミで設定された音量)から 'Attack' ツマミで設定されたスピードで音がフェイドインし、自動的に 'Release' ツマミで設定されたスピードでフェイドアウトします。

:Oneshot ↓
'Actuate' スイッチが一回押されると最大音量から 'Attack' ツマミで設定されたスピードで音がフェイドアウトし、自動的に 'Release' ツマミで設定されたスピードでフェイドインします。

:LFO ↑
'Actuate' スイッチが一回押されるとLFOが働き、最小音量よりフェイドアウトします。LFOの波形とスピードは 'Attack' (増)と 'Release' (減)ツマミでそれぞれコントロール出来ます。再び 'Actuate' スイッチを押すとLFOが止まり最小音量に戻ります。

:LFO ↓
'Actuate' スイッチが一回押されるとLFOが働き、最大音量よりフェイドアウトします。LFOの波形とスピードは 'Attack' (減)と 'Release' (増)ツマミでそれぞれコントロール出来ます。再び 'Actuate' スイッチを押すとLFOが止まり最大音量に戻ります。

:Trigger
'Actuate' スイッチが一回押されると最小音量より 'Attack' ツマミで設定されたスピードで音がフェイドインし、最大音量を保持します。再び 'Actuate' スイッチが押すと 'Release' ツマミで設定されたスピードでフェイドアウトします。

:Actuate
全てのモードでトリガーとして機能するモメンタリースイッチ。選択されたモードに応じてシングルタップか、モメンタリーホールドに切り替わります。

以上、ほとんどエンヴェロープ・ジェネレーター(EG)のADSRやLFOで最小限に出来ることに特化しており、正直モジュラーシンセのようなパッチケーブルと壁を築いて複雑なプロセッシングは出来ないのだけど・・そこがイイ。コンパクト・エフェクターが備える 'CV' も最低限な機能しか対応しないのですが、いやあそんなシンプルさがイイじゃないですか。あのジャマイカという亜熱帯な環境で開花したダブ・マスターたちの仕事ぶりにも顕著ですけど、最近はPC中心のミニマルな環境から抜け出し、よりプリミティヴなかたちで限定的な環境からあれこれ音を出すシンプルさ、重要になっていると思います。







Pigtronix Mothership
Korg MS-20 mini Monophonic Synthesizer
WMD Protostar
Recovery Effects Viktrolux
Recovery Effects Cutting Room Floor V.2
Hungry Robot Modular
Hungry Robot Pedals

LFOによる同期で一風変わった仕様のマルチモード・フィルターDwarfcraft Devices Happiness。本機はFilter CVとScramble CVのほか、LFOのCV出力をマスターにArturiaのアナログシンセとKorgのサンプラーを同期し、ユニークなバックトラックにするという '離れワザ' を披露。このようにコンパクト・エフェクターは従来のギターから離れて、ドラムマシンやサンプラーなどとの多様な制作手法に対応するなど、そのニーズも時代に応じて大きく様変わりしました。ちなみに変態的なトラッキングとフィルタリング、多彩な音作りに対応しているのがPigtronixの 'ギターシンセ' であるMothership。現在、小型に新装したMothership 2はエクスプレッション・ペダルのコントロールは出来ますが、大柄な '初代' に用意されていた各種CVが減ってしまったのは残念。このCVを活用して、例えばパッチング出来るアナログシンセKorg MS-20 Miniなどと組み合わせて楽しみたい方は 'ディスコン' となった '初代' Mothershipをどーぞ。またこの他にもWMDのProtostarといった各種CV(Sidechain、Env Out × 2、LFO Out、LFO Rate、LFO Amt、Freq、Feedback)を備えたものやピッチ・モジュレーションの変異系と呼ぶべきRecovery Effects Viktroluxでは、ディレイタイムに対してCVで 'Trigger' 入力がかかり、外部ドラムマシンのテンポと同期してリズミックな生成へと変調します。ちなみにこのViktroluxはすでに 'ディスコン' となり、現在この機能は 'グリッチ' 系ペダルのCutting Room Floor V.2に '移植' され健在でございます。そして、米国で個性的なペダル・エフェクターを製作する工房、Hungry Robot Pedalsから通常のコンパクト・エフェクターとは別に 'ペダルサイズ' のモジュール・ユニットが登場!モジュール・ユニットをひとつずつ組み込む大仰なシステムに比べて敷居が低く、これならCV入出力の備えたコンパクト・エフェクターなどと一緒に個別で遊ぶことが出来まする。さあ、これで眠れない夜を楽しんで下さいませ。











WMD ①
WMD ②
WMD Geiger Counter GC-1
WMD Geiger Counter Pro 
WMD Geiger Counter Eurorack

そんな 'CV入力' を備えたコンパクト・エフェクターといえばWMDの破壊的 '放射能検知器' と言うべきGeiger Counterがございます。いわゆる 'ウェイヴ・シェイパー' から 'ビット・クラッシャー' を軸に252種からなる 'Wave Table Modulation' を組み合わせて強烈な歪みを生成するその姿は、まさに '夏の夜長' に相応しいほど没頭出来るでしょう。そのオリジナルな個性は現在、DAW上のVSTプラグインとしてもコントロール出来る '究極版' Geiger Counter ProからさらにCVの機能強化した 'ユーロラック' 用モジュールに至るまで好評を得ておりまする。











Digitech Whammy Ricochet
Digitech Whammy Ricochet Review
Boss PS-6 Harmonist

真夜中に管楽器鳴らすのはご法度なのだけど、そろそろ空も白み始めてきたからいいか!?いやいや、布団にベル突っ込むかYamahaのSilent Brass使うか、レガートぎみにピアニッシモでソロソロ吹けば大丈夫・・かな?(汗)とりあえず、シンセをあれこれ使い出すとこんな蒸し暑〜いオクターヴトーンを管楽器で求めてしまいますヨ。あ、そこは黙ってEWIなどの 'ウィンドシンセ' 使えば?なんてツッコミは無しで・・(笑)。









Zorg Effects
Zorg Effects Blow !
Flux Effects Liquid Ambience
Electro-Harmonix Micro Synthesizer
Anasounds Utopia
Retro Mechanical Labs 432k Distortion Box
Meris Ottobit Jr.
Death by Audio Reverberation Machine
Digitech FreqOut
Glou-Glou Pralines
Electro-Harmonix Synth 9
Glou-Glou Randez-Vous

ちなみにZorgtaverはフランスの新たな工房、Zorg Effectsのオクターバーなんですが、最近なぜか管楽器の 'アンプリファイ' に熱心?な同地の反応を受けてか、'インサート' 付きマイク・プリアンプBlow !は力強い逸品なり。すでにAudio-Technica VP-01 Slick FlyやRadial Engineering Voco-Loco、Eventide Mixing Linkなど同等製品が市場に現れておりますが、こーいう機器があるか無いかでそのアプローチする敷居の高さは変わりますヨ。そういえば、このZorg Effectsのみならずデジタル・ディレイUtopiaのAnasounds、フィルターの変異系ともいうべきPralinesやRandez-Vousを製作する新興の工房、Glou-Glouもフランス・リヨンの製品だった。今後はこの手のアプローチはフランスを中心に世界を駆け巡るかもしれませんね。









Gamechanger Audio
Gamechanger Audio Plus Pedal
Drolo Fx
Drolo Fx Molecular Patches
Swindler Effects
Swindler Effects Red Mountain Tremolo

あ、そうそう、そーいえばサックスで膨大なペダルを使うプレイヤーとしてはフランスで活動するGuillaume Perretさんがおりますけど、ここに新たな 'Youtuber' と言うべきか、BlendReedさんというお方が定期的にサックスでペダル・パフォーマンスを披露しているのが嬉しい限り!ラトビア共和国の新興、Gamechanger AudioのPlus PedalやPlasma Pedalといった新製品はもちろん、結構グリッチ系ペダルに対する新しい価値観を持ち合わせているのが素晴らしいなあ。ベルギーの工房、Drolo FxのMolecular Disruption DeviceやSwindler Effectsなる工房のランダマイズにトリガーするするトレモロ・ペダルは初めて見ましたヨ。ちなみに上でご紹介したBoss OC-3の動画もこの人でございます。しかしこのBlendReedさん、単にペダル繋いでサラッと吹いてみましたという感じではなく、ちゃんと管楽器奏者の視点からペダル・レビューを丁寧にやっているところが好感持てますね。










Viga Music Tools intraMic

ちなみに、このBlendReedさんがサックスのネックに取り付けているピックアップはViga Music ToolsのintraMicというフランス製のもので、同地で活動するGuillaume Perretさんが使っていたことでずーっと気になっておりました。固定する金属製ピンの付いたピックアップ本体とプリアンプがセットになったものですが、なるほど、そのセンサー部分をネックとマウスピースの間に挟み込むようにして取り付けるんですね。挟み込むことによる耐久性は分かりませんが、これは楽器に穴を開けたくない人には朗報的ピックアップなんじゃないでしょうか!また管楽器の収音では順にコンデンサー、ダイナミック、グーズネック式、そしてintraMicでのGuillaume Perretさんによる 'キーノイズ' や '被り' とフィードバック含めた音質比較動画が分かりやすい。しかしフランス恐るべし。









https://www.instagram.com/blendreed/

BlendReedさんのこーいう 'ペダル・パフォーマンス' もああ、この人ペダル大好きなんだろうなあという好奇心溢れる思いが充満していてナイス!同じ 'ペダル・ジャンキー' として多分、今後際限なくエフェクターボードは大きくなり、頻繁に買い替え、増殖していくことは間違いないと見た(笑)。次は是非ともRed Panda Tensorの個別レビューをお願い致します。そして、大量な 'ペダル・ジャンキー' といえばThe Kandinsky EffectのWarren Walkerさんもなかなかの物量で攻めており、最近は冒頭の動画でモジュラーシンセにサックスを突っ込んでおりまする(この人もintraMic使ってるのかな?)。他人事ながらコンドーさん以降のラッパ界隈・・頑張ってくれ〜。おっと、気がついたら時刻はちょうど午前4時・・ここまで来たら '完徹' まであともうちょっとだ。





ふぅ、汗だくでツマミやらスイッチ、ドラムマシンやそこらにあるものを叩いてサンプリングしては同期、奇妙なシーケンスで鳴らしている内に漆黒の闇を陽射しが空高く照らし始めました。まだ体力有り余っている人はそのままラジオ体操に行ってもらうとして(笑)、たまにはこんな眠れない夜を徹夜で過ごしてみるのも '夏の一コマ' として思い出深いんじゃないでしょうか。

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