→Ashly LX-308B Stereo Mixer
→Radial Engineering Voco-Loco
→Pigtronix Keymaster - Reamp Effects Mixer (discontinued)
→Old Blood Noise Endeavors Maw
→Roland FM-186 16ch/6 Bus/Mic/Line Mixer ①
→Roland FM-186 16ch/6 Bus/Mic/Line Mixer ②
→Barcus-berry 4000XL Planar Wave System
→Piezo Barrel Wind Instrument Pickups
→Piezo Barrel on eBay
まず、管楽器に取り付けるピックアップはPiezoBarrel P9というマウスピース・ピックアップ。そしてコイツを増幅すべく適当なプリアンプはないかな?と探してみればありました、Barcus-berryの4000XLというもの。本来は同社のピアノを 'アンプリファイ' するピックアップに同梱される 'Piezo Buffer Preamp' でして、フォンによるMonitor Outのほかファンタム電源駆動にも対応するXLR出力、9V電池駆動の為のPower On/Offスイッチ、Ground LiftのOn/Offスイッチに出力時のインピーダンスに対応する-12dB/0dB切り替えのPadスイッチを備えております。とりあえず9V電池を入れた本機とLX-308Bを 'XLRメス→TRSフォン' の変換ケーブルでバランス接続、LX-308Bでマイクとのミックスを行います。また、ここではPiezoBarrelピックアップとのレベル・マッチングを取るべくPadスイッチをOnにしておいた方が良さそうですね。この4000XLはたまたまプリアンプのみを中古で見つけて使ってみたというだけなので、本機と同種の仕様のプリアンプであれば何でも構いませんヨ。
→Sennheiser MZH908B→Beyerdynamic TG I52d
→SD Systems LDM94C
さて、グーズネック式マイクのみ使用の方はここからが本番。こちらのLX-308Bに備えるチャンネル1、2には 'Line/Mic' の切り替えスイッチが付いており、これをOnにすることで+30dBのマイクゲインを稼ぐことが出来ます。ここでの管楽器のセッティングでは、例えばダイナミックマイクから 'XLRメス→TRSフォン' の変換ケーブルを噛ましてバランス接続でLX-308Bに送ります(ファンタム電源の必要なコンデンサーマイクは使えません)。コンデンサーマイクでどうしても使いたい場合は別途、9V電池内蔵のバッテリーパックから同じく 'XLRメス→TRSフォン' に変換してご使用下さい。もしくは上のリンクでご紹介したRoland FM-186ラインミキサーであればXLR入力可能です。ちなみにここでいうチャンネル1、2はマイクレベルの+30dBゲインなので、マウスピース・ピックアップのピエゾによるプリアンプ・ゲインとは 'インピーダンス・マッチング' で大きく異なります。ピエゾからLX-308Bへの入力はラインレベルでの接続で行うのが鉄則ですね。
→BamBasic Effectribe Custom A/B Selector
変換ケーブル以外のものとしては、名古屋でエフェクターの工房を構えるBamBasic Effectribeの 'XLR仕様' によるA/Bセレクター(パッシヴ)を中継して 'XLRメス→TRSフォン' で繋いでも良いですヨ。これならB出力からさらに別のエフェクターで加工出来る余地が生まれます(どんだけペダル好きなんだ)。ちなみにこのSennheiser e608は 'Evolution' シリーズとして2000年の登場以来、すでに20年のロングセラーを誇るマイクなのですが、この独特な挟み込むショックマウント部を持つクリップは流石に使いにくさが目立ちますね。ユニークなアイデアは認めるものの片手での着脱が難しく、わたしのは何度もムリな着脱をして一部ゴムが千切れてしまいました。同社のコンデンサーマイクe908Bに標準装備されているショックマウントのクリップはMZH908Bとして別売りされており、個人的にはこちらへの換装がオススメ。またサックス限定ならSD Systemsの '3点支持' マウントがユニークなLDM94C、そして日本では 'ディスコン' 扱いですけど、BeyerdynamicのTG I52dが代理店取り扱い終了からワタナベ楽器により台数限定の在庫分(保証なし)を放出しているので欲しい方は急げ!(2020年3月現在)。
そして、このLX-308Bによるライン入力とコンパクト・エフェクターの 'インピーダンス・マッチング' を行いたいのですが、本機のメイン出力はステレオ出力とモノ出力のほか、まさに補助的な 'Sub Out/In' が別個に設けられております。ミキサーとはどんなに高品質なものであれレベルツマミ、フェーダーなどひとつでも通過すればその音質は '変化/劣化' してしまうのですがこのSub Out、いわゆる 'バスアウト' としてメイン出力のヴォリューム調整に反映されない 'Pre Master' として出力出来るのです。つまりチャンネル1に入力した信号(Muteしておく)をそのまま一旦外部に取り出せるのですヨ。ここではチャンネル1でレベル調整したものをSub OutのLRから出力、各種エフェクターへと繋いでそのままSub Inへ入力、最終的なマスターヴォリュームでコントロールして下さい。ここでひとつ注意点。このラインミキサーは基本的に-10dB〜+4dBのラインレベル信号でやり取りするので、同じインピーダンスレベルのライン用エフェクターを繋いで下さい。ここに-20dBのレベルで繋ぐギター用コンパクト・エフェクターを繋ぐと、極端にレベルが下がったり歪みっぽくなるなどの弊害が起こり上手く行きません。最近はギター用ペダルの中でも '楽器レベル' とラインレベルに幅広く対応、切り替えられるもの(例えばMoogerfoogerやStrymonの製品など)もありスペックの詳細は各々チェックして頂きたいのですが、こういった機器間のトラブルを解消する裏ワザとして以下の 'インピーダンス・マッチング' を取る手法もあります。
→Radial Engineering EXTC-SA
→Conisis E-sir CE-1000 ①
→Conisis E-sir CE-1000 ②
→Conisis E-sir CE-1000 ③
この手の '便利小物' ならPA関連の機器でお任せの老舗、Radial Engineeringから '逆DI' ともいうべきReamp BoxのEXTC-SAをLX-308BのSub OutとSub Inの間に 'インサート' してみます。最初の動画は 'ユーロラック500' シリーズのモジュール版ではありますが、本機は独立した2系統による 'Send Return' を備えてXLRとフォンのバランス/アンバランス入出力で多様に 'インピーダンス・マッチング' を揃えていきます。ちなみに同種の製品としてはConisisことコニシス研究所からE-Sir CE-1000というのが受注製作品としてあり、わたしも過去DAWによる 'ダブ製作' の折に大量のコンパクト・エフェクターを 'インサート' してお世話になりました。
→Empire Custom Amplification +4dB → -20dB Convert Loop Box
→Eva Denshi Insert Box IS-1
こういったやり方というのはほぼ 'ニッチな' 状況でしか起こらないので、現在、受注製作のE-sir CE-1000を除けばEXTC-SAぐらいしか該当する製品が見当たらないのですが、例えばギターアンプのプリアンプ出力とパワーアンプ入力の間に設けられる 'Send Return' でラック型エフェクターを用いる為のこんなガレージな製品もありまする。アンプの修理工房が受注で製作するその名もズバリ '+4dB → -20dB Convert' な変換器というもので、各入出力の 'オーバーロード' を監視出来る便利なLEDを備えて2つのツマミでレベル調整して使用します。とりあえず、少々煩雑ではありますがこのような機器を用いれば各種レベルを混ぜても問題なく繋ぐことが出来るのです。あ、そーいえば大阪でこの手の周辺用途の '便利機器' 中心に製作するEva電子さんからも同種のInsert Box IS-1が出ておりました。こちらはミキサーの 'バス' 側とはY型のインサート・ケーブルで繋ぐ仕様ですね。
→Gamechanger Audio Plasma Pedal
→Gamechanger Audio Plasma Rack
こういったラインレベルの中でいくつかのペダルを試すセッティングを考え出すと、個人的に探求したくなるのがこちら、管楽器の '歪み' に対するアプローチでございます。基本的にはギター用のペダルなのでなかなか管楽器に適したものを見つけるのは難しいのですが、去年から話題の超高圧信号をキセノン管でスパークさせたラトビア共和国の話題作、Gamechanger AudioのPlasma Pedal。これは結構サックス奏者によるデモ動画などがYoutubeにアップされており、ド派手なキセノン管の放電と共にその創造力が掻き立てられますヨ。個人的にはPlasma Rackの入出力ルーティンが通常のIn/Outのほか、ラインレベルとの切り替えが出来る 'Effects Loops' と称した3つの 'センド・リターン' によるインサート・ポイントがあるのは嬉しい。1番はDryのみインサート、2番はPlasma管のPreでWetのみインサート、3番はPlasma管のPostでWetのみインサートするということで、これは管楽器にとって原音を潰すことなく色々な加工を探求することが可能ですね。
→Acus Sound Engineering
→Acus Oneforstrings AD
いよいよ最終段Acus Sound Engineeringの300W8インチ × 2ウーファー、PA用コンボアンプであるOneforstrings ADで鳴らしてみましょうか。このアンプにも6チャンネルのライン入力を備えたミキサー機能があるので 'ミキサーからミキサーへ繋ぐ' のは何だかヘンな感じもしますが(笑)、このアンプでAshly LX-308Bの 'Sub Out / In' によるコンパクト・エフェクターの 'インサート' と同じことが出来ればもっと簡略化出来るんですけどねえ。ほんと機材って "あちらを立てればこちらが立たず" の各々 '惜しい仕様' なのが悩みどころではあります(涙)。ま、'無いものねだり' とも言えますけど( 苦笑)。
なかなかの '物量' で整然とブチ込んでおりますが(笑)、Meris、Chase Bliss Audio、Strymonと高品質かつMIDIによる同期に対応した製品を揃えることで統合したシステムを構築することが可能ですね。また、さらにElectro-Harmonixのループ・サンプラー45000を軸にしたセッティングなど、ここ最近は冒頭のPigtronix Keymasterを始めコンパクト・エフェクターのカタチで 'ラインミキサー' 式の充実したシステムで組めるようになりました。
→Eventide Mixinglink
→Zorg Effects Blow !
→Allen & Heath ZEDi10
→Allen & Heath ZEDi10FX
以上、今回取り上げたのは1Uサイズのラック型ラインミキサーではありましたが、例えば卓上据え置き型のマイク/ラインミキサー(YamahaやAllen & Heathなど)を用いればより多機能(XLR/フォンの 'Mic/Line' 入力や3バンドEQなど)な仕様で同様のアプローチを試して頂くことが出来ます。また簡易的な空間系マルチエフェクツを内蔵したミキサーもありますヨ。ミキサーからの出力はXLR出力があればそのままPAへ、フォンであればDIから変換してPAへ送ることが出来るので便利なものです。もちろんヘッドフォン出力もありますから、自宅で各種エフェクターの音作りをあれこれ楽しむことも出来まする。これから管楽器でエフェクターを使ってみたい人たちは安価なもので構わないので(ただし、ある程度の接続ルーティンは必要)まず一台、ラインミキサーを用いた接続術をいろいろ研究して頂きたいですね。
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