2019年3月4日月曜日

改稿: フィルター '変態' の掟

フィルター系ってエグいエフェクターの代名詞ながら、意外にもワウペダルほどにはギタリストが積極的に手を出す分野ではなかったりします('ジミヘン' の呪縛か?)。いわゆる 'オートワウ + アルファ' な性格もあってか、むしろベーシストとの親和性が高いようにも思えますけど、しかしベーシストもアンサンブルの土台をキープする役目ゆえ、こーいう '飛び道具' をバンドに持ち込んでくるのはほぼご法度状態(笑)。そういう意味では定期的に新製品が市場に現れるものの、一体どこで活躍しているのか皆目見当がつかない謎のアイテムだったりするのですヨ。









Filters Collection

一方でエフェクター製作者にとっては、ほぼ飽和状態のこの業界において好き勝手あれこれ機能てんこ盛り、ハイブリッドに色々な音作りの出来る 'ストレス発散!?' 的アイテムなんじゃないかと想像します。往年の名機復刻、もしくはそれらの 'プラス・アルファ' な代わり映えのしないペダルばかりの状況に風穴を開ける 'ニッチな' 分野。例えばZ.Vex Effectsの大ヒット作であるFuzz Factoryの '発振' ツマミの如く、元々のファズとしての評価を得ながら誰が喜ぶか分からない設計者のちょっとしたイタズラというか(笑)、ある意味で奏者に叩き付ける遊び心たっぷりの '挑戦状' のようにも受け取れるのです。


'フィルター話' に突入する前にわたしの現在の足元に収まっている '手のひら' ワウの先駆、シンガポールのガレージ工房が手がけたPlutoneium Chi Wah Wah。光学式センサーによる板バネを用いたワウペダルで通常のワウとは真逆の踵側をつま先で 'フミフミ' して操作します。専用のバッファーを内蔵して0.5秒のタイムラグでエフェクトのOn/Off、そして何より便利なのがワウの効果をLevel、Contour、Gainの3つのツマミで調整できるところ。特別、本機にしか出てこない優れたトーンを持っているとは思いませんが、基本的なワウのすべてをこのサイズで実現してしまったものとして重宝しております。ワウの周波数レンジは広いものの、ペダルの踏み切る直前でクワッと効き始めるちょっとクセのあるタイプ。また、2010年の初回生産分のみエフェクトOn/Offのタイムラグが1.1秒かかる仕様だったので、中古で購入される方はご注意下さいませ(2010年10月以降は0.5秒仕様)。本機はペダルボードの固定必須で使うことが安定する条件となり、普通に床へおいて使うと段々と前へズレていきます。個人的にはその踵側を踏む姿勢から、立って踏むより座って踏んだ方が操作しやすいですね。ちなみに上記のリンク先にあるPlutoneiumのHP、ええ、アジア色全開の怪しいサイトではございません(笑)。





Solidgold Fx Funkzilla ②
Solidgold Fx ①

さて、この手のフィルター系の代表的なものにエンヴェロープ・フィルターがあります。元祖であるMusitronics Mu-Tron Ⅲとその 'フォロワー' モデルはもちろん、'エレハモ' のカタログには実に多彩なフィルター系がラインナップされており、そんなMu-Tronのオリジナル設計者マイク・ビーゲルが手がけた 'エレハモ' の歪み内蔵フィルターRiddle。そしてカナダの工房Solidgold Fxの多目的なエンヴェロープ・フィルターFunkzilla。'電気ラッパ' の伝道師としてYoutubeでその啓蒙に頑張るJohn Bescupさん推薦の動画まであり、あまり楽器店の店頭では見かけない工房のものですがAmazonで気軽に入手可能。本機は基本的なエンヴェロープ・フィルターの機能を押さえつつここ最近のトレンド、タップテンポを装備してフィルター・スウィープからランダマイズのリズミックな効果に威力を発揮します。







Mu-Fx (by Mike Beigel) Tru-Tron 3X (discontinued)
Mu-Tron Micro-Tron Ⅲ
HAZ Laboratories Mu-Tron Ⅲ+

そんな '70'sオートワウ' の代表格、Mu-Tronがオリジナル設計者マイク・ビーゲルの手で復刻されました。これまでMu-Tronの '復刻' といえば元Musitronicsで働いていたエンジニア、ハンク・ザイジャックの手がけるMu-Tron Ⅲ+が有名ですけど、個人的にはオートワウにありがちな音痩せもなく太い質感と絶妙なかかり具合で良いものながら、なぜかオリジナルの設計者であるビーゲル氏からは随分と貶されておりました(苦笑)。そのビーゲル氏が 'エレハモ' の各種フィルター機を手がけながら自らの 'Mu-Tron復活' を目論んで登場させたのがこのTru-Tron 3XとMicro-Tron Ⅲ。やはりローパス・フィルターによるパウッ、ポワッとしたふくよかなフィルターの質感こそ '元祖Mu-Tron' ならでは、と思いますねえ。







Zorg Effects Love Philter ①
Zorg Effects Love Philter ②
Zorg Effects Zorgtaver ①
Zorg Effects Zorgtaver ②
Zorg Effects

昨日ご紹介した 'インサート付き' マイク・プリアンプBlow !により管楽器奏者の注目を集めるフランスの工房、Zorg Effectsですがその他、いろいろと面白いペダルをラインナップしております。特に管楽器向きと言えるのがエンヴェロープ・フィルターのLove Philterでして、通常の 'オートワウ' とエクスプレッション・コントロールはもちろん、CV入力を備えることでVCFに対して同期、変調のコントロールまで対応します。動画を見てもお分かりのようにエンヴェロープ・フォロワーの反応とVCFのレンジがかなり幅広い音作りに対応しているのが嬉しいですねえ。そしてこのLove Philterと一緒に使って欲しいのがオクターヴ・ファズ・フィルターのZorgtaver。いわゆるオクターバーなのですがエンヴェロープ・フォロワーも内臓しているようで、さらに本機の内部 'インサート' にLove Philterを繋ぐことでほとんど 'ギターシンセ' 的アプローチにまで対応!トランペットによる動画もありますが、なかなかオクターヴのトラッキング(追従性)が良いなあ。





Jacques Trinity - Filter Auto & Classic Wah
Eleven Electrix Human Sensor Wah

エンヴェロープ・フィルターの 'ヴィンテージ・ワウ' を意識した変わり種として、こちらもフランスの工房Jacquesから登場した 'Filter Auto & Classic Wah' のTrinity。エンヴェロープ・フィルターの中には外部エクスプレッション・ペダルを繋げることでペダル操作できるものもあるのですが、本機はエンヴェロープ・フィルターと 'ヴィンテージ・ワウ'、モジュレーション的フィルタースウィープな多機能を備える '三位一体'。ユニークなのはそのエクスプレッション・ペダルとして唯一無二なポンプ式の 'フミフミするヤツ' が付いてくること!コレ、多分この工房独自のアイデアなんじゃないかと思いますが、感触としては少々硬めで 'グリグリ' っとポンプの奥の方にスイッチがある感じ。見た目でパフパフするイメージ持っていると裏切られますけど(笑)、そんなに強く踏まなくてもちゃんとワウとして機能しますので好奇心旺盛な方はどーぞ。ちなみに、その '飛び道具' 的仕様に反して音色はオーソドックスなワウですね。そんな 'ポンプ式' の一方、イタリアのEleven Electrixからは 'テルミン・ワウ' ともいうべき踵支点の 'エア操作' でワウワウさせるHuman Sensor Wahがあります。同種のものとしてZ.Vex Effectsから銅板のカッパーアンテナを用いたWah Probeというヤツがありましたが、このHuman Sensor Wahもなかなかに楽しくもエグい感じ。ドヤ顔のオヤジによる動画が少々鼻に付くけど(苦笑)、その奇抜な発想からなかなかワウペダルの牙城を崩すことは出来なかったよーです(悲)。







Toshinori Kondo Equipments
Boss SY-300 Guitar Synthesizer

我らが '電気ラッパの師' ともいうべき近藤等則さんもまさに 'ワウ&フィルターマニア'。ラッパを電化した1979年から現在まで多様なペダルをあれこれ入れ替えております。印象的なのはIMAバンド後期のBoss PW-1 Rocker WahからMorleyのワウ、その後Musician Sound Disign(MSD)のSilver Machineといった比較的大柄なペダルを用いながら、現在はFulltone Clyde WahやRMCのPicture Wahといったクラシックなヤツをあれこれ踏んでおりまする。また、エンヴェロープ・フィルターの使用もお盛んで(笑)、Menatone The Mail BombやEmmaのDiscumBOBlatorなどを複数踏みながら現在はMaxon AF-9 Auto Filterでほぼ固定。そしてBossの 'ギターシンセ' SY-300がコンドーさんの新たなトーンとして加わっているのが見逃せないですねえ。







WMD Protostar ①
WMD Protostar ②

●Attack
エンヴェロープが信号に反応する速さを調整。このツマミでAttackとReleaseの両方をコントロールします。
●Threshold
信号に対してエンヴェロープが反応する敏感さを調整。
●Env Amt
エンヴェロープがフィルターの周波数にどの程度影響するかをコントロールするアッテネーターです。正負両方の設定が可能。
●Resonance
フィードバックやQと同様の意味を持つコントロール。カットオフ周波数周辺のブーストを調整します。
●Freq
フィルターのカットオフ周波数を設定します。
●LFO Rate
前うLFOのスピードを調整します。
●LFO Amt
LFOがフィルターの周波数にどの程度影響するかをコントロール。
●Compression
信号の最終段にあるコンプレッションの強さを調整。余計な音色や共振を抑えるために使用します。
●Dry / Wet
エフェクト音に原音をミックスします。
●Mode
本体の動作モードをボタンで切り替えます。4つのモードは上からノッチダウン、ハイパス、バンドパス、ローパスです。
●Send / Return
外部エフェクトループ。フィルターの前段に設置したいエフェクトを接続します。
●CV / Exp
エクスプレッションペダルを電圧制御(CV)でコントロール。この端子はExp Outに直結します。TRSフォン使用。
●Sidechain
エンヴェロープ・フォロワーへのダイレクト入力です。外部ソースを使用してエンヴェロープ・フォロワーをコントロール。
●Exp Out
CV / Exp入力の信号を出力します。ここからエクスプレションペダルで操作したいソースへと接続。
●Env Out
常時+5Vを出力し、エンヴェロープがトリガーされると0Vになります。
●LFO Out
トライアングルウェーブのLFOを出力します。スピードはLFO Rateでコントロール。
●LFO Rate
LFOのスピードをコントロールするためのCV入力。
●LFO Amt
LFO Amtコントロールを操作するためのCV入力。
●Freq
カットオフ周波数を操作するためのCV入力。
●Feedback
レゾナンスを操作するためのCV入力。

やはり挙げねばならないWMD究極のエンヴェロープ・フィルター、Protostar。現在このWMDを始め、それまでコンパクト・エフェクターを製作していた工房がこぞって 'ユーロラック・モジュラーシンセ' の分野に参入しているのですが、そのノウハウが本機Protostarにギュッと詰め込まれていると言えます。まずは本機内でEnv OutやLFO OutをLFO RateやLFO Amt、Freq、Feedbackにパッチしてみても 'プチ・モジュラー気分' を味わえるのでパッチングしてみましょう。さらに面白いのは本機に 'Send / Return' が備えられているので、ここに同じくCVを備えたエフェクターを繋げばさらに凝った音作りが可能な点。どうでしょう?単純ながら単体のエフェクターだけで音作りするのとは違う複雑な効果が聴こえて来ませんか?







Pigtronix Mothership 2 ①
Pigtronix Mothership 2 ②
Pigtronix Mothership
Korg MS-20 mini Monophonic Synthesizer
Korg MS-20M Kit + SQ-1 Monophonic Synthesizer Module Kit (discontinued)
Korg X-911 Guitar Synthesizer
vimeo.com/160406148

ちなみに変態的なトラッキングとフィルタリング、多彩な音作りに対応しているのがPigtronixの 'ギターシンセ' であるMothership。以前の大柄な筐体が小型で新装したMothership 2はエクスプレッション・ペダルのコントロールが出来ますが、大柄な '初代' に用意されていた各種CVが減ってしまったのは残念。このCVを活用して、例えばパッチング出来るアナログシンセKorg MS-20 Miniなどと組み合わせて楽しみたい方は 'ディスコン' となった '初代' Mothershipを探してみて下さいませ。しかし、このオクターヴとフィルターの 'シンセライク' な組み合わせとしてはKorg往年の名機、X-911を思い出しますね。











Seymour Duncan Fooz Analog Fuzz Synthesizer ①
Seymour Duncan Fooz Analog Fuzz Synthesizer ②
Glou Glou Pralines
Glou Glou Moutrade
Glou Glou ①
Glou Glou ②

こちらは去年暮れの新製品2点。まずはピックアップでお馴染みSymour Duncanが本格的にエフェクター市場へ参入!そのフラッグシップ機ともいうべき 'ギターシンセ' のFoozを送り込んで来ました。構成的にはLudwig Phase Ⅱと良く似ておりますが、あれほどエグい 'ヴォイス感' なワウの効果に特化しておらず、PigtronixのMothership 2やEarthquaker Devices Data Corupterなどの好敵手といった感じ。しかし、Chase Bliss Audioなどもそうだけど側面のDipスイッチが最近のトレンドなのかな?そして、ここ近年ちらほらと市場でその存在感を現してきたのがフランス産のペダル。エンヴェロープ・フィルターとモジュレーション、さらにはファズやリング・モジュレーションまでカバーするのはリヨンの新興工房、Glou Glouから真っ赤な筐体で '喋る' リゾナント・フィルターのPralinesと今年の新作、PLLを用いたMoutarde。このPLLとは 'Phased Locked Loop' (位相同期回路)という入力信号からフィードバックで制御したものを短形波に変換、その周波数をマルチプルまたは分割して元のピッチから倍音を生成するというシンセライクなもの。同種のものとしてはElta Music Devics PLL-4046やEarthquaker DevicesのData Corrupterなどもこの回路によるものです。そしてマルチ・モジュレーションの集大成的なRendez-Vousは、ギターやベース、キーボードはもちろん管楽器!まで含めてくれるという動画が嬉しい。いやあ、こういうモノの '有る無し' だけで管楽器奏者の懐事情は助かります(苦笑)。というか、名前が 'Rendez-Vous' → 'Deja-Vu' → 'Avant-Garde' の順で分かれているこの3種、ほぼ同じモデルですよね?





Death by Audio
Death by Audio Evil Filter
Death by Audio Deep Animation

ニューヨークで '飛び道具' ばかりなペダルを製作するOliver Ackermann主宰の工房、Death by Audioのフィルター系ペダル2種。どちらも '歪み' をベースとしたフィルターの変異系であり、よりギターシンセ風のEvil Filterとエンヴェロープ・フォロワーのトリガー機能でリズミックなアプローチにも対応するDeep Animationという '住み分け' が出来ております。フツーのフィルター系に飽きた人は是非とも手に取って頂きたい。



Triode Pedals Leviathan ①
Triode Pedals Leviathan ②

●Song
コントロールはフィルターのカットオフ周波数を設定します。クラシックなフィルタースウィープを作ることが出来ます。
●Feed
コントロールを調整すれば、レゾナンスフィードバックをコントロールしてエフェクトのかかりを最小から発振まで設定可能。
●↑/↓の3段階切り替えトグルスイッチ
上から順にハイパス、バンドパス、ローパスフィルターの設定です。
LFOセクションはSongコントロールの後に設置されます。ChurnコントロールはLFOスピード、WakeコントロールはLFOの深さを調整します。LFOをフルレンジでオペレートするには、Songを中央に設定し、Feed、Wakeを最大または最小に設定します。
●'Wake' と 'Churn' ツマミ間のトグルスイッチ
LFOの波形を三角波と短形波から選択できます。
●エクスプレッション・ペダル端子とDC端子間にあるトグルスイッチ
LFOのスピードレンジとレンジスイッチです。上側のポジションでFast、下側のポジションでSlowのセッティングとなります。

米国はメリーランド州ボルチモアで製作する工房、Triode Pedalsのリゾナント・フィルターであるLeviathan。アシッド・エッチングした豪華な筐体に緑のLEDとツマミが見事に映えますけど、その中身もハンドメイドならではの '手作り感' あふれるもので期待させてくれます。本機のちょっと分かりにくいパラメータの数々を取説で確認してみると、いわゆるその大半がリズミックにワウをかける 'オートワウ' というより、ゆったりとしたフィルター・スウィープ、LFOの音作りに特化した独特なものでギタリストやベーシストはもちろん、キーボーディストからDJに至るまで幅広い層をカバーしておりまする。









Earthquaker Devices Intersteller Orbiter
Earthquaker Devices Spatial Delivery

こちらは今や飛ぶ鳥を落とす勢いの工房、Eathquaker Devicesのデュアル・リゾナント・フィルターIntersteller Orbiterと多目的なエンヴェロープ・フィルターSpatial Delivery。こちらはいわゆる 'オートワウ' の他にゆったりとしたフィルター・スウィープの効果も出せますが、結構こだわっているのは 'Sample & Hold' のランダマイズ機能のレンジが広いことですね。古くはMaestroのFilter/Sample Hold FSH-1とその 'デッドコピー' であるXotic Guitars Robotalkにより広く普及した効果ながら、本機のランダマイズ機能はそれら '本家' より使いやすいかも。しかし、このフィルターの '変異系' ともいうべきエレクトロニカな効果は、今や 'グリッチ/スタッター' 系エフェクターとしてひとつのカテゴリーを築きましたね。







Source Audio SA143 Bass Envelope Filter (discontinued)
Sonuus Wahoo ①
Sonuus Wahoo ②

こちらはベース用ではありますが、ここまで帯域変化するのならトランペットでもイケるということを証明する動画ですね。'電気ラッパ' のYoutuberとしてその広報活動に精を出すJohn Bescupさんご愛用なのがこちら、Source Audio SA143 Bass Envelope Filter。その 'サイバーな' デザインが仇となったのか状態良好の中古がゴロゴロしており狙い目です。単純な 'オートワウ' からフィルタースウィープ、ピコパコとランダマイズするランダム・アルペジエイターやLFOなどフィルター系で出来ることはこれ一台で賄えます。また、このSouce Audio SA143のような多目的にデジタルの機能を備えたものとしては英国の新興メーカー、Sonuus Wahooというのもあります。とにかくデジタル・フィルターとして出来ないことはないくらい充実しており、細かな調整は本体のほかPCと繋ぐ専用エディターソフトでも操作出来るのですが、まあ、裏を返せばあまりに多機能過ぎて '迷子' になる可能性もありまする(苦笑)。とりあえず一台で偏執的に追い込みたい人はどーぞ。









Robert Keeley Engineering Bubble Tron - Dynamic Flanger / Phaser ①
Robert Keeley Engineering Bubble Tron - Dynamic Flanger / Phaser ②
Solidgold Fx Apollo Ⅱ Phaser
Pigtronix Envelope Phaser EP-2
Solidgold Fx
Pigtronix

フィルター系とモジュレーション系はほぼ '親戚関係' というか、お互いに重複する機能として混交したイメージで捉えられております。この手の製品が得意のお馴染み 'エレハモ' からはマルチ・モジュレーションの集大成として、アナログとデジタルの 'ハイブリッド' と言えるMod Rexが登場。キーボードにも対応したステレオ入出力を持ち、テンポ同期する4つの独立したMod、Trem、Pan、Filterモジュレーション・セクションを心臓部として、その揺れを司るLFOの波形にはRising Sawtooth、Triangle、Falling Sawtooth、Squareの4種を装備。ここからTempoコントロールをMIDIなどで同期させながら自由に独立して設定できることで無限のポリリズミックを約束してくれるとのことで、これは 'エレハモ' が1970年代に少量製作した珍品、Pulse Modulatorのぶっ壊れたトレモロの再現が可能かもしれませんヨ(笑)。もちろん、これらのプログラムは最大100個のプリセットとして保存、呼び出しが可能です。いや、そんな豊富なモジュレーションはいらない、もっと単純にフィルター、フェイザー、フランジャーの 'ハイブリッド' なヤツということならこちら、KeeleyのBubble Tronはいかがでしょうか?いわゆる 'ブティック・エフェクター' 黎明期を引っ張ったKeeleyも当初はスイッチ、ツマミ増築の '魔改造' 丸出しでしたが、今や製品としてここまで洗練されたパッケージとなりました。ちなみに本機に内蔵される 'Flange' モードはフランク・ザッパが愛用したMicMix Dyna Flangerをシミュレートしているとのこと。また、このようなモジュレーションとフィルターの '2 in 1' ということでは、フェイザーのスウィープを入力の感度によって変調するエンヴェロープ・フェイザーというものがあります。古くはRoland Phsse Five AP-5、ちょっと前ならAkai Proffesional Intelliphase P1、現行機ではElectro-Harmonix Stereo Poly PhaseとJohn Bescupさんご推薦のSolidgold Fx Apollo(現在はApollo Ⅱに仕様変更)、PigtronixのEnvelope Phaser EP-2などがあるくらい。しかし、こういうエンヴェロープの感度で作動するフェイザーってあまり一般的な人気はないのかな?







Lastgasp Art Laboratories Cyber Psychic - Parametric Oscillo Filter
Lastgasp Art Laboratories

この手の '飛び道具' 的製品はMasf Pedals始め、日本は陰ながら健闘しており、現在はオーストラリア在住で製品作りをしている 'LAL' ことLastgasp Art Laboratoriesのエフェクターもぶっ飛んだものばかり。'ニッチな' ジャンルとはいえ少量生産で欠品の多いのが玉に瑕ですけど、その 'LAL' のカタログの中でもぶっ飛んだ一台なのがオシレータの塊と言えるCyber Psychic。2基搭載した 'Parametric Oscillo Filter' からフィルターの変調よりも発振に主軸を置いたもので、エクスプレッション・ペダルを繋ぎそのフリケンシーをリアルタイムで操作することもできます。そういえば2012年頃の一時期、レッド・ホット・チリ・ペパーズのギタリスト、ジョシュ・クリングホッファーの足元にもコイツはありました。







U.S.S.R. Elektronika Synchro-Wah ①
U.S.S.R. Elektronika Synchro-Wah ②
U.S.S.R. Elektronika Synchro-Wah ③
U.S.S.R. Spektr

ここ近年、その怪しげな '流出もの' としてeBayやReverb.comを賑わせている旧ソビエト連邦製のペダル群。ファズやワウ、モジュレーション系から空間系にマルチ・エフェクツなど実に多岐に渡るそのラインナップに驚くのですが、これらは以前国家の備品としてきっちり管理されていたワケですね。そんな '不良債権' 的遺物の中からElektronika社のフィルター系ペダル、'Cnhxpo-Bay' こと'Synchro-Wah' はなかなかにエグい効果でたまりませんね。入出力が5pinの 'MIDI' 端子を用いたりという '西側' のエフェクターとは互換性のない仕様ではありますけど、それを直してでも使いたいほどの独特な個性がこれら '共産圏ペダル' 群にはありまする。本機の極端にゲート感の強いエンヴェロープ・フォロワーの '飛び道具' な感じは、どこかDODのFX-25を思い出すなあ。







Elta Music Devices Console (White)
Elta Music Devices Console (Black)
Elta Music Devices

さて、ロシアといえばわたしの注目株、Elta Music Devicesの各製品は常に注目しております。そんな同工房の代表作のひとつとして旧ソビエト時代のビザールなアナログシンセ、PolivoksのVCFを単体で抜き出したヤツがありますね。現在まで2回のモデルチェンジをして残念ながら 'ディスコン' となってしまいましたが、同社の人気機種The ConsoleのプログラムのひとつとしてSDカートリッジで供給されております。









Sherman Filterbank 2
Sherman Filterbank 2 Compact
Sherman

このような 'DJ向け' フィルターとしては、ベルギーでHerman Gillisさんが手がける現在でも孤高の存在のSherman Filterbank 2がやはり無視できない。流石に使われ過ぎて '飽きた' という声もありますけど、まだまだその潜在能力の全てを引き出すには奥が深過ぎますヨ、コイツは。個人的には無闇矢鱈に '発振' させない使い方で、このSherman Filterbank1台だけであれこれ探求したい欲求もあるんですよね。クラブ・ジャズ的なスリーピース・バンドPhatの活動でその存在を知られ、現在はソロでquartz-headやrabitooほか、いくつかのユニットで活動するサックス奏者藤原大輔さん。1990年代後半にテクノ界隈で人気を博したフィルターSherman Filterbank 2(現在2台使い!)とその下に置くラック型ディレイKorg DL8000RのHold機能を駆使して、過激に発振するエレクトロニカ的スタイルを披露します。これはわたしも '初代機' を所有しているのですが、ほとんどオシレータのないモジュラーシンセといっていい '化け物' 的機器で、どんな音をブチ込んでもまったく予測不能なサウンドに変調してくれます(動画途中の 'Intermission' は長く第2部は58:33〜スタート)。



Rodec / Sherman Restyler (discontinued)
Rodec / Sherman Restyler Review

そのShermanということでは、ループ・サンプラーのElectro-Harmonix 16 Second Digital Delayで生成したフレイズをグニャグニャと変調する為に導入したRestylerも素晴らしい一台。Shermanと同じベルギーの会社であるDJ機器メーカーRodecとの 'コラボ' で製作したDJ用エフェクターなのですが、その独特なクセから単純にギターや管楽器と一緒に使うにはひと工夫が必要ですね。とりあえず本機は、あくまでDJ用のフィルター・エフェクトとして 'モジュラーシンセ' 的アプローチをするFilterbankとは違います。Sherman特有の斜面型筐体の前面に陣取る3つのスライダーはLo-pass、Band-pass、Hi-passとその上の各フィルター・スロープの波形切り替えスイッチ。左右に配置された2つのツマミは右の青いのがマスター・カットオフ・フリケンシーでLo-pass、Band-pass、Hi-passすべてのフィルター・カットオフを調節、左の緑のツマミがスレーブ/トリガー・フリケンシーのツマミとして2つの機能を持ち、エンヴェロープ・フォロワーをトリガー信号にしてかかるBand-passのカットオフ周波数と、スレーブに設定されたフィルターのカットオフ周波数を共に調節するもの。そう、本機はこのエンヴェロープ・フォロワーによるユニークなトリガー・セクションがあり、このトリガーの入力レベルを調節するSensitivity、Speed、Transitionの3つのツマミと各フィルターに配置されるAMモジュレーション(Lo-pass、Band-pass、Hi-passの各音量をエンヴェロープ・フォロワーでコントロールする深さ)とFMモジュレーション(各フォルターのカットオフ・フリケンシーをエンヴェロープ・フォロワーで変調)、さらにResonanceのツマミを合わせることでフレイズを破壊的に変えることが可能なのです。









Snazzy Fx Effect Pedals
Snazzy Fx
Dwarfcraft Devices Happiness

現在、積極的に 'ユーロラック・モジュラーシンセ' への分野にも参入するDan Snazalle主宰の工房、Snazzy Fx。この工房を一躍有名にしたド派手な 'ペダル3種'、ピッチ・シフティングなモジュレーション・ディレイのWow and Flutter、オクターヴと歪みのMini Ark、そしてVCF&LFOのTracer CityがErica Synthsの協力により '復活' しました!もちろん各機種はCVによる外部機器との同期、連携が可能で 'モジュラーシンセ' への危険な招待状と言って良いでしょうね。そんなCVによる同期を得意とする一風変わったマルチモード・フィルター、Dwarfcraft Devices HappinessはFilter CVとScramble CVのほか、LFOのCV出力をマスターにArturiaのアナログシンセとKorgのサンプラーを同期し、ユニークなバックトラックにするという '離れワザ' を披露。このようにコンパクト・エフェクターは従来のギターから離れて、ドラムマシンやサンプラーなどとの多様な制作手法に対応するなど、そのニーズも時代に応じて大きく様変わりしました。







ちなみにモジュラーシンセとの連携という点で言えば、'エフェクト' と 'アコースティック' の境界をノイズにより曖昧にする '特殊奏法' を駆使したアクセル・ドーナーの試みが興味深いですね。Holtonの 'ST-303 Firebird' トランペットを用いて行う多様なノイズの '採取' は(実際、怪しげなピックアップする加速度センサー?が取り付けられている)、いわゆる旧来のフリー・ジャズよりエレクトロニカ以降の 'グリッチ' と親和性が高いように思うのです。それは、フリー・ジャズにあった 'マッチョイズム' 的パワーの応酬ではなく、まるで顕微鏡を覗き込み、微細な破片を採取する科学者のようなドーナーの姿からも垣間見えるのです。この、まるでフィルター発振の如く刻々と変化する微細なノイズの表情をそぎ落としていく行為がたまらない・・。





Performance Guitar TTL FZ-851 "Jumbo Foot" F.Zappa Filter Modulation
Performance Guitar F.Zappa Filter Modulation
Guitar Rig - Dweezil Zappa

ザッパのフィルタリングに対する音作りの研究に訴えた超絶 'ニッチな' ペダルとして、本機は父親の楽曲を再現する上で息子のドゥィージルがザッパと縁の深いPerformance Guitarにオーダーしたという、かなりマニアックな一台。Boss FV-500とFV-50の筐体を利用し、どでかい鉄板風アルミ板(軽い)を強引に乗っけてLo-pass、Band-pass、Hi-passを切り替えながらフィルター・スィープをコントロールするという荒削りさで実際、ペダル裏側には配線がホットボンドとマスキングテープで固定してレーシング用フォーミュラカーを見るような迫力がありまする。その肝心の中身なんですが・・ええ、この動画通りのほとんどVCFをノックダウンした 'シンセペダル' と呼びたいエグいもの。これを管楽器などで使ってしまい怒られやしないか(誰に?)とヒヤヒヤするけど、VCFを丸ごと抜き出してきたような帯域幅の広いQの設定で、半踏み状態によるフィルタリングの '質感生成' からワウペダルのリアルタイム性まで威力を発揮します。また本機はBoss FV-500の筐体を利用したことでタコ糸によるスムースな踏み心地なり。しかし、こういうペダルだとついついワウワウのエグい効果に耳が行きがちですけど、本機のLo-pass、Band-pass、Hi-passの帯域でフィルター・スィープを削りながら '質感' の変化を体感するとそのまま、各社フィルター専用機との違いなどが気になり、果てしない 'フィルター沼' に陥ることは間違いありません(怖)。








Fredric Effects
Fredric Effects Do The Weasel Stomp !
TWA Triskelion 2.0 Harmonic Energizer TK-02
Systech Harmonic Energizer ①
Systech Harmonic Energizer ②

ちなみにザッパの愛用したフィルターとしては、Oberheim VCF-200と並び現在ヴィンテージ市場で高騰しているSystech Harmonic Energizerが有名です。この英国の工房Fredric Effectsから登場したいかにもなネーミングの本機とTWAのものはディストーションを軸に 'Bandwidth' と 'Center Frequency'、'Gain' の3つのツマミの構成で、特に 'Center Frequency' のQの可変幅がワウの如く広いこと。そして、この両機はさらにそれをエクスプレッション・ペダルでコントロール可能にしたことで操作性も向上しました。しかし、そろそろジミ・ヘンドリクスのワウペダルばかりではなく、フランク・ザッパの音作りである 'フィルター探求' もギタリストたちの関心の的となって欲しいですねえ。





Maestro Parametric Filter MPF-1
Stone Deaf Fx

MaestroのParametric Filterは、同社でエフェクターの設計を担当していたトム・オーバーハイムが去り、CMI(Chicago Musical Instruments)からNorlinの傘下でラインナップを一新、設計の一部をモーグ博士が担当することで生み出されました。本機特有の 'フィルタリング' はやはり1990年代以降の '質感世代' に再評価されることとなり、とにかく何でも通してみる・・ジャリジャリと荒い感じとなったり、'ハイ落ち' する代わりに太い低域が強調されたりすれば、それはもう 'ベッドルーム・テクノ世代' の求める '質感' へと変貌します。後にMoogはこれを '歪み系' のエフェクターに特化したMinifooger MF Driveとして蘇らせましたが、英国の工房、Stone Deaf FxからもPDF-2として登場。本機は 'Clean' と 'Dirty' の2つのチャンネルで切り替えて使うことが可能でおお、便利〜。また、専用のエクスプレッション・ペダルを用いればエンヴェロープ・フィルターからフェイザー風の効果まで堪能できる優れモノ。管楽器においては適度なクランチは 'サチュレーション' 効果も見込まれますが、完全に歪ませちゃうとニュアンスも潰れちゃう、ノイズ成分も上がる、ハウリングの嵐に見舞われてしまうので慎重に '滲ませる' のがこれら設定の 'キモ' なのです。




Synthmonger
SviSound WahoZoid
SviSound - handmade guitar pedals and devices
SviSound
Nalbantov Electronics OC-2 eXtreme with Preamplifier
Nalbantov Electronics

また、このような歪みとVCFの 'ハイブリッド' な変態系としては入力した信号を2つのパルス波に変換、それらを合成して強制開閉するゲート感と強烈な '歪み' と '揺れ'、エンヴェロープ・フィルターにより生成するSynthmanger Fuzzmangerというのもありまする。'Fuzz' と 'Filter' をそれぞれエクスプレッション・ペダル及びCVでコントロール、変調出来る拡張性が素晴らしい。そして、ブルガリアから歪み系ペダルに特化したブランドとして登場してきたのがこのSviSound。その独特な 'スチームパンク' 的デザインセンスはこれまでの西欧圏エフェクターには無いもので、最近はオプティカル回路のOptical Phaser Techno-FAやコーラス&ディレイEchoZoidといった製品がラインナップに加わり華やかとなりました。このゲルマニウム・トランジスタによるWahozoidは上でご紹介したHarmonic Energizerっぽい趣きながら、残念にも日本未発売のモデルのようですね(悲)。ちなみにこんなブルガリア産のフィルターには同じくブルガリア産のこちら、Nalbantov Electronicsのプリアンプ内蔵オクターバー、OC-2 eXtremeを合わせてみたくなりまする。Boss OC-2 Octaveを元に?設計されたと思しき本機は、さすが管楽器用ピックアップを製作している工房だけに見事なチューニングが施されているのではないでしょうか。



さて、そんなフィルターと管楽器の 'アンプリファイ' による関係で触れたいのがマイルス・デイビスの試み。それまでモダン・ジャズの極北ともいうべき複雑なコード・プログレッションとインプロヴァイズの探求を行ってきたスタイルから一転、スーツを脱ぎ捨てヒッピー風の極彩色を纏い、ベルを真下に向けて屈み込みワウペダルを踏む姿は未だ '電気ラッパ' の 'アイコン' ではないでしょうか。しかし、アレが果たしてデイビスにとって '正解' だったのか何だったのかは分からない。実際、あのスタイルへと変貌したことで従来のジャズ・クリティクはもちろん、当時、デイビスが寄せて行ったロック、R&Bからの反応もビミョーなものだったのですヨ。ここ日本でも1973年の来日公演に寄せてジャズ批評の御大、油井正一氏が 'スイングジャーナル' 誌でクソミソに貶していた。ワーワー・トランペット?ありゃ何だ?無理矢理ラッパをリズム楽器に捻じ曲げてる、ワウワウ・ミュートの名手であるバッバー・マイリーの足元にも及ばないなどと、若干、あさってな方向の批評ではありましたけど、まあ、言わんとしていることは分かるのです。極端な話、別にデイビスのラッパ要らなくね?って感想があっても何となく納得できちゃったりするのだ(苦笑)。





まだ、デイビスが最初のアプローチとして開陳した1971年発表の2枚組 'Live-Evil' の頃は要所要所でオープンホーンとワウペダルを使い分け、何となくそれまでのミュートに加えて新たな 'ダイナミズム' の道具として新味を加えようとする意図は感じられました。しかし1972年の問題作 'On The Corner' 以降、ほぼワウペダル一辺倒となり、トランペットはまさに咆哮と呼ぶに相応しいくらいの 'ノイズ生成器' へと変貌・・。それはいわゆるギター的アプローチというほどこなれてはおらず、また、完全に従来のトランペットの奏法から離れたものだっただけに多くのリスナーが困惑したのも無理はないのです。これは同時期、ランディ・ブレッカーやエディ・ヘンダーソン、イアン・カーらのワウワウを用いたアプローチなどと比べるとデイビスの '奇形ぶり' がよく分かるでしょうね。そんなリズム楽器としてのトランペットの '変形' について個人的に大きな影響を受けたんじゃないか?と思わせたのがブラジルの打楽器、クイーカとの関係なんです。デイビスのステージの後方でゴシゴシと擦りながらラッパに合わせて裏で 'フィルイン' してくるパーカッショニスト、アイルト・モレイラの姿は、そのままワウペダルを踏むデイビスのアプローチと完全に被ります。その録音の端緒としては、1970年5月4日にヘルメート・パスコアール作の 'Little High People' でモレイラのクイーカやカズーと 'お喋り' する電気ラッパを披露しており、すでにこの時点で1975年の活動停止に至るラッパの 'ワウ奏法' を完成させていることにただただ驚くばかり。ちょっと管楽器とエフェクターのアプローチにおいて、ほんの少しその視点を他の楽器に移して見ると面白い刺激、発見がありまする。









鈍らせる、尖らせる、歪む、変調する・・そして発振。コレ、すべてVCFという名のフィルターの仕事であり、それを体感した者はその刻々と変化する音の '質感' に身悶え、まるで何物にも例えられないもうひとつの 'こえ' が生成する瞬間に慄きます。嗚呼、これぞフィルターの快感なり。

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