2018年7月3日火曜日

蒸し暑い '電化夜話' (再掲)

永遠に陽射し照りつける'サマー・オブ・ラヴ' の季節は、エレクトリック・ギターを持った若者たちを焚きつけるのみならず、それまでバンド・アンサンブルの主役であった 'ホーン' の連中をも 'アンプリファイ' に向かわせました。唯一の違いは、大半の奏者が '時代の要請' に倣って積極的ではなかったこと。それはこの熱気の過ぎ去った後、多くの管楽器に取り付けられていたピックアップは外され、穴の空いた楽器を再びハンダで埋めるべくリペア工房に列をなしていたことがその栄枯盛衰を物語ります。まさに '時代のあだ花' でありながら新たな可能性への扉を開く1960年代後半のホーンにプラグを繋いだ者たち。今の視点から見れば大したことはやっていないのだけど、'エレクトリック・マイルス以前' という黎明期において格闘していたその軌跡をいま、ここに開陳いたしましょう。








C.G. Conn Multi-Vider
C.G. Conn Model 914 Multi-Vider

まずは、スイス出身のサックス奏者にして 'マッド・サイエンティスト' でもあるブルーノ・スポエリが同じく同郷のラッパ吹き、ハンス・ケネルと共にConn Multi-Viderで 'アンプリファイ' した 'Jazz Rock Experience' からどーぞ。そのスポエリさんは同時期、日本の大阪万博でスイス館のためにThe Metronome Quintetとして来日、日本コロンビアでこの7インチ 'EXPO Blues' を吹き込んでおります。この、Multi-Viderのネロ〜ンとした電気サックスの音色がたまらない・・。







1950年代後半から活動するラスティ・ブライアントは、麻薬絡みでしばらく刑務所に服役した後、久しぶりのシャバの空気を吸ってビックリしたに違いありません。全ての価値観が引っくり返るようにあちこちで混乱していた1960年代後半は、そのままブライアントのアルト・サックスにも当時の '新兵器' を装着して、ジャズよりもR&B、ファンクだと言わんばかりに 'アンプリファイ' しながら街へ飛び出して踊ります!1990年代の 'アシッド・ジャズ' 再評価ではこの人のアルバムはどれも高濃度、高カロリーなコテコテ具合で本当に格好良かった。







Hammond / Innovex Condor RSM

ジャズマンたちの 'アンプリファイ' には、当時のロック、ヒッピー世代を覆い尽くしていたサイケデリック、LSDがもたらす幻覚の誘惑がありました。'アンプリファイ' したサックスの第一人者、エディ・ハリスはGibson/MaestroのSound System for WoodwindsやEchoplexを駆使し、またギタリストのビリー・バトラーはベテランのテナーマン、セルダン・パウエルを 'アンプリファイ' でフィーチュアしながらワウワウ・ギターと共にスーツを脱ぎ捨てて 'サイケデリック・トレイン' へと乗り込みます。そしてこの分野のイノベイターとして君臨するエディ・ハリスは、元祖であるSelmer VaritoneからMaestro Woodwindsと逐一当時の '新製品' をチェックしながら新たな奏法で新境地を開拓しましたが、この1970年のライヴ盤 'Live At Newport' では '世界初のギターシンセ' として知られるHammondのInnovex Condor RSMを披露。まあ、一聴する限りはどれもネロ〜ンとしたオクターヴ・トーンなんですけど、ね。その他、ハリスはピックアップの付いたサックスのマウスピースをトランペットに装着して吹いたりと、もうやりたい放題(笑)。こういう人、正統的なジャズ史の中では無視されちゃうのが何とも残念なり・・。





H&A.Selmer Inc. Varitone ①
H&A.Selmer Inc. Varitone ②

そんな全てに蒸し暑〜いホーンの 'アンプリファイ' は、元祖 'ファンク男' のひとり、ナット・アダレイも動かします。それまで兄キャノンボール・アダレイの影に隠れるようにサポートしていたイメージのナットが心機一転、A&M傘下のCTIからリリースしたのがこの '仏像ジャズ'。いや、内容はそんな抹香臭いもんじゃありませんが、やはりサイケデリックな時代の空気を吸って自らのコルネットも 'アンプリファイ' しました。ここで登場するSelmer Varitoneは、一足先にクラーク・テリーがアルバム 'It's What's Happnin'' でアプローチしており、サックスの場合はマウスピースにピックアップを取り付けますが、トランペットやコルネットの場合はリードパイプ上部に穴を開けて取り付け、コントローラーは首からぶら下げるかたちとなります。まあ、効果的にはダークで丸っこい音色のコルネットが蒸し暑いオクターヴ下を付加して、さらにモゴモゴと抜けの悪いトーンになっているのですけど・・。そんな混迷の時代と共に 'You, Baby' は、ナットが 'サマー・オブ・ラヴ' の季節を謳歌した異色の一枚でもあります。



さて、そんなコルネットですけど当時、Voxの 'Ampliphonic' からもピックップを装着できるコルネットが発売されておりました。ちょうどベルの右横にピックアップ用の穴が開けられており、使用しない時はネジで閉じられているという仕様。この 'Ampliphonic' はVoxブランドのみならず同じ傘下のKingブランドとしても販売されており、実はこのコルネットも(たぶん)KingのOEMではないかと思われます。そのKingのロング・コルネットといえばナットが愛用するSuper 20、純銀ベルの 'Silver Sonic' をOlds No.3マウスピースで吹くというのが最も有名なスタイル。しかし、ちょうどナットが 'アンプリファイ' していた頃は、Selmer Varitoneを用いていたことからたぶんSelmerのコルネットだったんじゃないかな?と。いや、Selmerでコルネットというのはあまり聞かないのですが、上の動画はそんなVaritoneのコルネットを吹く貴重なもの。首からコントローラーをぶら下げて(2:39)、ピックアップはリードパイプの上に穴を開けて接合されております(不鮮明で見にくいですけど)。






世界最初の管楽器用 'アンプリファイ' システムであるSelmer Varitoneはナット・アダレイ、クラーク・テリーのほか、ソニー・スティットやエディ・ハリスらが一足早くアプローチしており、このSelmerブランドのほか、より管楽器の市場へと浸透すべく管楽器メーカーのBuesherブランドとしても販売されておりました。専用のコネクターを介して管楽器とアンプを直結、その可搬性や他社エフェクターとの連携の悪さから後発の同種製品(Conn、Maestro、Innovex)に比べて部が悪いものの、元祖として管楽器の 'アンプリファイ' を象徴する存在と言っていいでしょうね。1970年代にはMainstreamレーベルからアフロ色濃い作品をリリースするこのバディ・テリーも1960年代後半、すでにファンキーなR&B、ブーガルー一色となったPrestigeレーベルからその名もずばり 'Electric Soul !' で '感電' します。このネロ〜ンとした1オクターヴ下の 'デュエット' の蒸し暑い音色こそ電気サックスの醍醐味だ。







Selmer Varitoneということでもうひとつ。こちらはベルギーのプログレ・バンド、Mad Curry。おお、女性ヴォーカルのViona Westraを中心にVaritoneで '電化' したテナー・サックス、楽曲を一手に引き受けるDanny Rousseauのオルガンとベース、ドラムスで支えるというスタイルが素敵ですね。別にロック・バンドだからってギターをメインに持ってこなくたっていいんですヨ。'ロック=3ピース編成' ってのがひどく貧しい発想のように思えるのだけど、もう、一般的にはこのフォーマットから外れたらポップの法則で売れないと定義されちゃうんだろうなあ。わたしがプログレのバンドをイイなと思うのは、いわゆるギター、ベース、ドラムスという典型的ロックの '3ピース' にこだわらず、キーボードはもちろん管楽器、弦楽器、民俗楽器であろうが呼び込んで 'ロックしようぜ!' という間口の広さですね。言っちゃなんだがロックって排他的というか、勝手にギターがメインだと思い込んでませんか?たぶん、いまバンドやろうぜって集まってアコーディオンやクイーカ持ってやって来たらイヤがられると思う(苦笑)。しかし、そういうロックの曲をイメージできないなら、そういう楽曲を作ればイイだけのこと。ま、それがウケるかどーかは置いとくとして、作り手も聴き手もすでに出来上がったフォーマットの中で価値判断し、消費しているという現状がやっぱり寂しい・・。



Mad Curry Web Site

1970年に真っ黒いジャケットのアルバム 'Mud Curry' を出し、後は数枚のシングルのみという謎のバンドなんですが、いま再評価みたいな流れはあるのだろうか?ちょっとジェファーソン・エアプレインがヨーロッパで 'プログレ' に感染しちゃった的 '二番煎じ' な感じはあるけれども、結局、こういう 'ごった煮' は奇を衒ったイロモノ・バンド以上の評価を得るのは難しいのかも。ちなみに上のリンク先はグループのHPのようで、彼らの活動の詳細と共に2006年に一度リユニオンしているようです。








Vox / King Ampliphonic Pick-up

冷戦期、ベルリンの壁を越えて東ドイツから西側社会へやってきたロルフとヨアヒムのキューン兄弟。'クラリネットのコルトレーン' ともいうべき超絶技巧の粋を見せつけた1964年の傑作 'Soralius' に続き、68年から69年の 'サマー・オブ・ラヴ' の季節、思いっきりヒッピーとサイケデリックの退廃的自由に塗れた 'Mad Rockers' 改め 'Bloody Rockers' の2作目。ここでクラリネットに 'アンプリファイ' しているのは、たぶんVox / KingのAmpliphonic Octavoice Ⅰとワウペダルではないでしょうか。いやあ、当時のゴーゴー喫茶を彷彿とさせるサイケな香りが心地良い。お次は、エディ・ハリスと並んで 'アンプリファイ' なイノベイターのひとり、後にはウィンド・シンセサイザーの第一人者としてもその名を馳せるトム・スコット。まさにロック世代に登場したサックス奏者であり、コルトレーンを聴きながらR&Bからジミ・ヘンドリクス、ザ・バーズなども愛聴し、当時の 'バイショー' 的ジャズメンとは一線を画す存在と言ってよいですね。ヒッピー色全開なデビュー作 'The Honeysuckle Breeze' から全編、Conn Multi-Viderで 'アンプリファイ' したサックスによりジャズ・ロック世代との親和性を表明しておりました。同世代のブレッカー兄弟も述べていましたけど、やはりロックやR&Bは自分たちの世代に共通するアイデンティティとして、先輩世代のジャズメンが持っていた拒否感はまったく無かったそうです。そして、ウッディ・ハーマンやベニー・グッドマンのビッグバンドにも参加したトロンボーン奏者、アービー・グリーンの強力ジャズ・ファンク盤 'Green Power' は、ジャケット裏にもマウスピースにAmpliphonicのピックアップ装着して堂々登場。ちなみに、そんなVox / King Ampliphonicなんですが、腰に装着する木管楽器用のOctavoice Ⅰ、金管楽器用のOctavoice Ⅱと上級機のStereo Multi Voiceからアンプ、各種PA機器に到るまで幅広くラインナップしておりました。







Oberheim Electronics Ring Modulator (Prototype)
Maestro Ring Modulator RM-1A
Maestro Ring Modulator RM-1B

さて、この手の 'アンプリファイ' に熱狂したのはジャズ奏者よりR&Bやプログレッシヴ・ロックの連中だったのですが、'本家' 以上のプログレっぽさという意味では、この完全に狂ってしまったようなザ・ビートルズの名曲カバーを披露するドン・エリスの方が 'らしい' ですね。ここでその狂った効果を最大限に発揮するリング・モジュレーターは、エリスがUCLA音楽大学の同窓であったトム・オーバーハイムと出会ったことで手に入れたもの。すでにこの時点でオクターヴ・トーンを出すMaestro Sound System for Woodwindsやテープ・エコーのEchoplexと共にステージで用いていたワケで、これはマイルス・デイビスよりかなり先駆的な存在だったことはもっと特筆してよいと思います。カリブ風味な 'Tears of Joy' では、そのリング・モジュレーターをオクターバーっぽく濁らせて 'オーボエ風' お惚け気味なトーンで鳴らしているのが面白い。





Gibson / Maestro W-1 Sound System for Woodwinds
Gibson / Maestro W-2 Sound System for Woodwinds
Gibson / Maestro W-3 Sound System for Woodwinds

この手の管楽器用 'アンプリファイ' システムの中で最も売れたのがGibsonがMaestroのブランドで販売したSound System for Woodwindsでしょう。1967年のW1からバリトンのファズトーンを搭載したW2、専用のフットスイッチを取り付けたW3まで、今でもeBayを覗くとよく出品されております。エディ・ハリス1968年の 'Plugs Me In !' やチャールズ・ミンガスのグループで活躍したポール・ジェフリー1968年の 'Electrifying Sounds of Paul Jeffrey ' のジャケットで堂々登場、このカラフルなボタンと3本ラッパのMaestroマークが目印ですね。このW-1〜W-3各シリーズの差異ですが、初代のW-1では、W-2以降のオレンジ色のバリトン帯域を付加する '6VA - Contra - 16VA' スイッチではなく、'Jazz Tone' なる青いスイッチを装備。W-3はW-2に専用のフットスイッチを追加したモデルとなります。







Acoustic Control Corporation
Gibson / Maestro Rhythm 'n Sound for Guitar G-1

そしてもう、何度紹介したか分からないフランク・ザッパ1968年のスタジオ・ライヴ。しかし何度見てもホントにたまらない!やっぱ 'King Kong' はプログレ界3本の指に入る超名曲だなあ。イアン・アンダーウッドとバンク・ガードナー2人からなるMaestro Woodwindsを駆使したアンサンブルも怪しくて最高!ちなみにこの時期のザッパの足元は、VoxのワウペダルとAcoustic Control Corporationのヘッドアンプ、Model 260の上にGibson / Maestroのマルチ・エフェクター、Rhythm 'n Sound for Guitar G-1を使用していたんですねえ。多分Model 260内蔵のファズ含めて基本的な歪みを作り、G-1の 'チャカポコ' なリズムボックス(笑)はさすがに使わないと思いますが、本機のColor Tone 1〜3の 'フィルター' でトーンのニュアンスを変えるのがこの時期のザッパなのかな?後年のObierheim VCF-200やSystech Harmonic Energizerで求めるトーンの原点を見る思いですね。







Korg X-911 Guitar Synthesizer
Korg MS-03 Signal Processor
EMS Pitch to Voltage Converter ①
EMS Pitch to Voltage Converter ②
Computone Lyricon

ここまではエフェクター黎明期の頃にアプローチしたオクターバーの技術から生成する原始的なものでしたが、1970年代に入るとシンセサイザーが本格化することでその減算、加算合成から電圧とピッチ、フィルタリングの音作りを 'アンプリファイ' な管楽器に応用する技術が登場します。Moogシンセサイザーで一般化した 'V/Oct' やKorgでお馴染み 'Hz/Oct' の電圧制御のトリガーは、そのままEMS Pitch to Voltage ConverterやKorg MS-03 Signal Processorといった '変換' でアナログシンセをモジュールでコントロール。そしてこのMS-03を内蔵したギターシンセ、Korg X-911 Guitar Synthesizerが1970年代後半に登場して 'フュージョン・ブーム' に対応するあらゆる楽器の後押しを約束しました。ここ日本では 'ウィンド・シンセサイザー' の第一人者として、EWIの源流に当たるComputone Lyriconを使用した村岡建さんの音作りが象徴的であり、このカウント・バッファローズで聴ける 'エフェクティヴ' なサックスからもかなりの 'シンセライク' な印象。そして、まだ 'エレクトリック・マイルス' の影響下で模索していたランディ・ブレッカー初期のアプローチは、そのままデイビスやドン・エリスとも違う 'アンプリファイ' なラッパのスタイルを提示する素養を垣間見せます。





そして夏本番に相応しい '熱帯夜' のお供として、トム・スコットやランディ・ブレッカーら 'ロック世代' のサックス奏者、ジョン・クレマーの幻想的なこちらをどーぞ。この浮遊する 'エコーな' ホーンの響きは夏バテ対策にバッチリ。クレマーにとってこの 'エコーたっぷり' なスタイルは1970年代を通してトレードマークとなり、そのまま現在の 'スムース・ジャズ' に到る源流としてグローバー・ワシントンJr、ケニーGと並び称される存在と言っていいでしょうね。






Ride and Tie / Takeru Muraoka & Takao Uematsu

しかし '国産初' の管楽器用エフェクター、Ace Tone Multivoxが未だにeBayやReverb、ヤフオクに出てこないなあ・・。本当に当時発売していたのか?という疑念も湧き出しておりますが(苦笑)、まあ、定価39,000円の超絶 'ニッチ' な製品ですからね・・一体、いくつ売れたのやら。日野皓正さん1969年の傑作 'Hi-Nology' の内ジャケットでは使用中の写真がありますけど音源には入っていない模様。本作で共演するサックス奏者、村岡建さんも日野さんと一緒に同時期のイベントで使用していたらしいのですが、作品としては1971年の植松孝夫さんとの '2テナー' によるライヴ盤 'Ride and Tie' で全編、'アンプリファイ' なオクターヴ・トーンを堪能することが出来ます。実はコレ、Ace Tone Multivoxなのでは?と思っているのですが、取説での村岡さんの談によればヤマハから '電気サックス' 一式を購入したことが本盤制作のきっかけになったとのことで、ヤマハの海外事業部を介して手に入れた '海外製品' (Varitone ?Multi-Vider ?)を使用したと理解する方が自然かもしれません。ちなみに日野さんは、この時期の '日野ブーム' と共に大きく影響を受けた 'エレクトリック・マイルス' 及び '電気ラッパ' に対してこう述べております。

- エレクトリック・トランペットをマイルスが使い始めた当時はどう思いましたか?

"自然だったね。フレイズとか、あんまり吹いていることは変わってないなと思った。1970年ごろにニューヨークのハーレムのバーでマイルスのライヴを観たんだけど、そのときのメンバーはチック・コリアやアイアート・モレイラで、ドラムはジャック・ディジョネットだった。俺の弟(日野元彦)も一緒に観に行ってたんだけど、弟はディジョネットがすごいって彼に狂って、弟と "あれだよな!そうだよな!" ってことになって(笑)。それで電気トランペットを俺もやり始めたわけ。そのころ大阪万博で僕のバンドがああいうエレクトリックのスタイルで演奏したら、ヨーロッパ・ジャズ・オールスターズで来日中だったダニエル・ユメールに "日野はマイルスの真似しているだけじゃないか" って言われたことがあるんだけどね。"



もちろん、このような 'アンプリファイ' の新しいアプローチは当時の '若手' の専売特許ではなく、シャープス&フラッツの原信夫さんも同時期にSelmer Varitoneを試しております。チャールズ・ロイドの 'ヒッピー賛歌' ともいうべき大ヒット曲 'Forest Flower' に挑戦して、ネロ〜ンとした蒸し暑いテナートーンが時代の空気を代弁します。







Nalbantov Electronics
TAP Electronics Pick-up
Electro-Harmonix HOG 2

この手の 'アンプリファイ' なサウンド・システムもすっかり旧態依然となりましたけど、しかし、ブルガリアのNalbantov ElectronicsやギリシャのTAP Electronicsでは未だ健在でございます。Nalbantov ElectronicsはBoss OC-2をベースにしたと思しき管楽器用オクターバーOC-2 eXtremeを製作。一方のTAP Electronicsではピックアップ本体にオクターバーを内蔵!いやあ、古のConn Multi-ViderやVox Ampliphonic Octavoiceに見る奏者の腰へ装着するスタイルから、わずか2オクターヴ下のトーンを付加する機能がここまで小さくなりました(笑)。特にギリシャのTAP Electronicsによる 'Octa' はオクターヴ、1バンドEQ、ヴォリュームの3つのパラメータを持った現代的なスタイルでして、USBによる90秒の急速充電により8時間ほどのパフォーマンスを可能とします。とにかく、こういう世界でも地味にいまのテクノロジーを導入して 'アップデート' しているのは個人的に嬉しいなあ。そして 'エレハモ' の 'ハーモニック・シンセ' ともいうべきHOG 2では10のハーモニー/オクターヴ・トーンを生成することが可能で、これで 'ひとりアンサンブル' もバッチリですヨ!

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