2015年10月2日金曜日

コンパクト・エフェクター '覚え書き'

足元に置くコンパクト・エフェクターの面白さは、管楽器の 'アンプリファイ' を構築していく上でひとつのモチベーションになります。もちろん、多様なエフェクターが一台に納められたマルチ・エフェクターで完結してしまっても全然問題ないのだけど、やはり自分の好みのサウンドをひとつひとつ買い足しては、この組み合わせはイイな、こっちの組み合わせだとイマイチだ、などとあれこれ考えるのが楽しいのです。ただ、基本的に楽器店で試奏などできないので、それこそYoutubeでギターでの試奏動画など見て想像力を膨らませながら 'トライ&エラー' するしかない。だからこの分野に手を出すということは、結構お金がかかることも考慮しなくてはならないですね。

それでも、あれこれ散財したわたしの意見を述べさせてもらえれば、プリアンプなどを除いて3個以上になると、それほど管楽器で効果的なものにならないと思います。つまり、オクターバー/ピッチ・シフター、ワウ、ディレイでほぼ、足元は完結しちゃうんですよ。リヴァーブなどはライヴを行う人ならPAでかけてくれるので、わざわざ自前で用意しなくても大丈夫。ループ・サンプラーは確かに想像力を刺激される楽しいものだけど、ライヴでバンドの中で使うのは相当難しいと思います(同期できない!)。歪み系は、マイクで収音するラッパにとって '歪む' = 'ノイズ増える' = 'ゲインアップ' = 'ハウリングの誘発' という公式ができるくらい、扱うのが難しいシロモノです。モジュレーション系は元々のピッチにかかわるエフェクターなので、コーラスくらいならイイけど、フェイザーやフランジャーなど、あまり派手にかけると '音痴' ぎみになり使うのが難しい。



上記の動画はSolid Gold FX Apollo Phaserをラッパで用いたもの。しかしJohn Bescupさんの選ぶエフェクターはどれも個性的なヤツばかりですね。これもPigtronix Envelope Phaser EP-2同様にフェイザーというよりフィルターとLFOが一体になったような '飛び道具' っぽい感じ。

そして、その '飛び道具' 系エフェクターと呼ばれるもの、例えばリング・モジュレーターやエレクトロニカで用いられる 'グリッチ/スタッター' 系エフェクターなどは、確かにここぞと使えば刺激的だけど、楽曲の中での頻度は少なく、また派手なだけに飽きるのも早い(かつ、この手のニッチ系エフェクターは高価!)。とまあ、消去法的に述べてみましたが、エレクトリック・ギターのようにリードとバッキングで歪みが数種類、ディレイも複数のプログラムを設定し、スイッチング・システムのMIDIで切り替える、みたいな使い方に比べたら、管楽器での使い方などそれほどヴァリエーションはないということです。とりあえず最初の第一歩としては、基本的なワウ、オクターバー/ピッチ・シフター、ディレイだけでも十分、ラッパで探求できる余地はあるので、この3つの中からお気に入りを見つけて、あれこれ 'モノにする' のが 'アンプリファイ' への近道だと思いますね。ディレイならタップテンポくらいの機能で十分だし、ワウを踏みながらフレイズとの関係性を考えるだけでも飽きることはないでしょう。



後はイコライザーですね。ライヴの場合だと会場やバンドの規模により自らの音が聴こえにくかったり、あまり抜けてこない場合があります。足元にBoss Equalizer GE-7やMXR 10 Band EQといったグライコ、またはEmpless Para EQ w/Boostのようなパライコを置き、いろいろとイコライズしてみることをお勧め致します。上の動画はGE-7をさらにワイドレンジかつクリーンなS/NとしてHumpback Engineeringがモディファイしたもの。やはり管楽器の 'アンプリファイ' ではこのくらいのクリアーな方が扱いやすいですね。もちろん、ここまで述べてきたことは、'アンプリファイ' を効果的に作用させるための購入に関する優先順位みたいなものなので、面白いと思ったものならどんどん試して頂きたいです。





Electro-Harmonix Riddle

上記の動画はRadial Engineering Voco Locoをベースに、エンヴェロープ・フィルター、フランジャー、リング・モジュレーター、ディレイ、リヴァーブをサックスで試している動画です。そのエンヴェロープ・フィルターであるElectro-Harmonix Micro Q-tronは、一定のレベルで入力していないからイマイチ効果が分からずかかりが悪いですね。一方、下の動画の人はコンプレスしたトーンで見事にエンヴェロープ・フィルターのかかったソロを披露しており、Electro-HarmonixのRiddleというエンヴェロープ・フィルターを用いています。これはMu-tron Ⅲを設計したマイク・ビーゲルがデザインしたもので、専用に用意されたディストーションをミックスすることができるようですね。



Damage Control Glass Nexus 1
Damage Control Glass Nexus 2

実際、これだけ使うほど意味があるかどうかは分かりませんケド、それでも、こういう人の動画は視覚的に楽しいし、いろいろなエフェクターの効果が分かって嬉しくなりますね。ちなみに、このコルネットを吹くBescupさんが頻繁に手を置いて操作している青いエフェクターは、Damage ControlのGlass Nexusという真空管の入ったデジタルのマルチ・エフェクターです。



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