こういった '実験' に欠かせない '飛び道具' と呼ばれる便宜上のカテゴリーではありますが、コレの実質的な定義というのはあるようでいて・・ない。要するに汎用性のないもの、ギターの奏法ではカバー出来ないもの、勝手にその機器に操られてしまうものというのが大方の感想だと思うのですが、これは裏を返せば 'カテゴリーしずらいもの' というのと同義でもあります。日本が世界に誇る偉大なエンジニア、現Korgの監査役である三枝文夫氏は、楽器が色々なカテゴリー分けされると同時に既成の '言葉' で説明されてしまうことの危惧感を以前から訴えておりました。それは '歪み系'、'揺れもの'、'空間系'・・もちろん 'グリッチ' というのもエレクトロニカの共通認識として想起出来るものであり、現在の音楽シーンが無から有を生むというよりもすでにあるものの組み合わせ、その '折衷主義' の中で創造することと密接に繋がっていると思うのですヨ。これを時代の閉塞感と取るか価値観の転倒と取るかは人それぞれですけど・・ね。
さて、そんな溜まってきたペダル群を前にして去年の5月、ゴールデンウィークに堪能した '実験' でしたが、今度はお正月の三が日、気怠い連休の最中でやり始める '実験日和'。さあて、何をチョイスしようかな?ということで、今回はパラアウト出来るAnalogue Systemsの 'Filterbank' と小型ミキサーをコンパクト・エフェクターに組み合わせてみるのが目的です。
→Elta Music Devices Console (White)
→Elta Music Devices Console (Black)
→Elta Music Devices
まずはトランペットを分厚いトーンで 'アンプリファイ' にすべく、ロシア産 'マルチ' のElta Music Devices Consoleを 'Pitch Shifter' のモードで使用。Blendツマミで原音とミックス、Zツマミでエフェクトのかかり具合、本機の '売り' であるジョスイティックでリアルタイム・コントロールという構成なのだけど、結構アバウトでザックリとしたかかり具合です。しかし、こういう '実験' をやる時にお手軽な 'マルチ・エフェクター' をひとつ持っているとほんと便利。わざわざアレコレ繋ぎ直さなくてもいろいろなプログラムで試せますからね。
→Dr. Lake KP-Adapter
→Classic Pro YPR222
→Hosa YPR124
→Umbrella Company Fusion Blender
続いて早速今回の目玉、Analogue Systems Filterbank FB3 Mk. Ⅱを繋ぎたいのですが、こちらはラインレベルの1Uラック型エフェクターなのでそのままではインピーダンス・マッチングが合いません。そこで新潟の楽器店あぽろんプロデュースのDr. Lake KP-Adapterの 'センド・リターン' にFB3 Mk. Ⅱをインサート。また本機のRCAピンからフォンへと変換すべく、わずか15cmの変換ケーブルClassic Pro YPR222もしくはHosa YPR124も一緒にご用意。ちなみにこのような 'インピーダンス変換' としては、後述するUmbrella Companyの一風変わった多目的セレクター、Fusion Blenderでも基板上の内部ジャンパを差し替えて 'Hi or Loインピーダンス' を切り替えることでラインレベルの機器を扱うことが出来ます。ただし、こちらはモノでの使用となり、やはりステレオ 'L-R' でのセレクターという点でこのKP-Adapterの希少性は上がりますね。
→Analogue Systems Filterbank FB3 Mk.Ⅱ ①
→Analogue Systems Filterbank FB3 Mk.Ⅱ ②
1990年代の 'ベッドルーム・テクノ' 全盛期に英国のAnalogue Systemsが手がけたFilterbank FB3 Mk. Ⅱ。創業者であるボブ・ウィリアムズはこの製品第一号であるFB3開発にあたり、あのEMSでデイヴィッド・コッカレルと共に設計、開発を手がけていたスティーヴ・ゲイを迎えて大きな成功を収めました。1995年に1Uラックの黒いパネルで登場したFB3はすぐにLineのほか、マイク入力に対応した切り替えスイッチと銀パネルに仕様変更したFB3 Mk.Ⅱとして 'ベッドルーム・テクノ' 世代の人気を掴みます。当時、まるで 'Moogのような質感' という '売り文句' そのまま太く粘っこいその '質感' は、本機の '売り' である3つのVCFとNotch、Bandpass、Lowpass、Highpassからなる 'マルチアウト'、LFOとCV入力で様々な音響合成、空間定位の演出を生成することが可能。ま、実際の接続順は 'モノ→擬似マルチステレオ→モノ' のヘンテコなものなので位相とかメチャクチャなのだけど(汗)、おお、コレってほとんど 'Bi-Phase' じゃないか!?それも各帯域を個別に設定、パンで自在に定位をいじれるなど、この発想はそのまま新しいフェイザーとして 'ペダル化' できるんじゃないでしょうか?まさにトランペットにかけるとジョン・ハッセルのデビュー・アルバム 'Vernal Equinox' の1曲目 'Toucan Ocean' で聴けるような、ブクブクと泡のように 'シンセサイズ' されたトーンになりますねえ、コレは。
→Electrograve Search and Destroy SAD-1
→Electrograve
ちなみにこのような 'マルチアウト' のエフェクターだと名古屋でガジェット系シンセなどを製作するElectrograveから4チャンネル出力を持つパンニング・マシン、Search and Destroy SAD-1にも応用出来ますヨ。ステレオ音源はもちろん、ギターからの入力をジョイスティックでグリグリとパンニングさせたり、Autoスイッチを入れてトレモロのテンポをSlowからFast、Normalからブツ切りにするRandomに切り替えることで 'グリッチ風' の効果まで幅広く対応。4つの出力はそれぞれ個別に切り替えることが可能で、50% Dutyスイッチを入れることでモノラルでも十分な空間変調を堪能することが出来ます。
→Behringer MX400 Micromix
→Bastl Instruments Dude
→Nobels
そしてコレ!ドイツのエフェクター・メーカーNobelsの4チャンネル・ミキサーMix-42C。Nobelsといえばオーバードライブの '隠れた名機' として一部で評判のODR-1が有名ですが(最小化した 'ODR-1 Mini' が近々登場)、どうも全てにBossの 'バッタもん' 的デザインの為か、現在そのラインナップはすべて生産終了状態。このようなコンパクト・ミキサーだと現在ではBehringer MX400やBastl Instruments Dudeなどがありますけど、このNobelsのようなパンのツマミを備えたものってわたしの知る限りないんじゃないでしょうか。本機は汎用性のあるDC9V〜15V駆動で4つの入力とステレオ出力、チャンネル・ヴォリュームのほかパンポットとマスターヴォリュームを装備しており、このサイズながら一般的なミキサーと遜色ない '作り' なのが凄い。こういうのは地味に需要高いと思うので是非ともNobelsにはグレードアップした '後継機' を発売して頂きたいですね。
→Malekko Heavy Industry - Malekko Effect Pedals
そして分かりにくさという点では昔から '孤高の存在' (笑)であるエンヴェロープ・モディファイア。いわゆる 'オート・ヴォリューム' というヤツで、古くはBoss SG-1 Slow Gear、Maestro ME-1 Envelope Modifier、Electro-Harmonix Attack Decayという製品がありましたが、フェイザーやディレイほど売れるものではないだけにレアな '珍品' という扱いです。現在ではGuyatoneのSlow Volume SVm5や 'エレハモ' のAttack Decayを手がけたハワード・デイビスが新たにPigtronixで製作したAttack SustainとPhilosopher Kingなどがありましたけど、やはり 'ニッチな層' 向けのマニアックな効果として全て廃盤。Boss SG-1をコピーしたと思しきBehringer SM200 Slow Motionが安価でいつでも入手できるという状況です。このMalekko Sneak Attackはその 'オート・ヴォリューム' からトレモロ、付属のLil Buddyを用いることでエンヴェロープ・ジェネレーターのリアルタイム操作に至るまで多機能な一台。
→Boss Slow Gear SG-1
→Electro-Harmonix Attack Decay
→Pigtronix Philosopher King
→Malekko Heavy Industry A.D (Attack / Decay)
→Guyatone SVm5 Slow Volume
こちらがそのエンヴェロープ・モディファイア。いわゆるVCAによるサスティンの動作をADSR、Attack(立ち上がり)、Decay(減衰)、Sustain(持続)、Release(余韻)として分解、音量のタッチセンスによりコントロールするものでシンセサイザーの世界ではお馴染みのものです。この機能で最も好まれているものとしては、リヴァーブやディレイの前段に繋ぐことでフワッとしたアタックから伸びるサスティンと共に逆再生風な 'ヴォリューム・エコー' でしょうね。動画は、'エレハモ' のCathedralやOohLaLa Quicksilverと共にMalekko A.DやGuyatoneのSV-2 Slow Volumeによるエンヴェロープ・コントロールで、まさに幻想的なエコーの空間生成を生み出します。
→Boss Slow Gear SG-1
→Electro-Harmonix Attack Decay
→Pigtronix Philosopher King
→Malekko Heavy Industry A.D (Attack / Decay)
→Guyatone SVm5 Slow Volume
こちらがそのエンヴェロープ・モディファイア。いわゆるVCAによるサスティンの動作をADSR、Attack(立ち上がり)、Decay(減衰)、Sustain(持続)、Release(余韻)として分解、音量のタッチセンスによりコントロールするものでシンセサイザーの世界ではお馴染みのものです。この機能で最も好まれているものとしては、リヴァーブやディレイの前段に繋ぐことでフワッとしたアタックから伸びるサスティンと共に逆再生風な 'ヴォリューム・エコー' でしょうね。動画は、'エレハモ' のCathedralやOohLaLa Quicksilverと共にMalekko A.DやGuyatoneのSV-2 Slow Volumeによるエンヴェロープ・コントロールで、まさに幻想的なエコーの空間生成を生み出します。
→Recovery Effects Viktrolux (discontinued)
→Recovery Effects and Devices ①
→Recovery Effects and Devices ②
ディレイには一風変わった '飛び道具' 的ピッチ・モジュレーション・エコーのRecovery Effects Viktroluxをチョイス。本機はディレイタイムに対してCVで 'Trigger' 入力がかかるという珍しい仕様でして、早速そこにFB3 Mk. ⅡからのLFO出力をCV入力して '同期' させてみました。また、本機の '売り' であるFlutterやWowを極端にかけることで音痴なほどにビヨ〜ンと伸び縮みするモジュレーションがかかるなど 'ぶっ飛び' ます。というか、この '歪んだエコー' というのは微妙に使いにくさ満点です(苦笑)。
→Mid-Fi Electronics Clari(not)
→Mid-Fi Electronics Clari(not) ①
→Mid-Fi Electronics Clari(not) ②
→Mid-Fi Electronics Clari(not) ③
→Holowon Industries Tape Soup
ちなみにこのRecovery Effects Viktroluxと同様の効果としては、ほかに '変態ペダル' でお馴染みMid-Fi Electronics Clari(not)やHolowon IndustriesのTape Soupなどがありますね。特徴としては 'テープ・サチュレーション' を模したように歪みながらピッチが極端に上下するということ。たぶん、使いどころという意味では最も悩ましいペダルかもしれない・・(苦笑)。また、このClari(not) にはファズ内蔵ヴァージョンとファズ無しの 'クリーン・ヴァージョン' の2種が用意されておりまする(製作時期によりデザインや仕様が変わるのもこの工房の特徴のひとつ)。しかし面白いのは、こんなウニョウニョとしたモジュレーションのイメージとしてオープンリール・デッキからテープが溢れ出てくる感じだそうで、実際、上手に再現されているかはともかく(笑)その発想力には感服致します。
→Moog Moogerfooger CP-251 Control Processor
→Moog Moogerfooger
また、Filterbank FB3 Mk. ⅡはLFO出力とCV入力、ViktroluxはCV入力を備えているので例えば、Moogの 'Controlled Voltage Processor' であるMoogerfooger CP-251で電圧制御してやれば、さらに複雑なプロセッシングを生成することが可能。動画ではMoogerfoogerのローパス・フィルターMF-101とアナログ・ディレイMF-104ZをCP-251でパッチングして、LFOやエンヴェロープ・ジェネレータ、クロス・モジュレーションなど 'プチ・モジュラー気分' が味わえます。
→Lovetone Meatball ①
→Lovetone Meatball ②
→Electro-Harmonix Q-Tron Plus - Envelope Filter with Effects Loop
さて、ここでのフィルターはAnalogue Systems Filterbank FB3 Mk.Ⅱの 'マルチアウト' による '実験' でしたが、フィルターの内部にいろいろなエフェクトを '仕込んだ' 音作り、もしくはフィルタースィープの '質感生成' において1990年代後半の名機、Lovetone Meatballもオススメしたい一台。とにかくエンヴェロープ・フィルターとしては豊富なパラメータを有しており、いわゆる 'オートワウ' からフィルタースィープによるローパスからハイパスへの '質感生成'、フィルター内部への 'センド・リターン' による攻撃的 'インサート'、2つのエクスプレッション・ペダル・コントロールと至れり尽せりで御座います。本機が当時、ギタリストやベーシストのみならずDJやエンジニアにも好まれていたのがよく分かりますね。ちなみに現在、このような 'センド・リターン' 搭載のエンヴェロープ・フィルターとしては 'エレハモ' のQ-Tron Plusがあります。
→Toadworks Enveloop -Dynamic Effect Loop-
→Toadworks -Products-
このような 'センド・リターン' でいろいろな実験を試みるということでは、何年も前に日本へ入ってきながらあまり売れなかったToadworksのこんな奇妙な 'ルーパー' もずっと気になっておりまする。いわゆる '1ループ' の入出力にAttackとReleaseのエンヴェロープ・フォロワーを内蔵してしまったという・・唯一無二の '珍品'。動画では同社のPipelineというトレモロを 'インサート' しておりますが、う〜ん、地味にフレイズがエンヴェロープの操作でフワフワとコントロールされて・・いるような!?一応、現在でもHPはあるようですがその寂しくなったラインナップ含め、2011年から更新されていないところをみると '開店休業' 状態なのかな?
→Knas The Ekdahl Moisturizer
こちらは日本未発売ながら、欧米の '宅録野郎' たちのお部屋でよく見かける 'ガレージ臭丸出し' な謎の一台、Knas The Ekdahl Moisturizer。中身はVCFとLFOで変調させたものを本体上面のスプリング・リヴァーブに送ってドシャ〜ン、バシャ〜ンと '飛ばして' やるという、素晴らしく乱暴でダブにぴったりな 'ガジェット' です。しかしホントよく見かけるのですヨ、コレ。
→Dwarfcraft Devices Ghost Fax
→Dwarfcraft Devices
→Old Blood Noise Endevors Dweller - Phase Repeater
→Old Blood Noise Endevors
→Solidgold Fx Apollo Ⅱ Phaser
→Solidgold Fx Funkzilla ②
→Solidgold Fx ①
今や '飛び道具' エフェクターの最右翼のひとつとして魅力的な製品作りに励むBenjamin Hinz主宰の工房、Dwarfcraft Devices。当初はガレージ丸出しの '荒い' 作りであったものがここ近年は 'ユーロラック・モジュラーシンセ' などとの連携も目指し、コンパクトの枠を超えて幅広いサウンドに対応出来るようになりました。ま、ここの製品は何でもぶっ飛んでいるんだけど(笑)、この奇妙なエンヴェロープ・フェイザーの '新作' もまた財布のヒモを緩めるに相応しい逸品。そしてこちらも比較的 '飛び道具' 率の高い米国の工房、Old Blood Noise Endevorsから登場する風変わりなフェイザー。いわゆる 'オイル缶エコー' をシミュレートしたBlack Fountain Delayでその技術力を披露したOld Bloodさん、このDwellerでは 'Stretch' というツマミを備えることでフェイズをストレッチしながらディレイへと変貌させるという離れワザ!続くカナダの工房Solidgold Fxからは、多目的なエンヴェロープ・フェイザー&フィルターのApolloとFunkzilla。'アンプリファイ' なラッパの伝道師としてYoutubeでその啓蒙に頑張るJohn Bescupさん推薦の動画まであり、あまり楽器店の店頭では見かけない工房のものですがAmazonで気軽に入手可能。
→Synthmonger Fuzzmonger Mk.Ⅰ
→Seppuku Fx Octave Drone
→Symour Duncan Fooz Analog Fuzz Synthesizer
また、このようなフィルターの変態系としては入力した信号を2つのパルス波に変換、それらを合成して強制開閉するゲート感と強烈な '歪み' と '揺れ'、エンヴェロープ・フィルターにより生成するSynthmanger Fuzzmanger、オーストラリアで 'Garbege' なペダルばかり少量製作するSeppuku FxのOctave Droneなどがありますけど、ピックアップでお馴染みSymour Duncanも本格的にエフェクター市場へ参入!こんな 'ギターシンセ' ともいうべきFoozを送り込んで来ました。構成的にはLudwig Phase Ⅱと良く似ておりますが、あれほどエグい 'ヴォイス感' なワウの効果に特化しておらず、PigtronixのMothership 2やEarthquaker Devices Data Corupterなどの好敵手といった感じ。しかし、Chase Bliss Audioなどもそうだけど側面のDipスイッチが最近のトレンドなのかな?
→Dwarfcraft + Fuzzrocious Afterlife of Pitch ①
→Dwarfcraft + Fuzzrocious Afterlife of Pitch ②
→Fuzzrocious Pedals
そうそう、Dwarfcraft DevicesといえばFuzzrocious Pedalsという工房とのコラボでこんなグリッチーかつ奇妙な '飛び道具' を限定で作っていたようです。その中身はDwarfcraftのWizard of PitchとFuzzrociousが製作するAfterlife Reverbを組み合わせたもののようで、ここ最近はBossとJHS Pedalsのコラボに象徴されるように大手から個人、ショップ限定の垣根を超えたカタチでこの業界を盛り上げているように感じます。
ちなみにこのFuzzrocious Pedals、去年のNAMMショウでこんな 'デジタル・オクターバー' を発表しておりまする。すでにBoss OC-3 Super Octaveや 'エレハモ' のPOGシリーズ、その他、各社オクターバーと銘打っている製品の大半がデジタルによるトラッキング精度を高めたもの、もしくは 'アナログ・モデリング' によるデジタルのオクターバーが主流となっておりますが、しかしこのOctave Jawnは、そのでっかいツマミでオクターヴのブレンド具合をリアルタイム操作出来るようになっているんですねえ。
→Recovery Effects Cutting Room Floor
→Recovery Effects Cutting Room Floor V.2
また、このようなリヴァーブと 'グリッチ' の組み合わせとしては、Recovery Effectsの '飛び道具' であるCutting Room Floorがあります。現在は上で紹介したViktroluxの機能を盛り込んだ 'V.2' にモデルチェンジしておりますが、この初代機の 'グリッチ度合い' もなかなかに捨て難いもの。しかし、最近はリヴァーブといえども歪ませたり 'Shimmer' させたり、ありえない空間生成の為の '攻撃的なリヴァーブ' を指向する製品が現れており、単なるアンビエンスではないかたちでトーンの演出に絶大な威力を発揮しておりまする。
→Pladask Elektrisk
→The Montreal Assembly 856 for Zellersasn
→The Montreal Assembly
すっかり '市民権' を獲得した 'グリッチ/スタッター' 系エフェクターの世界ですけど、ここに来てまた新たな '刺客' がノルウェーから現れます。最近、Knobsさんを追いかける?ように 'ニッチな' ペダル中心に動画を上げるYoutuber、'aBunchOfPedals' さんご紹介のこちら、Pladask Elektrisk Fabrikat。もう、ここまでくると正確な読み方の発音は分かりませんけど(汗)、本機はRed Panda ParticleやRaster、The Montreal Assembly Count to Fiveなどと同様のディレイ、ピッチシフトによる 'グラニュラー' 応用系のひとつですね。その他のラインナップも 'ガジェット' 系ノイズが好きな人にはたまらないものばかり。その下はCount to Fiveの上級ヴァージョンともいうべき856 for Zellersasn。すでに2016年に登場した本機は、MIDI同期やユーザー・プリセットにも対応しながら最大20秒のループをランダマイズしてエンヴェロープ、テンポ、ピッチを操作しながら 'グリッチ' を生成するもので、Red Panda Particleのように破綻せず音楽的 'エラー' として吐き出せるのが特徴。しかし次から次へと本当によく出てくるなあ。あ、そんな次から次といえば 'エレハモ' のループ・サンプラー/ディレイも一体いくつ出るの?ってくらいのリリースラッシュ。去年の初めに95000 Performance Loop Laboratoryという巨大なヤツが登場しましたが、こちらのGrand Canyon Delay & Looperはディレイ&ループ・サンプラーを中心にそんな機能すべてを 'マルチ&小型化' した賢いヤツ。個人的にモジュレーションのプログラムで結構面白そうなのがありますねえ。
→Cooper Fx ①
→Cooper Fx ②
ここ最近のデジタル系ガジェットの中で新たに参入してきたCooper Fx。いわゆる 'ローファイな質感' に特化したGeneration Lossの絶妙ななまり方から今度の新作、Moment Machineのプログラマブルに奇妙なピッチシフトの 'マルチ' に至るまでその幅広さを見せ付けます。というか、毎度ながらKnobsさんの魅力的なまでに機材の 'オイシイ感じ' を引き出す動画作りは素晴らしいですねえ。こういうの見ちゃうと絶対に手に入れたくなっちゃう・・。
→Cooper Fx ①
→Cooper Fx ②
ここ最近のデジタル系ガジェットの中で新たに参入してきたCooper Fx。いわゆる 'ローファイな質感' に特化したGeneration Lossの絶妙ななまり方から今度の新作、Moment Machineのプログラマブルに奇妙なピッチシフトの 'マルチ' に至るまでその幅広さを見せ付けます。というか、毎度ながらKnobsさんの魅力的なまでに機材の 'オイシイ感じ' を引き出す動画作りは素晴らしいですねえ。こういうの見ちゃうと絶対に手に入れたくなっちゃう・・。
→Fairfield Circuitry Meet Maude
→Schaller TR-68 Tremolo
→Hungry Robot Pedals The Karman Line
→Hungry Robot Pedals
→Death by Audio Total Sonic Annihilation 2
→Death by Audio ①
→Death by Audio ②
そんな '実験野郎' を惹きつける 'センド・リターン' と共に欠かせないディレイの世界。そのディレイに 'センド・リターン' 含めて多機能に刺激する要素をブチ込んでしまったのがカナダの工房、Fairfield CircuitryのMeet Maude。本機は、これまた 'アナログライク' なディレイの基本的パラメータは一般的なディレイに準じておりますが、一風変わった機能として飽和するディレイの '歪み' を避けるため、リミッター的コンプが内蔵されていること(ただし原音はスルー)。そしてある種 '偏執的' なのは、基盤上に備えられた6つのマイクロ・スイッチによる各種CVコントロールの設定です。スイッチ1でフィードバック、2でディレイタイムを外部エクスプレッション・ペダルでコントロールでき(1+2で両方)、また1〜4をOffにして5+6で今度はYケーブルによる 'インサート' 端子でディレイ音を外部エフェクターで加工可能とう〜ん、至れり尽くせりな仕上がり。動画ではMeris EffectsのリヴァーブMercury 7やSchallerのトレモロを繋いでおりますが、コレはもうライヴというよりスタジオで緻密に触ること前提のディレイですね。また、グニャグニャと 'ジョイ・スイティック' でディレイタイムと 'ワウフラッター' のモジュレーション、フィードバックをコントロールすることに特化したHungry Robot PedalsのThe Karman Line。そして 'フィードバック・ループ' といえば帰ってきました、Death by AudioのTotal Sonic Annihilation!この謎にぶっ飛んだ一台はOliver Ackermannが自らの会社立ち上げのキッカケとした記念碑的作品ですけど、これは入力をトリガーにして本体内でループさせることにより予想外のノイズを生成するもの。発想としてはノイズ系アーティストがライン・ミキサーの出力を再度チャンネルへ入力、EQなどでコントロールすることでノイズを生成するやり方を 'ペダル化' したもので珍しいものでは御座いません。しかし、放出されるノイズは実に多彩で 'インサート' に繋ぐペダルにより刻々と変化するのだからたまりませんねえ・・。
→Umbrella Company Fusion Blender
→Vocu Magic Blend Room ①
→Vocu Magic Blend Room ②
→Vocu Magic Blend Room Spec. 2
このような既成のペダルを複数繋いだ '実験' としては、いくつもそれっぽいペダルを買うのではなく、すでにタンスの肥やしと化した 'コレクション' を活かすという手もあります。例えば前述したUmbrella Companyの多目的セレクター、Fusion Blenderは通常のA/Bセレクターのほか、AとBのループをフィルターによる帯域分割で '同時がけ' を可能とするなど、コンパクト・エフェクターの使い方にいろいろなアイデアを提供する素敵な一品。同種の製品としてはVocuの多目的セレクター、Magic Blend Roomも多機能ながらお求めやすい価格で休日の '実験' にオススメです。
→Dwarfcraft Devices Paraloop
→Custom Audio Electronics Dual / Stereo Mini Mixer
そしてA、B2つのループの信号を 'パラレル' にミックスできる変わり種の 'ループ・ブレンダー' であるDwarfcraft Devices Paraloop。この手の製品で有名なのはCustom Audio Electronicsが製作していたハーフラック・サイズのCAE Dual / Stereo mini Mixerやそれの 'リプロダクト' モデルであるCAJ Custom Mixerがありますが、本機はその機能を '2ループ' に絞ったコンパクト版と言って良いですね。例えばディレイとリヴァーブ、コーラスとフィルターみたいな '空間生成' で直列接続よりグッと効果的。これも色々なペダルを '抱き合わせて' 試してみると面白いでしょう。
さぁて新年恒例、毎度毎度の2018年度 'ベスト・ペダル' 総括をThePedalZoneさん、Dennis Kyzerさん、そしてJHS Pedals主宰にして 'ペダル・ジャンキー' のJosh Scottさんからそれぞれ届きました!もう、カテゴリー的には完全に出尽くしていると思うのだけどエレクトロニカや 'ユーロラック・モジュラー' の発想を元にして、いわゆる 'ペダル' から音楽を生成、発奮する方向性を指向していることが分かります。ん?そういえば毎度のPedals And Effectsさんが上がっていない・・。どうやら主宰するJuan Aldereteさんは今、本業のマリリン・マンソンのベーシストとしてツアー中のようですね。残念。その代わりというワケではないのでしょうけど、'Pedals And Effects' さんの '相棒' ともいうべきNick Reinhartさんの '最新' エフェクターボードが公開されました!