→Solid Gold Fx Funkzilla - Ultimate Envelope Filter
ここでのエフェクティヴな音作りにおいて、中低域に芯のあるマウスピース側と空気感のある 'アンビエンス' を中高域で捉えたベル側でミックスすることは、そのままよりレンジの広い再生を可能とします。ここで注意したいのはダイナミック・マイクを用いること(上の動画ではコンデンサー・マイクですが)と、マイク側のミックスを適量にすることでアンサンブル中のハウリングの誘発を避けること。また、2つのピックアップ・マイク使用によるマイキングからくる '位相差' を揃えておくことも重要です。ちなみにJohn Bescupさんがレビューするエンヴェロープ・フィルターはカナダ産のSolid Gold Fx、Funkzilla。いやあ、ここまで多機能かつエンヴェロープを追い込めるオート・ワウはそうそうないですね。これ一台でワウからフィルタリング、タップテンポによるリズミックな 'グリッチ風' トレモロ、フェイザーのようなモジュレーションまで見事にカバーします。
コンデンサー・マイクの場合、いわゆるPAミキサーからパワード・モニターへと引き回す場合では問題ありませんが、これをアンプにマイクを立てて収音する場合、その感度の良さからあっという間にハウリングを誘発してしまうため、あえてダイナミック・マイクを用いることで限定したレンジで収音する代わりにハウリング・マージンを稼ぐことができます。
→Sennheiser Evolution e608
→Sennheiser Microphone
→Beyerdynamic TG i52d
→SD Systems LDM94
→Classic Pro ZXP212T
→TDC by Studio-You Mic Option
ちなみにそのマウスピース・ピックアップとミックスするマイクはこちら、Sennheiserの珍しいグーズネック式ダイナミック・マイクのEvolution e608。このマイクはリムに対して挟み込むようにマウントする独特な形状のクリップにも特徴があります。というか、このSennheiser e608のほかはBeyerdynamic TGi52dとSD Systems LDM94(これはAmazonで購入可)くらいしか選択肢がないので、もうちょっと各社からも作って頂きたい。そして、ダイナミック・マイクからのXLR出力はClassic ProやTDCの 'インピーダンス・トランスフォーマー' を介して変換、ミキサーへと繋ぎます。
→Piezo Barrel on eBay
→Neotenic Sound Board Master
そして、ピエゾ・ピックアップとコンパクト・エフェクターを介す 'インピーダンス・トランスフォーマー' として 'ディスコン' ではありますが、Neotenic Soundの '隠れ名機' であるBoard Masterがここで登場。詳細は昨日の 'Piezo Barrelで格闘する' でご紹介しましたが、このLevelツマミの 'アッテネート' しながらゲインを稼ぐ感じは素晴らしい。確かにゲインは増すのですがプリアンプでもなければバッファーとも違う、この絶妙にLevelを底上げしてくれる感じはPiezo Barrelの '純正品' と言っていいくらい相性バッチリ。
→Root 20 Mini Mixer
→Red Panda Mixer
→Behringer MX400 Micromix
そんな2つのピックアップ・マイクをミックスする上で有効なミキサー・・なのですが、これが意外と選ぶのに苦労します。音質の良い 'Mic / Line Mixer' (MackieとかAllen & Heath、Yamahaなど)は豊富にあるものの、どれも大きなサイズとオーバースペックで手元、足元に置いておくのには少々煩雑なのが悩み。単純に2つの信号を1つにミックスするだけなのにコンパクト・サイズのミキサーを用意しているメーカーって少ないのですヨ。わたしが愛用しているのは東京でエフェクター製作とモディファイを行っていたRoot 20の超小型なもの。ドライバーで入出力のゲイン調整できる便利なヤツなのですが、'行っていた' と過去形なのはHPはあるものの現在 '開店休業' 状態のようなのです。Red Pandaのものはここ最近の製品で3つの入力をミックスできるもの。残念ながら日本未発売なのでeBayで個人輸入するほかありませんが、サイズと音質、利便性という点からこれはかな〜りの便利もの。他に現行品として、以前は 'ヘッドフォンアンプ' のHA400、現在ではBehringer MX400に '改名' した小型ミキサーがありますけど、やはり音質やコンパクト・エフェクターとの 'インピーダンス・マッチング'、DC9V〜18Vの仕様において、このRed Pandaくらいのクオリティは欲しいところですねえ。しかし、いつもながらPedals And Effectsさんの動画はこの秘密基地っぽい所で騒ぐ感じがホント好き。
→Roland Go Mixer ①
→Roland Go Mixer ②
こちらはRolandの新製品であるGo Mixer。ミキサーというよりPCとの連携も目指したオーディオ・インターフェイスのデザインではありますが、楽器からマイク、ライン機器など '8 In 2 Out' を備え、ちゃんとUSBの他にLine出力もあります。さすがにこのサイズなのでマイク入力はフォン仕様、そして少々安っぽい作り(この辺りはRolandらしい)ではあるものの、動画を見ればちゃんと2つのピックアップをミックスすることが出来ますね。
→Dwarfcraft Devices Paraloop
→Boss LS-2 Line Selector
→Lehle Parallel L
こちらのパラレルに2つの音源をミックスしてくれるループ・セレクター、Paraloopもいわゆる小型ミキサーとして使えるでしょう。リンク先の宣伝文句で "2つのオーディオソースをミックスしたい、でもミキサーは使いたくない。おそらく大丈夫です。" などと記載されておりますが・・おそらく?本機は基本的にA/Bそれぞれに繋いだエフェクターをそのままパラレル(並行)で出力にミックスするもので、他にA/BのReturnを入力で使うことで簡易ミキサーとして用いることが出来ます。ただし、Send Vol.の出力ツマミ1つしかないことから、う〜ん、やはりReturn側のゲインを稼ぐ入力ツマミも無いとミキサーというには少々役不足・・。この手のものでは、Bossの '定番' である多目的ライン・セレクターLS-2のReturnを利用した 'A+B Mix' がA/BそれぞれにLevelツマミも付いており、とりあえずお手軽に '2ミックス' のブレンドができるのだけど・・こちらもちょっと物足りない。と思っていたら、ドイツで頑丈かつオシャレなデザインでライン・セレクターなどを製作するLehleから、2つのSend/Returnをそれぞれ0〜+12dBまでゲインアップ、Mixツマミの付いたParallel Lの登場です。アンバランス、TRSフォンにもそれぞれ対応するなど高品位なミキサーとしてもスペック的には申し分なし。
→Crews Maniac Sound CMX-3 3ch. Foot Mixer ①
→Crews Maniac Sound CMX-3 3ch. Foot Mixer ②
→Crews Maniac Sound DMA-3.2 Discrete 3ch. Mixer ①
→Crews Maniac Sound DMA-3.2 Discrete 3ch. Mixer ②
→Radial Engineering Tonebone Mix-Blender
こちらは、その名もずばり 'Foot Mixer' ということでCrews Maniac SoundのCMX-3はこの項に相応しい一品と言えるでしょう。3チャンネルの入力を持ち、それぞれを個別にOn/Offするマニュアル・モード、リレー式にて選択したチャンネル以外がOffになるプリセット・モードの2モードを備えます。また外部エフェクト用のSend/ReturnとAux入力、ヘッドフォン出力(各チャンネル切り替えで個別にモニター可)も備え、出力は2つのパラレル出力としてアンプやPAミキサーへと同時に送ることも可能と、ほとんど一般的な 'Line Mixer' をそのまま足元に置いたようなまさに至れり尽くせりの仕様。また、CMX-3の前モデルであるDMA-3.2ではXLRによるバランス出力にも対応しております。ただしCMX-3、DMA-3.2共にSend/ReturnからのエフェクツのミックスはDryとWetのMixツマミで原音に混ぜるもので、空間系ならDryとバランスを取って使えるものの、オクターバーやワウのように直接原音を加工する場合ではうまくいきません。Wet 100%でSendから出力して空いているCh.3にReturnで入力することになるのですが、各チャンネルの入力レベルを2回、その後に出力レベルを通るのでどのくらいノイズが増えるのかは気になりますねえ。ともかく、価格は少々お高いですけど管楽器の 'アンプリファイ' 派は要チェック!ちなみにこのCrewsと同様のSend/Returnを備えたミキサーとしては、カナダのRadial EngineeringからMix-Blenderというのもありますが、残念ながら日本未発売なり・・。
→Pigtronix Keymaster
さて、そんな利便性の高い小型ミキサーではありますが、しかしダイナミック・マイクからの入力に際しては結局 'インピーダンス・トランスフォーマー' を介してフォンに変換、繋ぐしかないという意味で100%満足な環境を構築できるものではありません。その不満を解消してくれる 'ニッチな' ライン・セレクターというべき、Pigtronixの 'Studio Effects Mixer' の名を持つKeymasterを早速チェック!コンパクトの体裁を取りながらフォンとXLRの入出力、A/B及びA+Bのライン・セレクターを備えるという至れり尽くせりな一品・・と言いたいところですが、コレ、基本はXLRとフォンの同時入出力が不可能なのです・・なんだよぉ。まあ、Aループ側のReturnを入力にすれば一応フォンとXLRのミックスはできるのですが、しかし、せっかくReturnからの入力を最高10dBに底上げするOutput Boostが付いているというのにゲイン不足のため、別個にゲインを稼ぐプリアンプが必要となるなど、いまいち使い勝手がスマートじゃない。こういうXLRとフォンの同時入力ってそんなに難しい技術なのだろうか?(単にそういうニーズが無いってだけ?)。う〜ん、本機は管楽器用 'アンプリファイ' に適したスペックが良いだけに惜しいなあ。ちなみに本機のXLR入出力はファンタム電源不可のため、そのままではコンデンサー・マイクを繋いでも使えないのであしからず。
→K&K Sound Dual Channel Pro Preamp ①
→K&K Sound Dual Channel Pro Preamp ②
→K&K Sound - Wind Instruments
こちらは英国の 'エレアコ' 用ピックアップのメーカー、K&K Soundの2チャンネル・プリアンプ。9V電池のみの駆動で+/-20dBの範囲で効くBass、Trebleの2バンドEQ、Gain装備で腰に装着するもの。EQを基板上でドライバーにより調整するのは少々面倒くさいですが、このミックスをワイヤレス・システムに組み込んで使用する場合は重宝すると思いますヨ。ちなみにこのK&K Soundからは、管楽器用として 'Silver Bullet Microphone' という名のグーズネック式マイクも用意しております。この可愛いフルートのお姉さんはMelissa Keelingなる同社の'看板娘' のようで、フルートを 'アンプリファイ' させてワウやディレイ、Boss VE-20などのデモ動画をYoutubeに上げておりますね。
→Trial
→Trial Dual Input Preamp Professional
こちらは大阪でエフェクターの製作を行っている工房、高早楽器技術のブランドTrialのDual Input Preamp Professionalです。Dual Input Preampの上位機種という位置付けで、従来機がTRSフォン1つによる 'ステレオ' 入力だったのに対し、本機はちゃんと2つの入力とそれぞれの位相差を解消するPhaseスイッチも設けるなど、これまた至れり尽くせりの仕上がりで管楽器にも良さそう。
こちらは英国の 'エレアコ' 用ピックアップのメーカー、K&K Soundの2チャンネル・プリアンプ。9V電池のみの駆動で+/-20dBの範囲で効くBass、Trebleの2バンドEQ、Gain装備で腰に装着するもの。EQを基板上でドライバーにより調整するのは少々面倒くさいですが、このミックスをワイヤレス・システムに組み込んで使用する場合は重宝すると思いますヨ。ちなみにこのK&K Soundからは、管楽器用として 'Silver Bullet Microphone' という名のグーズネック式マイクも用意しております。この可愛いフルートのお姉さんはMelissa Keelingなる同社の'看板娘' のようで、フルートを 'アンプリファイ' させてワウやディレイ、Boss VE-20などのデモ動画をYoutubeに上げておりますね。
→Trial
→Trial Dual Input Preamp Professional
こちらは大阪でエフェクターの製作を行っている工房、高早楽器技術のブランドTrialのDual Input Preamp Professionalです。Dual Input Preampの上位機種という位置付けで、従来機がTRSフォン1つによる 'ステレオ' 入力だったのに対し、本機はちゃんと2つの入力とそれぞれの位相差を解消するPhaseスイッチも設けるなど、これまた至れり尽くせりの仕上がりで管楽器にも良さそう。
→Headway Music Audio EDB-2
→Headway Music Audio EDB-2 Review
→Aer Dual Mix 2
こんな2つのピックアップ・マイクのミックスにおいて、実は専門的に探求、製品化している分野が 'エレアコ' のプリアンプ/DIですね。'ピエゾ + マグ' とか 'ピエゾ + 'コンデンサー' とか、いかにしてPAの環境で 'アコースティック' の鳴りを再現できるのかの奥深い世界。このEDB-2こそまさに至れり尽くせりの決定版というか、細かな内容は動画を見て頂くとして、フォンとXLRの2チャンネル仕様でEQをch.1、ch.2で個別及び同時使用の選択、2つのピックアップの '位相差' を揃えるフェイズ・スイッチと突発的なフィードバックに威力を発揮するNotch Filter、DIとは別にフォンのLine出力も備えるなど、おお、高品質かつ '痒いところに手の届く' 精密な作りですね。個別にミキサーとマイクプリ、EQをあれこれ中途半端なヤツ買って散財するのなら、思い切ってコイツを買ってしまうというのもアリかも。そして 'Bingo' の名で幅広い層に好評を博した 'エレアコ' 用アンプ、Compact 60のプリアンプ部を独立させコンパクトに製品化したDual Mixも新たに 'Dual Mix 2' として復活。こちらもEDB-2同様の '2ミックス' 仕様でエフェクツ内蔵の高品質なヤツなんですが・・しかし 'エレアコ' 用機器はどれもお高い。
→Earthquaker Devices
そういえば、米国のEarthquaker Devicesが以前のオール・アクセスとの代理店契約を終了して、新たなラインナップと共に再び日本へ襲来してきましたね。コンパクト・エフェクター業界では最も勢いに乗っているメーカーというか、ベーシックなものから '飛び道具' まで幅広いラインナップで、個人的には 'エレハモ' のライバルというか後継者的存在になるんじゃないか、と睨んでおります(次点でDwarfcraft Devicesなどが期待大)。去年登場した特異な 'ギターシンセ' 風のData Corrupterとか、もう管楽器で使ったらどんな感じになるのかワクワクしちゃいますヨ。
→Dwarfcraft Devices
→Dwarfcraft Devices Grazer
→Pigtronix Mothership 2
→Pigtronix
次の注目株Dwarfcraft Devicesからは 'グリッチ/スタッター' 系に特化した新製品、Grazerが登場!効果の面白さはもちろんだけど、このフォロワーさんがマネして作った動画を見るとYoutuber、Knobsさんが演出する 'グリッチ/スタッター' の魅力って凄かったんだなあということを改めて確認しました(笑)。また、ここにPigtronix辺りが絡んでくるともっと面白くなりそうな気がするものの、いまいちマイナーな位置に甘んじているのは残念。Dwarfcraft Devices Happiness同様に、このPigtronix Mothershipに見るCV(電圧制御)でモジュラー・シンセサイザーやドラムマシンとの同期による音作りは、コンパクト・エフェクターの将来性という点で無視できないでしょうね。しかし、Dwarfcraft Devicesの代理店をやっているLep Internationalってなぜ自分のところの製品ページをリンクさせないのだろう?スペックとか紹介したいのに使いにくいのが本当に残念・・。
さて、正直ベーシックなヤツはもう供給過多というか、何か '一攫千金' 的に話題となるとそれのクローンが各社から出回るというサイクルが繰り返されるばかりなので、そういう中からアイデア勝負の '飛び道具' 的製品を打ち出せるかどうかにメーカーの底力を試されている気がします。やはりコンパクト・エフェクターって弾き手をワクワクさせること、挑んでくるようなモノじゃないとつまんないでしょ!あ、そうそう、管楽器には 'グロウル' とか 'ファズトーン'、フラジオに代表される 'ハーモニクス' やミュートといった '人力' による 'エフェクト的' 奏法があるのだけど、そんな主張を代弁してくれる我らが '電気ラッパの師'、近藤等則さんの有難〜いマニフェストをどーぞ。
"ところで、エフェクターの発祥はトランペッターだと知ってる?デキシーランドJAZZがあるだろ?そこで使われるワウからフランジャー、ミュートなど、皆、JAZZのトランペッターが生み出したアナログのエフェクト。それをエレキギターが登場後、同じ効果を生むために電気で開発したものが、ギターエフェクター。エフェクターを成立させたのは、エレキギターでは無く、トランペットが先。そういう意味で、私の「エレクトリック・トランペット」は邪道を行っているのではなく、JAZZの本道を行っている訳だ。JAZZのトランペッター達が、なぜ、エフェクトを産んだのか?それは、音色の違いでもっと色々な表現を増やしたかったから。エフェクターが先に在ったのではなく、自分のイマジネーションを表現するためにエフェクトを作った。つまり、自分がどんな音を出したいのか、そのイマジネーションがしっかりあれば、そうしたエフェクターに巡り合った時に、その性能をフルに発揮できる。何のイマジネーションも持たない人が使っても、機械に振り回されるだけで、その機械を使い込む事は出来ない。イマジネーションが大事。ギターをやっている人達も、その点を意識して、エフェクターを更に楽しんで、面白い音楽をどんどん作って欲しいね。"
そして、毎度楽しい(英語なんで半分も理解しておりませんが・・汗) 'Pedals And Effects' さんによる '秘密基地' でのペダル遊びは、おととし2016年&去年2017年のベスト10!こういうペダル満載の棚を置き、24時間いつでも爆音で音出しできるプライベートな '遊び場' が欲しいなあ。しかし、音楽業界斜陽の時代にあって洪水のように市場へ溢れ出てくるペダルという名の 'ガジェット' 群。往年の名機 '復刻' もあればそれらのクローンと発展型、デジタルによる 'アナログ・モデリング' とエレクトロニカ以降の発想による新しい機器の登場は、まさにコンパクト・エフェクターにとって今が一番恵まれているんじゃないでしょうか。