2015年11月4日水曜日

ボントロで '電化' ビリビリ

トロンボーンというのも不思議な楽器です。あのスライドによるポジションというのを耳で聴きながら '当てていく' ワケで、コントラバスにおけるフレットレスと同じくらい不安定な構造を持っていると思いますね。また、一説には上達の遅い楽器と言われているらしく、幼少期と大人では楽器のサイズが違うために、身体の成長とともにスライドの長さが変化していくため大変なのだとか。そして、アコースティックにおけるエフェクトという意味でいえば、ドイツ・フリーの大御所、アルバート・マンゲルスドルフの 'ひとり最大7音' という驚異のマルチ・フォニックス奏法が有名ですが、サックスと違ってオーヴァートーンの出しにくい金管楽器でよくぞ、と拍手を送りたくなります。これも、ラッパに比べて口径やカップの大きいマウスピースが生み出す倍音のおかげ、なのでしょうか?



Conn Multivierを用いてオクターヴでハモらせながら、後半はほとんどブリブリしたファズって感じです。この1960年代後半に製作された一連の管楽器用オクターバーは、どこかチリチリとしたファズっぽい質感があるのが共通した印象ですね。

Conn Multivider 1
Conn Multivider 2



こちらはループ・サンプラーやファズ、ワウペダルを駆使して、荒削りながら量感たっぷり重厚なソロを披露しています。ベルの中からケーブルが出ているところを見ると、ベル内にベルクロで取り付けるエレクトレット・コンデンサー・ピックアップBarcus-berry C5600(C5200)でしょうか。その他の 'アンプリファイ' なトロンボーン吹きのアプローチを見ると、Yamahaの電子式消音ミュートであるSilent Brassピックアップ・システムを用いている方が多いですね。

Barcus-berry C5600①
Barcus-berry C5600②



こちらはSnarky Puppyというグループのトロンボーン吹きによるBoss GT-10のループわざ、マルチ・エフェクター使用で上記動画よりも洗練されています。トロンボーンのトーンを多彩に変化させながらオーバーダブしていくのが、このループ・サンプラーを使いこなすキモですね。





最後は、フランク・ザッパの 'ジャズ・ロック・バンド' としての最盛期である1973年のザ・マザーズ・オブ・インヴェンションから、トロンボーンのBruce Fowlerの妙技を聴きましょう。ピエゾ・ピックアップのBarcus-berry 1374をマウスピースに接合しておりますが、Barcus-berryはこの時期から管楽器の 'アンプリファイ' における市場で普及し始めたのだと思います。


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