2018年11月4日日曜日

アンプという箱を鳴らす

以前に取り上げた 'アンプ!アンプ!アンプ!' の項を再構成。

正直、場所ばっかり取ってしまうので困るのだけど、やはりライン・ミキサーからパワード・モニターで再生するよりもこぅ、何というかスピーカーから飛び出してくる出音が気持ち良いんですよね。現在、管楽器はライヴからレコーディングにおいてほぼラインによるマイクの収音、PAから '返し' による再生が一般的です。しかし1960年代から70年代においてはラインの音を一旦アンプで鳴らし、その 'かぶり' の入った出音を複数のオフマイクで拾ってマイクで収音した '生音' とミックスするという手法も行われておりました。





マイルス・デイビス1969年の傑作 'Bitches Brew' ではエンジニアにより8トラックを用いて4チャンネル方式で録音し、編成の大型化したアンサンブルに対抗すべくデイビスのトランペットも3通りのやり方で収音しております。まず、デイビスの吹くMartin Committeeにも穴が開けられピエゾ・ピックアップを装着、それをアンプから出力した音にマイクを立てて収音、そのアンプへと出力する直前にDIによって分岐されたラインの音をミキサーへ入力、そしてベルからの生音をマイクを立てて収音され、デイビスの目の前には小型のモニターが置かれてほぼライヴ形式でのレコーディングと言って良いですね。これら3つの音をエンジニアの手により混ぜ合わせることで、デイビスの 'ヴォイス' は自由に加工できる余地が生まれ、それはタイトル曲で印象的なタップ・ディレイの効果に顕著です。







Yamaha Stagepas 400i / 600i

実際、自宅であればこの程度の小さいアンプ、もしくはDTMなどで一般的なライン・ミキサーと小型パワードモニターでも十分過ぎるほど鳴ってくれます。最近は小さいものでも結構パワフルに鳴らせるデジタル・アンプを用いた小型アンプなどが登場しているのですが、しかし、やはりコンボアンプのようなドシッとした箱、それも12インチほどのスピーカーから再生させる方が生音とのバランスを考えるとよく聴こえます。ちなみに現在、管楽器のライヴによる再生方法はYamaha Stagepasに代表される簡易PAシステムを用いたものが一般的。ひと昔前の 'アンプリファイ' な管楽器奏者が好んでいたアンプを用いてのセッティングは、その他電気楽器とのアンサンブルや複数マイクを立てることによる煩雑さから現代ではイヤがられると思います(苦笑)。また、客席側に聴こえるPAを通した '外音' に対して、いわゆる '返し' と呼ばれるステージ上の '中音' を司るパワード・モニターの音量も限度があることから、最近のステージでは管楽器奏者の耳に直接インイヤー・モニターを推奨するPAも多くなってきております(ヴォーカルは完全にコレです)。










Roland KC-150 - 4 Channel Mixing Keyboard Amplifier
Roland KC-350 - 4Channel Stereo Mixing Keyboard Amplifier
Behringer K900FX Ultratone
SWR California Blonde Ⅱ

Youtubeなどで管楽器奏者がよく使っているのはRolandの12インチ一発、最大65W出力のキーボード用アンプKC-150か最大120W出力のKC-350をよく見かけます(去年、このKCシリーズはラインアップを一新してKC-200 & KC-400となりました)。また、比較的入手しやすいキーボード・アンプとしてBehringerの12インチ一発、最大90W出力のK900FXは評判が良いですね。わたしが現在メインで使っているのはSWRの12インチ一発、最大160W出力の 'エレアコ' 用アンプCalifornia Blonde Ⅱでして、特に通常のアンバランス入力のほか 'Low Z Balanced' のスイッチを入れることでTRSフォンのバランス入力に対応すること。取説ではこう記されております。

"ローインピーダンス仕様のギターのバランス出力を入力端子に接続するときは、このスイッチを押し下げてください。TRS端子による接続が必要なバランス接続では、最高のダイナミックレンジと低ノイスの環境が得られます。"

いかにも 'エレアコ' 用といった感じでマイクとAux入力、またアンサンブル中での '音抜け' を意識して 'ドンシャリ' にする機能 'Aural Enhancer' を備えるなど、ライヴにおける使い勝手を意識したデザインとなっております。EQはBass、Mid Range、Trebleの3バンドでリアにハイのツィーターをコントロールするツマミが個別に用意、外部エフェクツ用 'センド・リターン' とスプリング・リヴァーブを内蔵(ちょっとノイズ多目ですが)。ちなみに各ツマミは少々ガリの出やすいところが玉に瑕で、重量も堂々の24Kgと重たいものの、アンプとしての音色は後述するGenz-Benz UC4よりかなり好みですね。


Genz-Benz UC4-112T
Ashly LX-308B 8 Channel Mic / Line Mixer
Mastro Valvola

サブというか、色々なエフェクツの '実験用' として所有しているのがこちら、Genz-Benzの最大135W出力なPA用コンボアンプというかなり変わった仕様のUC4。スプリング・リヴァーブと4つの入力というミキサー機能を備え、その内のひとつがライン入力なのでAshlyのライン・ミキサーLX-308Bと組み合わせて使用中。内蔵空冷ファンが少々うるさいものの、キャビネット内部の吸音材を廃材の古布を利用したニードフェルトに入れ替えたことでハッキリした定位とタイトな音色に変わりましたが、基本的な出音はPAライクな素っ気ないもの(苦笑)。Ashlayのライン・ミキサーを使用しているのは、一度エフェクターからの出力をパッシヴDIでローインピーダンスのバランス出力へと変換、ミキサーからUC4のラインへと入力する為です。また、UC4の 'センド・リターン' にはMastro ValvolaのTimelab Multi Delayを繋いでおります。



Carvin AG100D

 こちらはそんなGenz-Benz UC4とよく似た構成のアコースティック&PA用コンボアンプ、Carvin AG100D。12インチ一発の100W出力で3つの独立した入力チャンネルとデジタル・エフェクツ、5バンドのグラフィックEQを内蔵しております。Ch.1はアコギやエレキ、Ch.2はドラムマシンにキーボードなど、そしてCh.3はマイク/ライン入力となっており、管楽器であるならばパッシヴDIからライン・ミキサーを経てこのCh.3にラインで入力したいですね。以前はサウンドハウスが代理店として扱っておりましたが、その後Carvinが楽器製作をやめてしまったことで現在では中古で探さなければなりません。











Kustom Amplification
Kustom Amplification Bass 150
Trace Elliot 7215SMC GP7

いわゆるエレクトリック・ギター用のアンプは中域に特徴の歪ませること前提としたモノなので、クリーンに幅広い帯域で鳴らす管楽器では不要なノイズも目立ち上手く行きません。一方、低域という幅広い帯域を確保すべく鳴らすベース・アンプはクリーンであることが前提であり、実は 'エレアコ' 用アンプの代用としても十分機能します。Guillaume Perretさんはテナーサックスでかなり歪ませるタイプのようですが(汗)、ここではAmpegのベース用スタックアンプで気持ち良く鳴らしております。さらに続く 'メリーさんの羊' オジサン(笑)の動画では、モコモコしたビニール地のソファ風アンプで有名なKustomのスタックアンプを鳴らしており、リンク先の 'Kustomファン' によるサイトによれば150W12インチ2発によるBass 150というモデルのようです。その下の 'アンビエント' 風ドローンなサックスは、Trace Elliotの150WベースアンプGP7によるもの。しかしこのTrace Elliotは音色含め、イマイチ抜けが悪いという評価もありベーシストにとっては好き嫌いの別れるアンプのようですねえ。






さて、このようなベース用スタックアンプとして有名なのが、あのジャコ・パストリアスが愛用したことでも知られる名機、Acoustic Control Corporationの360 + 361の組み合わせ。近年、その 'ジャコ熱' のマニアに推されてか '復刻' しましたけど、このAcousticのアンプはそのクリーンな鳴りから管楽器奏者の 'アンプリファイ' でも広く普及しました。エディ・ハリス、ランディ・ブレッカー、フランク・ザッパのマザーズ・オブ・インヴェンションではザッパはもちろん、イアン・アンダーウッドとバンク・ガードナーの '管楽器組' が使いました。そして1970年から73年の来日直前まで御大、マイルス・デイビスのステージの後ろにそそり立っていたAcousticの壁。デイビスはギター用の260 + 261、361キャビネットの組み合わせで鳴らしていたようです。ちなみにこのスタックアンプは当然ながら80Kg近くの重量があり、これまた当然ながら自宅で使うものではありません(汗)。





Yamaha PE-200A + TS-110
Yamaha PE-200A + TS-100
Yamaha PE-200A
Yamaha TS-200

そんなAcoustic Control Corporationから、1973年の来日公演を機にエンドース契約をして使い始めたのがYamahaのPAシステム。デイビスも使用したヘッドアンプ部のYamaha PE-200Aはスプリング・リヴァーブ、トレモロのほかにオートワウ!も内蔵されており、そのオートワウも 'Wah Wah Pedal' という端子にエクスプレッション・ペダルを繋ぐことでペダル・コントロールできるというかなり変わった仕様。案外、デイビスはワウペダルだけじゃなくこのオートワウも 'On' にしていたのでは?そしてパワーアンプ内蔵のTS-110キャビネット部分を縦に赤、黒、緑と'アフロカラー' で染め上げ、上から 'MILES、DAVIS、YAMAHA' とレタリングをすれば、もう気分は70年代の 'エレクトリック・マイルス' 一色!メチャクチャ欲しいけれど、12インチ二発で上下合わせて60Kg強という'冷蔵庫' のようなスタックアンプでございます(汗)。





Musicman Amps HD / RD Series
Musicman 115B 250 Bass Combo

一方、こちらのイアン・カー率いるジャズ・ロック・グループ、ニュークリアスのステージではドイツのアンプ、PAメーカーDynacordのアンプがチラッと映っておりますね。ここでもベルからの  '生音' はマイクからそのままPA、ワウペダルを踏む 'アンプリファイ' のトーンはDynacordのアンプにマイク立てて集音、PAのミキサーでミックスされて会場のパワードモニターに振り分けられており、昔はこれが一般的な管楽器の 'アンプリファイ' による再生方法でした。また、ノルウェーのパレ・ミッケルボルグはテリエ・リピダルとの1978年のステージでMusicmanのアンプを用い、この向かい合わせの客に対して一人 '異空間' なラッパを吹いている(笑)。バンドの規模にもよりますけどでっかいスタックアンプではなく、60〜120W程度のアンプでもPAを併用すれば十分な音量を確保することが出来ます。






Fender Pro Reverb
Fender Solid State Reverb FR-1000
Roland JC-120 Jazz Chorus
Roland JC: Send Return Operation

もちろん、ギター用アンプも全てが合わないというワケではなく、例えば1993年に '復活' したザ・ブレッカー・ブラザーズのランディ・ブレッカーはRolandのトランジスタアンプの定番、JC-120 Jazz Chorusを2台ステレオで使用しており、また、1968年の管楽器 'アンプリファイ' 黎明期の立役者、ドン・エリスは最大40W出力で12インチ一発のFender Pro Reverbアンプとスプリング・リヴァーブのFR-1000を用いて同社カタログに堂々登場しております。このFenderのギターアンプはSnarky Puppyのラッパ吹き、Mike 'Maz' Maherさんもスタジオでダイナミック・マイクのSM58を立ててワウやオクターヴ・ファズによるワイルドなトーンを実践!しかし、一転してディレイの柔らかいトーンの場合は繊細なリボン・マイクでライン録音とそれぞれの使い分けによる違いがよく分かります。ちなみにJazz Chorusにはラインで鳴らす為の '裏ワザ' があり、本機の後ろにあるReturnからステレオで接続することでJCのパワー・アンプのみを利用できること。例えばアンプ・シミュレーターなどで好みのトーンを設定し、後はJCのクリーン&ステレオ・コーラスな鳴りを堪能することが出来まする。コレ、最近はエレクトリック・ギターもラインアンプを用いてLine 6やKemperによる ' アンプ・シミュレーション' 的な音作りが一般的になってきましたけど、管楽器による 'アンプリファイ' でも十分応用できるものだと思いますね。そんな上記動画の1993年ザ・ブレッカー・ブラザーズ '復活' ツアーの際、来日公演時の 'Jazz Life' 誌とのインタビューによる機材話が興味深いので抜粋してみます。

ランディ "ここには特別話すほどのものはないけどね(笑)。"

− マイク・スターンのエフェクターとほとんど同じですね。

ランディ "うん、そうだ(笑)。コーラスとディレイとオクターバーはみんなよく使ってるからね。ディストーションはトランペットにはちょっと・・(笑)。でも、Bossのギター用エフェクツはトランペットでもいけるよ。トランペットに付けたマイクでもよく通る。"

− プリアンプは使っていますか?

ランディ "ラックのイコライザーをプリアンプ的に使ってる。ラックのエフェクトに関してはそんなに説明もいらないと思うけど、MIDIディヴァイスが入ってて、ノイズゲートでトリガーをハードにしている。それからDigitechのハーモナイザーとミキサー(Roland M-120)がラックに入ってる。"

− ステレオで出力してますね?

ランディ "ぼくはどうなってるのか知らないんだ。エンジニアがセッティングしてくれたから。出力はステレオになってるみたいだけど、どうつながっているのかな?いつもワイヤレスのマイクを使うけど、東京のこの場所だと無線を拾ってしまうから使ってない(笑)。生音とエフェクト音を半々で混ぜて出しているはずだよ。"

− このセッティングはいつからですか?

ランディ "このバンドを始めた時からだ。ハーモナイザーは3、4年使ってる。すごく良いけど値段が高い(笑)。トラック(追従性のこと)も良いし、スケールをダイアトニックにフォローして2声とか3声で使える。そんなに実用的でないけど、モーダルな曲だったら大丈夫だ。ぼくの曲はコードがよく変わるから問題がある(笑)。まあ、オクターヴで使うことが多いね。ハーマン・ミュートの音にオクターヴ上を重ねるとナイス・サウンドだ。このバンドだとトランペットが埋もれてしまうこともあるのでそんな時はエッジを付けるのに役立つ。"

− E-mu Proteus(シンセサイザー)のどんな音を使ってますか?

ランディ "スペイシーなサウンドをいろいろ使ってる。時間があればOberheim Matrix 1000のサウンドを試してみたい。とにかく、時間を取られるからね。この手の作業は(笑)。家にはAkaiのサンプラーとかいろいろあるけど、それをいじる時間が欲しいよ。"

− アンプはRolandのJazz Chorusですね。

ランディ "2台をステレオで使ってる。"





Fishman Loudbox Artist Amplifier
Fishman SA330X Solo Performance System
Fishman SA220 Solo Performance System
Bose L1 Compact System

このほか、Fishmanの8インチ一発、100W(最大230W)出力のLoudbox 100 Pro-LBX 400なども管楽器に最適。個人的には現行Loudboxシリーズより、この 'ディスコン' となった前モデルの方が無骨な感じで好きですねえ。その他、6インチ二発で130W(最大500W)出力のPro-LBX-300などもありましたが、'エレアコ' アンプにおける最大出力というのは、エレキギター用アンプなどに比べればその体感度はスペックとかなりかけ離れた印象がありますけど、このLoudboxシリーズは(その名の如く)12インチ未満ながらかなりの音量も得られることで評価が高い。正直、小口径で音量が小さいと音圧はもちろん '生音' との兼ね合いでバランスが悪いんですよね。さて、このような縦と横の方向へまっすぐ飛んでいくスピーカーの箱に対し、あくまで水平方向に広がる特性で狙った範囲に音を行き渡らせて距離による減衰を抑えたラインアレイ型の簡易PAシステムがあります。FishmanのSA330XやBoseのL1 Compact Systemなどは管楽器でも十分な威力を発揮してくれそうですね。ま、こんなカタチなので箱っていう鳴り方とは真逆ですけど・・。




Barcus-berry XL-8
Barcus-berry 1720
Barcus-berry 1520 Preamp + 1602 Poweramp-Head Combo
Vox Ampliphonic Sound Nova Amplifier ①
Vox Ampliphonic Sound Nova Amplifier ②

1970年代に 'エレアコ' の分野でそのシェアを伸ばしてきた老舗、Barcus-berry。上のカタログでもコンボタイプから大型なPA用パワードモニターに至るまで幅広くラインアップしており、1970年代後半に登場した8インチ一発の最大出力15WのXL-8は3バンドEQとMasterヴォリュームのほか、InputにDriveとVolumeの備えた2ヴォリューム仕様という変わったものです。また1960年代後半、H&A Selmer Inc. Varitoneをきっかけに登場したVox AmpliphonicやGibson / Maestroからも専用のアンプが用意されており、わたしもC.G. ConnがMulti-Viderの為に用意した500 Amplifierを所有しておりますが、とにかくデカイ音で 'ぶっとい' オクターヴ音がキャビネットから飛び出してくるのが快感!。しかしVolumeのつまみは10時くらいが限度ですねえ・・(汗)。本機は2つの入力とVolume、Treble、Bassの2バンドEQ、トレモロとスプリング・リヴァーブを備えたシンプルなものなのですが、ユニークなのは各ツマミが大小2つのツマミとして二重に操作出来るのです(上手く伝わってるかな?)。EMSシンセサイザーなどにも採用されているバーニアダイヤルと同様の構造ですね。また2つの入力とは別にMulti-Vider専用の入力もあるのですが、こちらはあくまでパワー・アンプからの再生のみでプリと各ツマミ類は使えません。







H&A.Selmer Inc. Varitone ①
H&A.Selmer Inc. Varitone ②

そしてH&A.Selmer Inc.が手がけた元祖 'アンプリファイ' サウンド・システム、Varitone。Selmerブランドのほか、管楽器への市場拡大を狙ってなのかBuesherブランドでも販売されておりましたが、製作自体は現在でもPAの分野で大手のElectro Voiceが担当したようです。振動を感知して電気信号に変換するピエゾ・トランスデューサー方式のピックアップは、音源に対して理想的な取り付け位置を見つけるのが難しく、マウスピース部分はもちろん、金管楽器のリードパイプやベルの真横などいろいろ試しながら完成に漕ぎ着けたとのこと。ちなみにVaritoneは通常の '3300 Auditorium Model' のほか、上の動画にある '3100 Club Model' の2種がラインナップされておりました。この 'Club Model' はライヴなどの汎用性を高めた '若干' 小ぶりな仕様であり、一般的な 'Auditorium Model' のアンプ正面に備えられていたTremoloの 'Speed' と 'Depth' コントロールは内部に移されております。







1969年にOvationと協業でHammondが製作した世界初のギター・シンセサイザー、Innovexブランドの 'Condor' シリーズも専用のPA用アンプを用意しておりました。そういえばマイルス・デイビスの家にHammondがInnovex Condor RSMのフルセットを送り付けてきたという話がありましたけど、このアンプがリビングにデンと鎮座していたのだろうか?(笑)。しかし、デイビスとPAによる 'アンプリファイ' の関係も苦難の連続だったようですね。1966年にキャノンボール・アダレイが大ヒットさせた 'Mercy Mercy Mercy' を聴いて触発され、そこでエレクトリック・ピアノを弾くジョー・ザヴィヌルとPAをチェックする為にわざわざメキシコの公演まで足を運び、自分もさっそく導入したもののお互いが聴き取りづらいという不満から各種モニターとそれを運び込むフォルクスワーゲンのミニバンまで購入。また 'Freedom Jazz Dance' のカバーが縁となり、一足先にサックスの 'アンプリファイ' を探求していたエディ・ハリスにも助言をもらいながら、この新しい表現様式で '何が' 出来るのかを慎重に精査していたマイルス・デイビス・・。初めて '電気ラッパ' をアンプに繋ぎ、あれこれ試し吹きしているデモ音源とか '発掘' されたら興奮するだろうなあ。









ラインで鳴らすという意味ではPA用のパワードミキサーとモニターの組み合わせと同じなのだけど、やはり、自分の隣や後ろにアンプがドンと置いてある存在、そのキャビネットから音が飛び出してくる感じが好きだ。あくまでラインレベルという意味ではとてもギター用アンプと比較は出来ませんが、ほんの少しだけギタリストの求める気持ちが分かったかも(笑)。

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