2015年9月26日土曜日

インテリジェンスな人々

トランペットとエレクトロニクスの関係において、Youtubeの動画を漁ってみると奇妙で面白いものが見つかります。いわゆる現代音楽の分野で行われている実験的なもので、厳密なスコアの指定に従ってエレクトロニクスと対峙する人たちです。その多くは、プログラミング・ソフトのCycling 74 MAX/MspでプロセッシングしたサンプルをMIDIでトリガーして動かす手法が一般的ですね。



Sam Wellsなる人が自ら演奏し作曲したと思われる曲、なんでしょうね。

もう少し '噛み砕いた' ものとしては、元々こちらの分野から現れながら、その後はクラブ・ミュージックなどとリンクしながら 'ミュータントランペット' なる独自に開発した創作楽器で活動するベン・ニールがいます。





本人自らテレビ出演して、この独自のシステムを解説しているのですが、なるほどBarcus-berryのピエゾ・ピックアップ1374をトリガー元にして、MIDIでピッチからシーケンス、映像のトリガーに至るまでコントロールする大掛かりなもののようですね。

この辺りの元祖として、1970年代から独自の活動をしているジョン・ハッセルに触れないわけにはいかないでしょう。カールハインツ・シュトゥックハウゼンに師事し、ラ・モンテ・ヤングの元でドローン・ミュージックの魅力に触れ、その後はブライアン・イーノとアンビエントの世界で自らの個性を確立しました。





この2015年の動画でもまだまだ健在で、あの独特なラッパの持ち方がトレードマークではありますが、彼のおおよそトランペットとは思えない尺八のような幽玄な響きは、1990年代後半にノルウェーから現れたクラブ・ジャズの代表格、ニルス・ペッター・モルヴェルやアルヴェ・ヘンリクセンら '弱音系' ラッパ吹きに多大な影響を及ぼしています。



やっぱりラッパ吹きって・・シリアスでマジメなのかな?

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