→Umbrella Company Fusion Blender
Umbrella Companyの一風変わった多目的セレクター、Fusion Blenderは通常のA/Bセレクターのほか、AとBのループをフィルターによる帯域分割で '同時がけ' を可能とするなど、コンパクト・エフェクターの使い方にいろいろなアイデアを提供する素敵な一品。また、本機は基盤上の内部ジャンパを差し替えて 'Hi or Loインピーダンス' を切り替えることで、ライン・レベルのエフェクターをギターなどでそのまま使うことが出来ます。
→Dwarfcraft Devices Paraloop
→Custom Audio Japan Custom Mixer
→Eva Densi Sound Mixer
ちなみに、このFusion Blenderの '同時がけ' はフィルターによる上下帯域分割のほか、単純にA/Bパラレルのまま出力でミックスするミキサー形式のものもあります。代表的なものとして1Uハーフラック型のCAJ (Custom Audio Japan)のCustom Mixerがありますが、コンパクトではDwarfcraft Devices Paraloopがあります。たくさんエフェクターを買い過ぎてちょっと食傷気味、という皆さま、これら 'パラレル・ブレンダー' を導入して手持ちの 'タンスの肥やし' たちをいろいろ組み合わせてみて下さい。新たな発見があるかも!?また、このようなパラレル接続としてアンプで鳴らす場合、アンプの 'Send / Return' に空間系エフェクター(ディレイ、リヴァーブ)を繋ぐ場合にも適用できます。基本的に+4dBのラインレベルを備えるラック型エフェクターに対応した 'Send / Return' (アンプによっては例外もあり)ですが、ここにコンパクト・タイプの空間系を挟む際、大阪でインピーダンス・マッチングやフェイズ・インバータの機器を中心に製作する工房、エバ電子のSound Mixerが役立ちます。
→Pigtronix Keymaster
こちらPigtronix Keymasterもそんな多目的セレクターのひとつ。A/BセレクターのほかA + Bセレクター、また 'Parallel' に切り替えてエクスプレッション・ペダルを繋ぐことで、AとBのループをDJミキサーのクロスフェーダーのようにシームレスに切り替えることが可能。とにかく使い手のアイデアを刺激すること間違いありませんが、本機もまた入出力にゲイン・ブーストを備えてコンパクト・エフェクターからライン・レベルのエフェクターに至るまで、あらゆるレベル・マッチングを取ることが出来ます。入出力はフォンとTRSフォンのほか、XLR入出力(ファンタム電源不可、フォンとの同時入出力不可)になっているので管楽器からのマイクも接続可能!ちなみにXLRとフォンの同時入力を行う場合は、A/BループそれぞれのReturnから入力することでXLR入力とミックス出来ます。
→Dr. Lake KP-Adapter
→Classic Pro YPR122
そういえばラック型エフェクターやDJ用エフェクターなどは入出力がステレオ仕様であったりRCA端子のものが多いです。例えば、上で紹介したFusion BlenderやKeymasterなどで使用するにはClassic Pro YPR122などのY型変換アダプターを用いるなど何かと使いにくい・・というお悩みに対処したのがこのDr. Lake KP-Adapter。新潟の楽器店あぽろんがプロデュースするブランド、Dr. Lakeは高品質なコンパクト・エフェクターを少量製作しておりますが、その中でもユニークなのがKorgのDJ用エフェクター、Kaosspadをギターで使えるべく製作されたこの特殊なループ・セレクターなのです。ループの入出力がステレオのRCA端子となっており、これでゲインのツマミを回せばKaosspadのみならず、あらゆるステレオ機器をコンパクト・エフェクターと共に使うことが可能。PCB基盤の廉価版と 'ハンドワイアード' 仕様をそれぞれ受注製作しております。
→Filters Collection
→Elta Music Devices
Korg Kaosspadのみならず、このようなDJたちに好まれる多様なフィルター単体機、是非ともコンパクト・エフェクターと一緒に混ぜて新しい音作りに挑んでみて欲しいですね。通常のエンヴェロープ・フィルターとは一味違う効果は絶対に刺激されるハズ!個人的に試してみたいのは、旧ソビエト時代に登場したアナログ・シンセサイザー、Polivoksのフィルター部分を取り出してElta Musicが単体機としてしまったもの。MoogerfoogerともElectrixとも一味違う 'なまり方' がイイですねえ。そして、新たにConsoleというElta Musicの集大成的マルチ・エフェクターも完成!フィルターからリング・モジュレーター、リヴァーブやピッチ・シフターにギターシンセなど10の音色の入ったSDカードをカートリッジ式に入れ替え、ジョイ・スティックで操作するという発想・・おお、ちょっとロシアのメーカーはこれから目が離せませんヨ。
→Eventide Mixing Link
→Audio-Technica VP-01 Slick Fly
→Radial Engineering Voco-Loco
→Radial Engineering EXTC-SA
→Yamaha Stagepas 400i / 600i
管楽器の場合、基本的にはマイクからの出力はそのままPAのミキサーに送られて、そこでライン・レベルのリヴァーブやディレイなどで処理されることが多いです。近年、管楽器用のループ付きマイク・プリアンプとして登場したAudio-Technica Slick Fly VP-01やEventide Mixing Link、Radial Engineering Voco Locoなどは、ある意味管楽器用にインピーダンス・マッチングを取ってくれるループ・セレクターと言っていいでしょうね。また、マイクからそのままミキサーに送った後でライン・レベルのままコンパクト・エフェクターを用いたい場合、'逆DI' ともいうべき便利なレベル・マッチング機器Radial Engineering EXTC-SAもあります(動画は 'ユーロラック500' シリーズのモジュール版)。とにかく、それぞれの機器には決められた '規格、基準' があり、それを把握しながらしかるべき '接続の掟' を守ることで、その機器本来の威力を発揮することが可能となります。便利に使える簡易PAシステムのYamaha Stagepasと組み合わせて小規模のステージ環境を組み、あらゆるエフェクトを統合しながらその '魔力' に取り憑かれて下さいませ。
→Piezo Barrel on eBay
そんな現在のPAシステムから見たらすっかり '時代遅れ' な匂いも漂うアンプを用いての 'アンプリファイ' ですけど、わたしも愛用中のPiezo Barrelのマウスピース・ピックアップ。まずはeBayでのラインナップを見て頂きたいのですが、ピックアップ自体がすべて真っ黒!そう、これは 'P6' の名でピックアップ本体をブラックにコーティングしたもので、従来のものとスペックは同一ながら見た目が与える印象は一変しました。特に黒いクラリネットにはよく似合うでしょうね。しかし、個人的にはそろそろメーカーの完成品ではなく、ピックアップのみを購入し、自分で好きなマウスピースに加工したい欲がウズウズと強まっておりまする(笑)。ドリルなど旋盤一式に投資して技術を身に付け、日本の代理店として普及させたいなあ。ここのメーカーの加工の特徴は、ソケット用の穴を途中まで開けてソケットを嵌め込み、その後細いドリルで貫通させるという '2段工程' にあるんですよね。金管用のマウスピースの場合はソケット用の厚みが少ないので、シャンク部を平らに削りソケットを乗せてハンダで接合するしかありませんが、クラリネットやサックス用は結構加工に手が込んでおります。
→Neotenic Sound Board Master
→Hosa MIT176
→Classic Pro ZXP212T
→Classic Pro APP211L
→TDC by Studio-You Mic Option
そして、このPiezo Barrelピックアップをコンパクト・エフェクターに接続する際に起こる 'インピーダンス・マッチング' を取るのに便利な一台、Neotenic Sound Board Master。本来はエフェクターボードの最終段に置き、入力するギターのピックアップに合わせて 'アッテネーター' のように使うのが本旨のデバイスらしいのですが、わたしはPiezo Barrelピックアップとコンパクト・エフェクターの間に繋いで 'アッテネート' しております。最近、試作品のかたちでピエゾ・ピックアップの 'インピーダンス・マッチング' を取るのに相応そう?な 'Piezo Fit' というのがアナウンスされており、それが出るのか出ないのか分かりませんが、Board Masterの代わりになったら嬉しい。ちなみにピエゾとエフェクターの接続については一応、Piezo Barrelの製作者であるスティーヴ・フランシスさん曰く・・
Q: Do I Need a Pre-Amp ?
A: Piezo Barrel Pick-ups do not require a Pre-Amp.The output is similar to an Acoustic Guitar pick-up (Which is also a Piezo pick-up).
と回答されていて、基本的にそのまま繋いでOKらしいのですが、どうもわたしの環境ではゲインが高くなりノイジーになってしまうのです。このピックアップを入手された方で同じ悩みにぶつかっているのならば、ぜひ 'Board Master' !とお薦めしたいのだけど残念ながら 'ディスコン' 。選択肢としては、ピックアップからClasic Proなどの 'インピーダンス・トランスフォーマー' を介してコンパクト・エフェクターへ接続、これでOKです。
→Gibson / Maestro Sound System for Woodwinds W2
→Vox / King Ampliphonic Octavoice Ⅰ and Ⅱ
やはりこの手の 'アンプリファイ' を積極的に推し進めていったのはプログレ勢ですね。その元祖ともいうべきフランク・ザッパ率いる第1期ザ・マザーズ・オブ・インヴェンションのイアン・アンダーウッドとバンク・ガードナー、モータヘッド・シェアウッドらホーン勢は皆、ここではお馴染みGibson / MaestroのSound System for Woodwindsで '電化'。そしてヴォーカルのピーター・ハミルを中心に結成されたヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレイター。しょっちゅうメンツが入れ替わるのはプログレの常套ですけど(笑)、動画はサックスのデイヴィッド・ジャクソンが加わった1970年以降のものですね。スタックアンプはHiwattでVox / KingのAmpliphonic Octavoiceを2本のサックスでローランド・カークばりに用いているのが凄い。また、シリアスなジャズ・ロックに '変貌' した直後のソフト・マシーンのフロントを務めたエルトン・ディーンとリン・ドブソンら、ホーン勢のマウスピースにもしっかりとConnのピックアップが接合されております。
→Shure CA20B
→Acoustic Control Corporation
→Kustom Amplification
1970年代の 'エレクトリック・マイルス' の時代。Giardinelliのマウスピースに穴を開けて接合されたShureのマウスピース・ピックアップからDe Almondのヴォリューム・ペダル、Voxワウペダルの間に 'インピーダンス・トランスフォーマー' がカマされており、このレベル・マッチングでラッパでも問題なくコンパクト・エフェクターを使うことを可能としました。そんなデイビスたちの後ろにそびえ立つ 'スタックアンプ群' はクリーンで鳴らせるものが必須で、1970年から73年にかけては、当時の管楽器による 'アンプリファイ' 奏者が好んだAcoustic Control Corporationの250 + 251、361のスタックアンプを用いており、1973年の来日公演を機にYamahaとエンドース契約を結び、YTA-110(PE-200A + TS-110)、ベース用YBA-100(BE-200 + BS-100)などをステージのPAとして1975年まで突っ走ります。73年の動画を見ているとPE-200A + TS-100を基本にして、同社のPA用ミキサーPM-400から複数のTS-110、200キャビネットをリンクさせて 'PAの壁' を築いているようです。最近の管楽器の 'アンプリファイ' はグーズネック式マイクからPAで鳴らすのが一般的となってしまいましたが、やはりマウスピース・ピックアップを中心に考えるのならば、'エレクトリック・マイルス' 気分でスタックアンプを背にワウを踏み '咆哮' する方が迫力もあって格好いい!ちなみにこの時代、ConnやVoxも管楽器奏者のためのアンプ、PAシステムを提供しておりましたが、その後に登場する '水色のパネル' が特徴のAcoustic Control Corporationのアンプは、よりラウドな 'スタジアム級' ロックの時代の中で立ち回るべくクリーンな音作りが '定番' となったのだと思います(Acoustic 360 + 361はジャコ・パストリアスの愛機でしたね)。また、ビニール地のソファのようなテカテカ、モコモコした質感のKustomのアンプもPAシステム含め、クリーンなアンプとして当時の管楽器奏者に好まれたようです。
そして・・おお!!!1973年のスウェーデン、ストックホルムのライヴ動画が超絶クリアーな画質でUPされてる!これまでガサガサの不鮮明なブートレグで我慢しておりましたが、ここ近年、ノルウェー、オーストリア、ドイツとヨーロッパの放送局が次々とマスターテープを掘り起こし、リマスタリングして放映しているのでしょうね。これがSonyなんかの 'マイルス商法' の魔の手に堕ちるとブログへのリンク禁止(ベルリンの動画は貼れなくなった)になるので、できればこのまま静かに放置しておいて頂きたい。もう、あり合わせの音源 + 特典DVDみたいなのは要らんヨ。
→Maestro Phase Shifter PS-1A
→Maestro Phase Shifter PS-1B
→Heptode Virtuoso Phase Shifter
→Yamaha PE-200A + TS-100
→Yamaha PE-200A
→Yamaha TS-200
デイビスとワウの話題に集中しがちな1970年代 'エレクトリック・マイルス' ではありますが、同じく、サックスのネックにピックアップを接合してデイヴ・リーブマンの 'オルガン・トーン' に貢献しているのはMaestroのフェイザー、Phase Shifter PS-1A。1971年にトム・オーバーハイムにより設計された世界初のフェイザーで、デイビスのバンドではリーブマンのほかレジー・ルーカス、マイケル・ヘンダーソンらも足元に置いており、当時の本機に対する人気ぶりを現しております。フェイズのモジュレーションをSlow、Medium、Fastの3段階 '割り増し' スイッチで切り替えていく至極シンプルなもので、MXR Phase 90やElectro-Harmonix Smoll Stoneと並ぶ '70年代フェイザー' 三大名機のひとつ。わたしも以前所有しておりましたが、残念ながらラッパの帯域と合わない '腰高' なかかり具合だったのがイマイチでした。なお本機はフランスのHeptodeという工房からVirtuoso Phase Shifterとして 'デッドコピー' されております。そして、ヘッドアンプ部のYamaha PE-200Aはスプリング・リヴァーブ、トレモロのほかにオートワウ!も内蔵されており、そのオートワウも 'Wah Wah Pedal' という端子にエクスプレッション・ペダルを繋ぐことでペダル・コントロールできるというといかなり変わった仕様。案外、デイビスはワウペダルだけじゃなくこのオートワウも 'On' にしていたのでは?そしてパワーアンプ内蔵のTS-110キャビネット部分を縦に赤、黒、緑と'アフロカラー' で染め上げ、上から 'MILES、DAVIS、YAMAHA' とレタリングをすれば、もう気分は70年代の 'エレクトリック・マイルス' 一色です!メチャクチャ欲しいけれど上下合わせて60Kg強、12インチ2発ということでこんな '冷蔵庫' のようなスタックアンプ、置き場所もなければ自宅で鳴らすレベルのものでもなく・・厳しいなあ。
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