→Strymon Deco
古くはハモンド・オルガンのレスリー・スピーカーにおける 'ドップラー効果' であり、極彩色なサイケデリックの時代には、2つのオープン・リール・テープの位相差がもたらす 'テープ・フランジング' (ADT)の効果をいけないブツを摂取しながら '体験' したザ・ビートルズやジミ・ヘンドリクスのアルバムにより広く認知されました。現在ではわざわざオープン・リールを持ち出さなくとも、小型でこんな便利に 'シミュレート' されたStrymon Decoというヤツがあります。
→Pigtronix Envelope Phaser EP-2
→Electro-Harmonix Stereo Poly Phase
→Keeley Electronics Bubble Tron
PigtronixにSolid Gold Fxのフェイザーという、かな〜りマニアックなもの2機種。しかもモジュレーションの機能にエンヴェロープ・フィルターを備えた 'タッチセンス' (感度調整)付きということで、フェイザーというよりフィルターの変異系と呼んだ方がシックリきますね。またエレハモのStereo Poly Phaseなども同種製品となります。そして、エフェクターのモディファイでも有名なKeeley ElectronicsのBubble Tronも同様な機能を持ったもので、こちらはフェイジングからフランジングまで多彩な揺れの効果が、繊細なダイナミクスの感度に従ってかかります。フェイザーの設定で注意すべきは位相を操作する上での極端な音痩せで、効きが良いほど線の細さを感じてしまうのでかけ過ぎ注意。また、モジュレーションの 'キモ' であるLFOの設定は、吹くフレイズの速さによってはテンポがちぐはぐになってしまう場合もあるのでテンポ設定にも気をつけて下さい。
→Eventide Modfactor
→Eventide Mixing Link
おお、こっちはデジタル系満載だ。EventideのミキサーでXLR入出力とマイク・プリアンプ搭載、パラレルにかけられるMixing Linkを中心に、モジュレーション系マルチのModfactorとピッチ・シフターのPitchfactor、Boss DD-7 Digital DelayとリヴァーブのTC Electronic Hall of Fameを用いております。このEventideのシリーズは見かけはコンパクトながら中身は完全にラックのマルチ・エフェクター的アルゴリズムと操作を有し、理解と使い方に少々のコツと慣れが必要となります。Mixing Linkも価格は高めですが、Audio-Technica VP-01 Slick FlyやRadial Engineering Voco Locoにもうひとつ、管楽器でエフェクターを扱うのにピッタリなマイク・プリアンプとしてチェックしてみて下さい。この動画はLAで活動しているラッパ吹きのBrandyn Phillipsさんのセッティングのようですが(サウンドを聴けないのが残念)、本人はなかなかにエキセントリックな髪型でファンキーですねえ。
→Korg Nuvibe
わたしが最初に購入したモジュレーション系エフェクターは、伝説の名機Shin-ei Uni-VibeをリメイクしたJim Dunlop Uni-Vibe UV-1。ゆらゆらとまるで水中を遊泳するようなモジュレーションが心地よく、本機をきっかけにRoger Mayer Voodoo VibeやFulltone Deja Vibeといった 'Vibe系エフェクター' をいくつか物色したことを思い出します。上の動画は、オリジナルのUni-Vibeをデザインした現Korg監査役の三枝文夫氏が新たに手がけた '進化版' Nuvibe。
→Moog Moogerfooger
→Mode Machines KRP-1 Krautrock Phaser
→Prophecysound Systems Pi-Phase Mk.2
なになに、手っ取り早く究極の 'エグい' ぶっ飛んだヤツを紹介しろ?OK、それならこんなどデカくて 'シンセライクな' フェイザーはどうでしょう?どちらも1970年代にスタジオ機器として好評を博したCompact Phasing Aと12 Stage Phaserを現代版として 'リメイク' したもので、これらとMusitronics Mu-Tron Bi-Phase(これも 'リメイク' 版のPi-Phaseが出ましたが)を合わせて '70's フェイズ三兄弟' (会社はそれぞれ違いますケド)と言っていいくらいの '究極' です。中途半端な機材であれこれ散財するのなら、最初からコッチに手を出した方がお得かもしれません。
→Heptode Virtuoso Phase Shifter
→Carlin Pedals Phaser
→Moody Sounds Carlin Phaser Clone
フェイザーの元祖はトム・オーバーハイムがMaestroでデザインしたPhase Shifter PS-1A。当時大ヒットし、オーバーハイム自身も後に自らの会社の設立資金として潤うきっかけとなったそうです。厳ついルックスながら、本機は意外にもマイルドで大人しいフェイズ効果で、ギターよりかはキーボーディストに好まれてましたね。正直、ラッパではエフェクトのかかり具合が '腰高' でいまいちだったのは残念でしたが、マイルス・デイビス・グループ在籍時のデイヴ・リーブマンは本機をサックスに用いて 'ウェットな' オルガン・トーンを聴かせてくれます。ちなみに本機は、フランスのHeptodeが小型にリメイクしたVirtuoso Phase Shifterというのがあります。そして、フェイザーは1970年代の音楽シーンを代表するほどにあらゆるジャンルで活躍したエフェクターでして、特にリアルタイムでフェイズ・コントロールできる 'ペダル・フェイザー' というのがひとつの流行となりました。Electro-Harmonix Bad Stone Pedal、Foxx Foot Phaser、Korg Mr. Multi FK-2など、ワウやファズをミックスした 'ジェット・フェイザー' 効果はまさにあの時代そのもの。さて、そんな世界の流行の中でスウェーデンの幻のメーカー、Carlin Pedalsが手がけたフェイザーをご紹介。ニルスオルフ・カーリンの手がけたこの 'ペダル・フェイザー' は当時スウェーデンの音楽シーンでヒットした代表作で、通常のエフェクターとは逆のIn/Out配置などが独特の知らざる逸品。その下の動画はそれをMoody Soundsが本人監修の元に '復刻' したものですが、'Uni-Vibe' 風のドクドクした古臭い感じが伝わるでしょうか。しかし、1970年代から現在に至るまで(たぶん)最もユーザー数の多いのはMXR Phase 90ではないか、と思います。
→Chicago Iron Tycobrahe Parapedal
→Chicago Iron Tycobrahe Parapedal -iMi
→Chicago Iron Tycobrahe Pedal Flanger
→Chicago Iron Tycobrahe Pedal Flanger - iMi
1970年代初め、まさに幻のメーカーとして存在していたのがTycobraheです。最も有名なものがジミ・ヘンドリクスの使用で有名となったOctavio。いや、そもそもコイツはヘンドリクスの為にロジャー・メイヤーがカスタムメイドで少量製作していたのみで、当時市販されることはなかった 'プロトタイプ' と言ってもよいものです。しかし、ヘンドリクスのステージで頻繁に起こっていた盗難により、どこかの不届き者が一台のOctavioを修理工房へと持ち込みました。ソイツを丸々コピーして市場で販売してしまったのがこのTycobraheによるOctaviaというワケ。しかし、単にコピーだけの会社ではなく、まるで 'ジャイアント・ロボ' の如く巨大なサイズのペダル、微妙にフェイズの効いたワウのParapedalとPedal Flangerを製作してしまいました。オリジナルは会社自体が短命に終わった為、ごく少数の 'ヴィンテージ' が現在でも高値で取引きされております。それから40年近く経ち、そんな状況を見かねてかChicago Ironなる会社がその商標を買い取り、これら幻の名機をすべてオリジナル通りに '復刻' してしまったのだからビックリです。当初、版権の処理が完全ではなかったことで 'Octavian' や 'Parachute' などと微妙に製品名を変えておりましたが、現在ではすべてオリジナル通りの '復刻品'。価格は高いですが、この現代にはない 'ヴィンテージ' な暖かい効果は唯一無二!
→Electro-Harmonix Deluxe Electric Mistress Xo
もちろん、これ以外にも定番機としてフェイザーのElectro-Harmonix Small StoneやコーラスのElectro-Harmonix Small Clone、エグいフランジャーの代名詞として有名なA/DA Flangerなどなど、ぜひとも管楽器であれこれ試して下さいませ。上の動画は 'ペダル・ジャンキー' でおなじみDennis Kayzerさんのフランジャー・ベスト10!まあフランジャーってフェイザーやコーラスに比べてクセが強く、ジェット機の離陸音にゾクゾクする人以外はあまり汎用性のある効果ではないんですケドね・・。
→Digitech Jamman Delay
→Moogerfooger MF-107 Freq. Box
→One Control Mosquite Blender
さてさて、久しくYoutubeをチェックしてみると新たに 'アンプリファイ' したサックス奏者の面々が・・。しかし、使うエフェクターはかなり個性的なセレクトなのが面白いです。最初の人はFenderのアコースティック用アンプ 'Acoustasonic' を2台ステレオで用い、Digitechのループ・サンプラーJamman Delayがステレオでサンプリングできることからか、かなり広がりのある 'ループわざ' を聴かせておりますね。次の人もなかなかユニークなんですが、まずMoogの狂ったオシレーターMF-107 Freq. Boxというところがイイ。ギターシンセ風なんだけどオシレータの荒っぽい感じが追従するというか、自作?のエクスプレッション・ボックス?(要するに本来ペダルでCV可変するところをスイッチで可変させる)で瞬時に '飛び道具' となります。Dave Smth InstrumentsのMophoはシンセ的セレクトなんですが、これもBoss LS-7 Line Selectorを用いてランダム・アルペジエイターのモードを使用することでほとんどテクノですね。他にもOne Controlのループ・ブレンダーMosquite Blenderで原音とエフェクト音のミックス具合を混ぜるなど、システムの中にループ・ブレンダーやライン・セレクターを上手に用いることで効果的なエフェクトを聴かせているところは参考になります!
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