かれこれ 'アンプリファイ' したトランペット用のエフェクターボードを足下に置いてから15年以上は経過しております。その前から単品のペダル集めてはずっとやってたのだけど、Pedal Trainというスノコ状の強固なボードを置き機種を選びズラッと結線してから15年以上経っていると思う(具体的に何が最初だったのかは忘れちゃった...)。そう、Pedal Train Jr.をたまたま在庫で置いていた高円寺の楽器店に伺い、何を思ったのかそのお店がエフェクターボード製作も行なっていたことから自前のパワーサプライVoodoo Lab. Pedol Power 2 Plusも持参して付けて欲しいとお願いしたのでした。Pedal Train Jr.には装着用ブラケットは付属しているものの、ユーザーが装着の為にドリルで穴空け加工を施す必要があります。そのお店もペダル購入者にのみ取り付けサービスをやってるとのことでしたが、わざわざ足を運びボードを購入してくれたとのことで無料で取り付け加工して頂きました。以後、あれこれいろんなペダルを試しながら基本的なセッティングが固まったのが今から5、6年ほど前...。
現在ではRadial Engineering Voco-LocoやEventide Mixinglinkなど、管楽器にも特化したギターペダルを 'インサート' 出来るマイクプリアンプがあるし、類家心平さんやランディ・ブレッカーのようにマルチエフェクツのBoss ME-80一台で済ませちゃう場合もありますね。後は管楽器奏者に向けた初のマルチエフェクツであるZoomのA1X/A1X Fourなどなど...。その昔、わたしが単純に管楽器へ装着したピックアップからコンパクトペダルに接続したものの上手く機能しなかった時点でこの手のアプローチに対する機器は皆無でした。2009年にAudio-Technicaから嚆矢ともいえるVP-01 Slick Flyが発売れたことでようやく '認知' された、これで '散財' せず自在にアプローチ出来ると小躍りしたことが昨日のことのように懐かしい。では、それ以前の 'アンプリファイ' はどうやっていたのか?。一時期、DTMから 'ダブミックス' 制作に凝っていたこともあり、Mackieの卓上ラインミキサーである1202VLZ-Proはとても重宝しました。また、2000年代初めに廉価な卓上の真空管プリアンプが出回り始めたこともあり、ARTのTube MP Studio V3やBehringerのTube Ultragain Mic100など増幅した後にコンパクトペダルを繋ぐやり方で試していたりしました。ちなみにラインミキサー内でコンパクトペダルを接続するやり方ですけど、当然そのままではインピーダンスが違うので上手くいきません...。そこでミキサーのチャンネルにあるインサート端子、もしくはセンド・リターン端子からリアンプボックスとパッシヴのDIで 'インサート' するかたちでコンパクトペダルを繋ぎます。基本的にはSlick Flyや現在のVoco-Loco、Mixing Linkなどと同じやり方なのですが、それをもっと煩雑で大掛かりにやっていたという話です。しかし、ドン・エリスの変拍子オーケストラとマイルス・デイビスの 'In A Silent Way' や 'Big Fun' 以降、ジョン・ハッセルからニルス・ペッター・モルヴェル、そして最近の 'アンプリファイ' したラッパによるアンビエント風アプローチは健在です(皆、蝋燭の火を灯すかのように画面が暗いしね...笑)。これが一番、ラッパの恰好良さを捉えているというか、どこまでいってもまだまだマイルス・デイビスの隔世遺伝って根強いんだなと思わせますヨ。イノベイターを超えるのは手強いのです...。
自宅での最小な 'お手軽セット' (という割りにはゴチャッとしてますが)。モバイルなデジタル・ミキサーTeenage EngineeringのTX6を中心としたセットアップは、本機内蔵の 'マルチエフェクツ' でEQやコンプのダイナミクス系から空間系、ループ・サンプラー機能などを担わせております。また 'センド・リターン' を利用して 'リアンプ接続' によるワウなど、ラインの環境で外部コンパクトペダルとの連携も目指しました。具体的にはその 'リアンプボックス' (逆DIとも言う)の生みの親であるエンジニア、John Cuniberti(ジョン・クニバーティ)氏設計によるオリジナルReampの 'センド出力' からワウなど各種コンパクトペダルを経由し、Radial Engineering JDIの 'リターン受け' でTX6へと信号がラインで戻るセッティングとなります。私の所有品はプロトタイプの完成から2年後の1995年に 'Reamp' として特許出願中のまだ手作りしていた頃のモノで、UTC製小型トランス '0-10' を搭載した黒い筐体横に特許出願中の意である 'Patent Pending' の表記があります(1999年12月に特許取得済み)。ちなみにそのクニバーティ氏設計のReampは、現在アップデートされたモノがRadial EngineeringからReamp JCRとして製品化されております。そう、現在管楽器の 'アンプリファイ' に特化したVoco-LocoやMixinglinkが市場へ製品化される以前は、このような煩雑なセッティングで管楽器にエフェクターを繋いでいたんですヨ。
→Fish Circuits Astronomie Envelope Reverb
ギタリストが歪み系ペダルばっか買う感覚に近いかも...(苦笑)。
MXR Dyna Comp、Carlin Compressor、BJFE Pale Green Compressor、Shigeru Suzuki C2 Compressor、Vox Smooth Impact、Roger Mayer 456 Single、Humback Engineering Spakling Gem、Strymon Deco、そして一応のメインであるNeotenicSound Magical Forceなどなど、いわゆるコンプレッションやサチュレーションの '質感生成' に特化したダイナミクス系ペダルばかりが手許に集まってしまった(汗)。ラインでの音作りが基本の管楽器による 'アンプリファイ' において、そのクリーンな音色に艶、コシ、倍音といった '意匠' を施すことが重要なんですヨ、ホント。そんな管楽器の 'アンプリファイ' において、この '質感' というやつを個人的に追求してみたい欲求があるんですよね。目的はアンプやPAを用いる環境において、その 'サチュレーション' や 'クランチ' の倍音含めた管楽器の 'クリーントーン' を作ること。もう、何度も口酸っぱくして書きまくってますけど(笑)、それはピックアップ・マイクからの '生音' の忠実な収音、再生を目指すより、あくまで電気的に増幅した際に映える '生音を作る' こと、自分にとってのフラットである管楽器の音を追求することに主眼を置くべき、と考えております。また、拡大解釈で '質感' をコントロールするという意味では、Korgの 'Traveller' を単体で抜き出したVCF FK-1 Synthepedalに象徴される 'フィルタリング' の発想にも繋がります。そんな 'エレアコ' な管楽器の音作りとしてはリヴァーブが重要なんですけど、渋谷の楽器店フーチーズがこんな面白いペダルを見つけてきましたねえ。個人的に大好きなダッキング機能を持つディレイですけど市場で滅多に見かけない機能から珍重されていたのが、なんとダッキング機能(それもかなり特異なサイケデリック風なヤツ!)のリヴァーブを作ってしまったとは...Fish Circuits Astronomie!。古くはエンヴェロープの内蔵したHoneyのSpecial Fuzzにまで遡るトリガーでダイナミクスを操作するこの機能は、そのトリガーコントロールのピッキングに対する '感度' 調整に各々の個性があります。Boss SG-1 Slow Gearなどエンヴェロープ・モディファイアに匹敵する極端なトリガーの動作は、本機のキモである 'Trigger' と対を成す 'Recovery' ツマミの挙動として反映されるようです。この減衰から復帰までの 'フェードイン' こそエンヴェロープによるダイナミクス・コントロールの醍醐味です。さて以下、個人的にそういう発想のきっかけとなった 'サウンド&レコーディングマガジン' 1996年11月号の記事 '質感製造器〜フィルターの可能性を探る' からエンジニアの杉山勇司氏(S)と渡部高士氏(W)の対談記事。いわゆる 'ベッドルーム・テクノ' の全盛期で、アナログシンセによる 'シンセサイズ' の意識がサンプラーや 'ローファイ' の価値観を通じて、あらゆるものを '変調' させるのが面白い時代でした。
− そもそもフィルターを能動的に使おうと思ったきっかけはなんですか?。
S − 最初に白状しちゃうと、渡部君からトータルにフィルターをかけるって話を事務所で遊んでいたとき聞いて "あっ" って思ったんだ。それまでの僕にとってのフィルターは、シンセの延長でしかなくて、Analogue SystemsのFilterbank FB3を持ってたけど、LFOでフィルターが動くエフェクトと考えていた。だからEQを手で回すのとあまり変わらない感じだよね。でもそのころ渡部君は、2ミックスをフィルターに通すって馬鹿なこと言ってた。
− それはだれかが先にやってたんですか?。
W − 2ミックスのフィルタリングは4年前に考えたんです。ミックスしてて、音が固くてどうしようかなって思ったときに "フィルターでもかけてしまえ" と(笑)。Akai S1000のループがRolandの音したらいいなって思って、Roland System-100Mに通してみた。結果的にフィルターを通るだけで思った音になったんですよ。
S − 変わるんだよね。それでフィルターを絞れば、また味も付くし。でも僕がそれに気付いたのは大分後。シンセはいじってたけど、それはシンセらしい使い方で、VCOがあってVCFも音作りの順番の1つでしかなかった。でもArp 2600を触り始めて "ここに音を入れてもいいの" って思ったんだ(笑)。それでFB3にも "ドラム入れてもいいじゃん" って気付いた。
W − 簡単にできるのはDrawmerのノイズゲートDS-201なんですよ。これにはローパス/ハイパスが付いていて、ザクッと切れるんです。これならどのスタジオにもありますしね。
− しかしそれを実際の現場でやってみようと考えるのは大変だったんじゃないですか?。
S − 昔は音が汚くなることを考えるのはダメだったよね。例えばギターだったらSSLのプリアンプより、Focusrite通した方がいいに決まってると思ってた。
W − それは1ついい音ができたら、簡単だから次もそうしようってことだよね。
S − で、そうやって録ると、ハイが延びていい音になる。でもそれは値段が高いからいい音になるっていう意識だし、EQもハイがあればあるほどいい音って発想にも近いよね。フィルターなんて通したら、当然S/Nは悪くなるし、ハイもローも落ちる。でもあるときにEQでローを足すんじゃなくて、ハイをしぼったときに自分にとってのいい音になることに気付いたんだ。今はいらない部分を削ったら、必要な部分をうまく聴かせることができると思ってる。
W − 実際5kHz以上って倍音が崩れてるから、いらない場合も多いんだよね。デジタルで22kHz以上がなくて気になるのは、それ以上の帯域がないからじゃなくて、急激にそのポイントでカットされているからなんですよ。
S − ローファイって言葉は大嫌いなんだけど、ハイファイに縛られてはいたよね。
W − フィデリティ(Fidelity)って '正確' って意味だから、自分のやりたいことができてるんだったら、それはハイファイなんだと思いますよ。
− 渡部さんの場合そんな制約が最初からなかったのはどうしてですか?。
W − それはエンジニアリングの入り口が違ったからだと思います。値段の張る機材があまり周りになかったのと、シンセのオペレートとエンジニアリングの両方を一緒にやるんで、卓のEQをいじるよりシンセのフィルターでいじった方が、楽に欲しいサウンドが手に入れられることが分かったんです。
− フィルターとEQの違いは何ですか?。
S − 一緒なんだけど違うという部分が分からないと使わないよね。
W − 僕がお客の立場で、エンジニアがEQじゃなくフィルターに僕の音を入れようとしたら、嫌がるだろうな (笑)。EQってエフェクターなんだけど、エフェクター的に使っちゃいけないという部分があるじゃないですか。
S − エフェクター的に使うんだったら、フィルターの方が面白いよね。例えば、以前ウクレレの音をArp 2600にスルーして録音したことがあった。それはArpのプリアンプの音なんだろうけど、それがすごくいい音になったんだ。1度その音を知ってしまったら、EQを細かくいじって同じ音を作ろうとはしないよね。想像もできなかったハイ落ちをしてるその音が実にいい音なんだ。
− そんな想像もできない音になる可能性という部分がフィルターの魅力の1つでしょうか?。
W − お手軽にいい音になるというかね。
S − 1度通して音が分かってしまうと、もう自分の技になるから、想像できるんだけどね。
− しかしEQで作り込めばフィルターと同じ効果が期待できるのではないですか?。
W − それは無理です。NeveのEQをどうやってもSSLでシミュレーションできないのと同じこと。例えばSystem-100Mを通したら、こんな細いパッチケーブルを音が通るから、それだけでも音が変わるし。機材ごとに違う回路を通ることによって、それぞれの音になるんですよ。
− 機材ごとのそんな特性を、人間の耳は感知できるものだと思いますか?。
W − 瞬時に判断することはできないけど、音楽になると分かるでしょうね。それは紙を触ってツルツルしているものが、少しざらついた感触になるような、そんな判断ですけどね。
S − それはエンジニアの耳ではなくても分かる違いだろうね。
W − よくオーディオマニアの人が、レコードからCDに変わったとき、奥さんが急に "うるさい" って言うようになったって話がありますよね。それを考えるとだれもが分かるものなんでしょうね。実際、2ミックスをSystem-100Mにただ通して聴いているだけでは、その違いがあまり分からない人もいる。しかしそれを大音量で長時間聴いていると、それまで耳が疲れていたにもかかわらず楽になったりすることがあるんですよ。
− 2ミックスにフィルターをかけるエンジニアは結構いるんでしょうか。
W − ほとんどいない。トータル・フィルターって言葉自体僕が作ったんだもん(笑)。第一エンジニアがフィルターを持っていないでしょ。僕はここ(オア・スタジオ)にあるからSystem-100MやRoland SH-2を使ったりしてます。2ミックスを通すために、わざわざもう1台買ったんだけど、フィルターの性能が全然違うんですよ(笑)。
S − 僕もArp 2600のフィルターとアンプの音が好きで、それだけで売ってほしいくらい。でもこれも1台1台性能が違うんだよね。これじゃ2ミックスに使えないって。
W − System-100Mは1モジュールでステレオというか2チャンネルあるから大丈夫なんですよ。
S − 僕も1度片チャンネルずつ別々に1つのフィルターを通したことがあった(笑)。
W − 要するに歪んでるんですよ。コンプでたたいたような状態。だからモノ・ミックスにするしかないですよ。モノでフィルターかけて、後でPro Toolsで加工するのはどうでしょう(笑)。
− 質感が出来上がったものは、他のメディアに移してもそのまま残っていくんでしょうか?。
W − それは残りますね。FocusriteもNeveもヘッドアンプは音を持ち上げるだけでしょ。それだけなのに音が違う。エンジニアは音の入り口のアンプでまず音を作るわけで、卓で作るんだったらコンプでいじるんだろうけど、コンプレッションがいらない場合もある。だからサンプラーに通して、ピークをなくして、アタックを落としたりすることもあります。ADコンバータ通すこともフィルターですから。
− トータルにかなり強烈にフィルタリングすることもあるんですか?。
W − 向こうのテクノでは、モコモコしたサウンドからどんどんトータルにフィルターが開くものがありますね。
S − それはそんな音を理解できる人間がエンジニアリングしたり、アーティスト本人がエンジニアリングを担当したりしなくちゃできない。そんな作業は音楽性を選ぶんだろうけど、概念的には音楽性は全く選ばないと思う。
W − 例えばアコギをフィルターに通しても、普通に良くなるだろうし、暖かくなるだろうし、ワウにもなる。でも実際にフィルターで大きくカットするのは問題ですよね。それだったら、ローパスよりハイパスの方が使い手があるかもしれない。
S − Ureiにも単体フィルターがあったもんね。真空管のマイクを使って真空管のアンプを通ったいい音を、もっと味のある音にするために、EQで音を足すんじゃなくて、どこをカットするかという発想自体はずっと昔からあったものだと思いますね。
− エンジニアがどうしてこれまでフィルターという存在に目を向けなかったのでしょうか?。
W − エンジニアという職業自体、もともとは出音をそのままとらえるのが仕事だったでしょ。それだったらフィルターを通すなんてまず考えない。変えようと思えばフィルター1つで音楽性まで簡単に変えられますからね(笑)。
S − 確かにフィルターは面白いけど、それはやはり一部の意見で、一般的にはならないだろうね。こんな感覚が広まったらうれしいけど、そこまで夢を見てませんから(笑)。
W − 僕にとっては、コンソールのつまみもフィルターのつまみも一緒だけど、そうじゃないエンジニアもいる。でも一度でいいから、どのエンジニアもその辺のフィルターをいじってほしいと思いますね。本当に音が変わるから。
S − 使うか使わないかは別にして、この良さは大御所と呼ばれるエンジニアもきっと分かると思うな。僕も最近はUrei 1176とか使うんだけど、1178も用途によって使い分けている。これはフィルターに音を通し始めてから、それらの音の質感の違いが分かってきたんだ。
− 鍵盤が付いていてシンセの形をしているから使わないという部分もあるのでしょうか?。
S − それはあるだろうね。エンジニアには触れないと思いこんでいたのかもしれない。ハイパス/ローパスは知っていても、レゾナンスという言葉自体知らないエンジニアもいるだろうからね。
W − 僕がミックスしててもフィルター使うのは、単に差し込めるジャックが付いているからで、それだけのことです。
− ジャックがあったら挿し込んでみたい?。
S − 何もやみくもに挿さないけどさ(笑)。
W − ミックスしていてこの音を変えたいって思ったとき、スタジオを見渡してこれと思ったものに入れてみる。ダメだったらそれまでだし、良くなれば、次からそれは自分の音として使えるわけです。最初の1回はトライ&エラーですよ。
− 徐々に単体のフィルターが発売されていますが、時代的にフィルターは求められていますか?。
S − デジタル・フィルターでもSony DPS-F7みたいに面白いものもあるからね。
W − それからYamahaのSPXシリーズも、EQのモードの切り替えでダイナミック・フィルターにもなるし。これもいいんですよ。
S − 何か変な音にしてくれって言われて、それソフト・バレエ(のレコーディング)で使ったことあるな。
W − それからEventide DSP-4000が面白いんだ。自分でパッチを自由に作れるから面白いんだけど、この間作ったのが、サンプル・レートやビット数を自由に落とすパッチ。
S − どんな人たちもフィルターを使うという発想になった方がいいと思う。何ごとにもこだわりなくできるような状態にね。
"最近(の機器)はいかにノイズを減らすかということが重要視されていますが、僕が今でもMoogシンセサイザーを使っている理由は、何か音に力があるからなんですね。低音部など、サンプリングにも近いような音が出る。それはノイズっぽさが原因のひとつだと思うんです。どこか波形が歪んでいて、それとヴォリュームの加減で迫力が出る。だから僕はノイズをなるべく気にしないようにしているんです。デジタル・シンセサイザーが普及してノイズが減り、レコーディングもデジタルで行われるようになると、音が透明過ぎてしまう。ファズやディストーションもノイズ効果の一種だし、オーケストラで ff にあるとシンバルや打楽器を入れるというのも騒音効果です。弦楽器自体も ff になるとすごくノイズが出る。そうしたノイズは大切ですし、結果的にはエフェクターで出たノイズも利用していることになるんだと思います。"
しばらく、この手のアプローチは棚上げしていたのですが、ドイツのFlame Instrmentsというモジュラーシンセの工房からガジェットな機器としてMIDI Talking Synthという製品が出ていたことを思い出します。古の 'Speak and Spell' で有名となったMagnevation LLC製造の 'Speakjet Chip' を2つ搭載したこのFlame製品第一号は、そもそも生産台数が少なかったこともありわたしが探し始めた時点で相当のプレミアが付いておりました。そして、これまたレアなこのTalking Synthの 'ユーロラック・モジュール' を中古で見つけたことから、ドドッと事態が急変していく怒涛の展開...。まさか自分が 'モジュラーシンセ' の世界に足を踏み入れてこのTalking Synthをどう発音させよう?、どのモジュールと組み合わせよう?などと考えてるとは思わなかったな(苦笑)。何よりこの時点でこのモジュールがどう発音し、どうトランペットの 'アンプリファイ' と連携した世界になるか?なんて何ひとつ分からなかった...。あくまで各モジュールのスペック読みながらアタマの中で観念的に組み上げ、想像してただけだったんだから...テキトー過ぎますヨ。とりあえず、あの日本を代表する作曲家、冨田勲氏は相当な思いで購入したMoogのモジュラーシンセを喋らせたかった、という思いからノコギリ波をローパスでフィルタリングしてステップシーケンサーにより '口腔の広がり' を制御、模倣させるというパッチングだった記事を思い出します。とりあえず、まずはトリガーして '発音' させようとHikari InstrumentsのAnalog Sequnecer Ⅱを手に入れたことから、この日本の工房製品に焦点を絞り最低限の '4Uラックサイズ' 程度で組み始めました。
「なんだ、それは?」って言うんで、発振器からいろんな音が作れるっていうものを、シンセサイザーっていうらしいよって答えたら、「へえ、じゃあ、シンセサイザーっていうんだ、これは。そういう方に入るんだね」って。"
●Fission
このモードでは、入力された信号の周波数帯を分割し、それぞれを2つのLoopにスプリットして再びミックスして出力出来ます。Umbrella Company Fusion BlenderやVocuのMagic Blend Roomなどと同種の機能ですね。またエクスプレッション・ペダル及びモジュラーCVでのコントロールにも対応。
●Fusion
このモードでは、2つのLoopのバランスを調整してブレンドすることが出来ます。これらミックスのバランスは筐体真ん中にあるSplitpointツマミ、またはエクスプレッション・ペダル及びモジュラーCVでのコントロールにも対応。これは廃盤になりましたがDwarfcraft Devices Paraloopと同種の機能に当たります。
●Fallout
このモードでは、2つのLoopの前にワイドノッチ・フィルターを適用して、Splitpointツマミやエクスプレション・ペダル及びモジュラーCVでのコントロールにも対応。ペダル・コントロールすることでワウのような操作を付加することが出来ます。また本機には、これとは別にHicut、Locutのフィルターを搭載して音作りに適用することが出来ます。
本機Transmutron搭載のフィルターは12dB、24dB、48dB/Octのスロープ角度を選択出来、それぞれFission、Falloutモードのワイドノッチ・フィルターにも適用されます。もちろん、Ch.2のLoopでフェイズアウトが起こった際の位相反転にも対応出来るのは素晴らしい。そして2つのLoopからなる 'Send/Return' にはフォンと 'ユーロラック' モジュラーでお馴染み3.5mmミニプラグが同時対応し、さらにこの3.5mmのLoopには内部DIPスイッチにより楽器レベルとラインレベルで 'インピーダンス' を切り替えて使用することが出来ます。ちなみにこのTransmutronの 'Loop 2' へTalking SynthをLineモードで繋いでいるのですが、せっかくもうひとつの 'Loop 1' が空いていることからこちらにVoxの真空管 'Nutube' を用いた新たなシリーズ 'Valve Energy 2nd' からコンプレッサーSmooth Impactを接続!。以前はNeotenicSound Magical Forceに担わせていたラッパの '音質補正' をこちらでやってもらうことにしました。ええ、やはり '最高のペダルレビュワー' であるフーチーズ村田善行氏の動画で 'お財布のヒモ' が緩みました(笑)。その思惑通り?本機の狙いと美味しいツボの引き出し方、その言語能力が的確ですね。こちらは3種のモード 'VTG'、'NAT'、'SAG' を駆使しジャキッとしたアタックと纏まりのある飽和感から、特に管楽器の 'アンプリファイ' でライン出力前に置きたいペダル筆頭でしょう!。従来のVCA、光学式、FETなどのクリッピング回路とは一線を画し、真空管の非線形領域を利用しながら高調波によるナチュラルなコンプレッションを実現します。ただ、パワーサプライに1つ100mAのDC9V端子が空いていたので繋いでみたものの消費電流不足...(汗)、本機のみ別個でBossのDC9V200mAアダプターPSA-100P(トランス式)で供給しております。